アフリカの記憶 192

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 Nigeria / Niger Delta 2005

 今夜はロボトキリに泊まる。村の一角の平場をお借りして、テントを張らせていただく。自分のテントは、カラハリ砂漠でも、ボツワナのチョベのホテル脇のキャンプエリアでも、ジンバブウェのブラワヨやヴィクトリア・フォールズのキャンプ場でも使ったもの。かなりボロくなっているが、もう少し頑張ってもらおう。

 夕方・深夜・早朝、それぞれの時間帯、懐中電灯と録音機材だけ持って、繰り返し森の中に分け入り、その森の音を録音し続けた。様々な生き物たちのさざめき。森そのものが生きているかのような息づかい。そうした表情が刻々と変化していく。それが、とても美しく、とても心地よい。まさに森のオーケストラだ。寝不足続きなのに、結局今夜も眠れない。

 しかし、暗闇の中、近くの石油施設が発する耳障りなノイズが、悪意を持った通奏低音のように、音環境を破壊する。


(10年くらい前までは、暮れ時・皆が寝静まった深夜・明け方4時台/5時台といった、特に自然環境音が美しい瞬間を狙って録音していた。だが今は、大容量メディアを使ったデジタル録音機が安価で入手できるので、一晩中録音し続けることが多い。昨年秋に旅した、ラオスの森、バリ島の森でも、夜、ホテルのテラスにレコーダーをセットし、録音ボタンを押してから寝てしまい、そのまま朝まで放置していた。本当に便利な時代になった。そうした音を求めて、また世界のどこかの森のオーケストラを録音しに行きたいものだ。)







by desertjazz | 2020-11-30 00:00 | 旅 - Abroad
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