Japan / Tokyo 2013.09.07
ある意味、自分にとってこれが今年2020年を象徴する1枚だろうと感じている。
とは言っても、撮影したのは7年前。2013年9月7日、東京五輪開催が決定した夜、近所の駒沢公園を散歩中に写したもの。前回の東京五輪を象徴するタワーが五輪の5色にライトアップされていたのだった。
五輪を日本に招致することにはずっと大反対だ。商業化されすぎた今の五輪は、国家機関でもないオリンピック委員会という特権意識むき出しの組織によるお祭りイベントに過ぎない。それに大騒ぎして兆円単位の国家予算を投じる(それによって、大企業を潤わす)ことには、納得がいかないからだ。何より、社会に問題山積の今、金と人の使い方の優先順位が違いすぎる。この明かりを目にして、怒りと落胆が募るばかりだった。
その後も「東京五輪は中止になる」とずっと言い続けてきた。何の根拠もなく、単なる願望だけで。
それが、新型コロナにより延期に。いい加減な予言が半分だけ当たった形になった。
しかし、この7年間に限っても日本という国はますます悪くなったと思う。これだけコロナの感染が広がり、五輪反対が国内で多数派になっても、政治家たちは開催に固執する。それはお仲間たちへの利益誘導が五輪開催の目的だから。(全てが破綻しているのに後に退けない状況は、かつての太平洋戦争に酷似している、との指摘にも頷首。)
国民にとって悲劇なのは、問題に対処できる政治家が少ないことだ。例えば「原発事故は起こり得ない」などと、自分に都合の良い妄言や嘘を重ねるばかり。まるで自己暗示か幼児の言い訳のように。状況を分析し、的確な判断を下す、そのような政治家に求められる訓練をしてこなかったのだから、今回のコロナに対して正しい対応などできるはずがない。その結果が、政治家たちのコピーライター化(キャッチフレーズを考えるだけ)と、無策が招いた感染拡大だ。
そして、洗脳的教育により、自分の意見を主張しない/強い者に異を唱えない無個性な人間が増えたこと、その一方で自分のことしか考えない人間の多くなったことが、今の政治状況と反知性を許しているのだろう。その結果、生きづらい社会になってしまったことが、より深刻な問題だと思う。
どう考えても、現状、日本は自滅へと走っている。もう絶望感しかない。ならば一旦立ち止まり、五輪の中止を速やかに決め、五輪のための財源を弱者を救うことに使うことから始める必要があるのではないだろうか。
駒沢公園で目撃したあの光こそが、真の「東京アラート」だったのだと思う。
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(調べてみると、駒沢公園のタワーの正式名称は「駒沢公園オリンピック記念塔」だった。この記念塔は、現在も夜19時から1時間?だけブルーにライトアップされている。「新型コロナウイルス感染症患者の治療に尽力する医療関係者等に感謝を示し、応援するため(の)医療関係者等応援ライトアップ」とのことのようだ。肝心の医療従事者の方々は「感謝はいらない」と繰り返し、労働環境と待遇の改善を求め続けているのに、なんだかなぁ。。。)
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