キサール島の絣 Kisar Ikat(3)

キサール島の絣 Kisar Ikat(3)_d0010432_22405146.jpg


 キサールのイカットに魅入られてからは、この布が作られる現場を直に見てみたくなった。大洋に浮かぶ小島というだけでも、旅心がくすぐられる。それで、キサール島に行く方法を何度も探ることに。

 地図を見ると、キサール島はチモール島東北部に位置しており、チモールの肩にちょこんと乗っているように目に映る。ならば、チモールから船に乗れば島まで簡単に辿りつけそうだ。そう考えたのだが、東チモールは 2002年に独立したため、インドネシアとは別の国。ならば、国境越えの船など考えにくい(それ以前からポルトガルに実効支配されていたので尚更だ)。

 そこで調べてみると、キサールは行政的には何と遥か北方のマルク諸島に属するようだ。そのため、最も一般的なアクセス方法は、マルク諸島のアンボン Ambon からの船での移動らしい。しかし、この船での往復には一体何日必要なんだ?

 さらに調べると、飛行機も飛んでいることがわかった。この小さな島に滑走路があることは、全く念頭になかったので驚き。アンボン、あるいは西チモール最大の町クパン Kupang からも時折フライトがあるようだ。だが、それが定期便なのか不定期便なのか、そして今も運行しているのかどうかよく分からない。

 調べた限りでは、1週間に1本程度、船や飛行機が往復していた時期もあったようだ。たとえ今も同様だとしても、日本からキサールまで往復するには最低1ヶ月は必要だろう。

 キサールはどのような土地なのだろうと思って、動画を検索して見た。すると、いくつか見つかり、若い白人が観光で訪れた様子が記録されている。こんな場所にも観光で訪れる人がいるとはね。しかし、映像を見る限りは、何ら魅力を感じない変凡な島。まあ、それも当然だろう。

 もしキサールまでたどり着いたとして、問題なのは、泊まる宿があるのか、食事場所はあるのか、言葉は通じるのか、現金はどれくらい必要なのか。宿泊に関しては、宿がなくても、寝袋さえ持っていけば、まあ何とかなるだろう。昔だったら、バリでも初対面の人に「ウチに泊まって」と言われたこともあり、そんな出会いにも期待してしまう。食事に関しても、多分簡単な食堂くらいはあるに違いない。支払いについては、多分インドネシアルピアの現金しか通用しないだろうな。まあ、どんなことでも片言のインドネシア語で何とかなるはず。

 仕事に一区切りついたら、数ヶ月かけてインドネシアをゆっくり巡り、その間にキサールにも足を運んでみたいと思いながら、こうしたことを調べ思案していた。毎度旅のプランを練ることが個人的には大きな楽しみだ。しかし、新型コロナのために、それもしばらくは無理だろうな。



(2021/04/30 全面的に書き直し)







by desertjazz | 2021-04-29 23:00 | 布 - Ikat and

DJ

by desertjazz
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31