アフリカの記憶 198

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 Nigeria / Port Harcourt 2005

 ポートハーコートでもレゴスでも、ちょっとした空き時間を見つけては、街中のレコード店や(さすがにヴァイナルはもう見かけなかった)、市場のカセット屋/CD屋に足を運んでいた。ほんの数回行けただけだったけれど。写真はポートハーコート近郊の市場にあったカセット屋だと思う。知らないミュージシャンたちのカセットがずらっと並べられていて、まさに壮観だった。

 日本を出発する前に「ハルナ・イショラ Haruna Ishola の息子が今すごいらしい。だけど、誰も実際聴いたことがないし、CD も手に入れていない。ぜひ買ってきてほしい」と言われた。それでナイジェリアに着いてから探してみると、しばらくしてその Musiliu Haruna Ishola の CD を見つけることができた。他にも、有名ミュージシャンながら日本では見たことがない作品がかなりあった。そうした CD やカセットの多くはこのような店で出会ったのだった。

 しかし、ナイジェリアにやって来て最大の収穫は、何と言ってもレゴスの Jazzhole に行けたことだ。書店とレコード店を兼ね合わせ、時々インハウス・ライブもやっているこのスポットの名前を知ったのは、昔ニューヨークの Sterns(WTC の直下にあったため 9.11 テロで被害を被り閉店となった)で、 Jazzhole レーベルの CD を見つけたのが最初だったと思う。そしてナイジェリア入る前に色々調べて、Jazzhole こそがレゴスで最高のレコード・ショップであることを知った。

 レゴスの高級エリアからさほど離れていない場所にある Jazzhole では、ストックのあった Evergreen Music 盤は全タイトル買った。また、Fatai Rolling Dollar が復活していることにも、店で勧められた CD を見て気がついたのだった。帰国後 Evergreen 盤を渋谷の El Sur Records に紹介したところ、長年ベストセラーになったので、それだけでも私がナイジェリアに行った意味があったのではないかと思うほどだ。

 Jazzhole では貴重な音楽雑誌も手に入れた。一度きり短い時間訪れただけなので(写真を撮る余裕すらなかった)、見逃したアイテムも多かっただろう。この手の店では、相談すると、こちらが興味を持っていそうなブツを奥の倉庫から色々出してくることが多い。そうしたことを思い出すと、今更ながら後ろ髪を引かれるような気になる。もし今年ナイジェリアに行けていたら、Jazzhole も再訪したかったと改めて思う。






by desertjazz | 2020-12-06 00:00 | 旅 - Abroad
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