ワルジーナの10インチ盤

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 先日、渋谷の某レコード店にインドネシアのレアなヴィンテージ盤がまとめて入荷したと聞き、早速駆けつけた。見せていただくと、これまで目にしたことも聴いたこともない 10インチ盤ばかり。中でも珍しいレーベルのクロンチョン盤2枚は、ジャケットのイラストがなんともいい感じ。かなり高かったが、試聴するより前に「買っていいですか?」と口にしてしまった。レコードとは一期一会。一目で気に入ってしまったので、思い切って大枚はたいて2枚ともお買い上げ。

Orkes Krontjong "Asli" "Krontjong Abadi - Fantasi" (Putri ACL 13, 1962)
Orkes "Karya Nada" "Volume 2" (Karya DN-015, ? )

 どちらとも、何とも柔らかなクロンチョンの響きがたまらない。当時はまだワンポイント録音だったのだろうか?などといったことも頭をよぎる。特に前者は、聴き親しんだ後年のクロンチョンよりもシンプルな構成で、興味深い。

 インドネシアのクロンチョンの中でも、やっぱりワルジーナさんが私の一番のお気に入り。200タイトルあるとも言われるアルバム全てを集めるつもりなどないが、10インチと 12インチのLPは目にする度にコツコツ買い集めている。いや、今では 12インチ盤を入手するのも至難のワザなので、全部は無理だし、探す気もない。なので、せめて 10インチだけでも揃えたいと思っている。

 私が持っているワルジーナさんの 10インチは以下の5枚。

(1) Orkes Krontjong "Irama Sehat" "Krontjong Langgam Djawa" ‎(Lokananta ARI-105, 1963)
(2) Orkes Krontjong Tjempaka Putih "Tjempaka Putih" ‎(Lokananta ARI-119, 1966)
(3) Orkes Krontjong "Bintang" "Waldjinah Ratu Ratu Kembang Katjang" ‎(Lokananta ARI-123, 1967)
(4) Waldjinah "Ngelam-Lami" ‎(Lokananta ARI-127, 1968)
(5) Orkes Krontjong Irama Eka "Elingo Bebaja Marga" (Ramaka IK-01, ? )


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 (1) でワルジーナさんが歌っているのは2曲。それらのうちの1曲は、グサンさんとデュエットしていて、これが実にいい。お二人ともまだ若々しい声だ。このレコードはジャカルタの古物屋(中古レコード店)で見つけたんだったかな。ジャケのダメージが大きいのが残念。(2) と (3) は他の女性歌手とのアルバム。なので、彼女の最初のソロ・アルバムは (4) なのではないだろうか。そう思って、昔ジャワ島のソロにワルジーナさんとグサンさんを訪ねた時、わざわざ日本からこのレコードを持って行き、お二人にサインをいただいた(このアルバムにはグサンさんも参加している)。これは私にとって大切な宝物のひとつだ。

 ワルジーナさんの 10インチはまだ他にもあるのだろうか? ネットには彼女の完全なディスコグラフィーなど存在しないようなので、実際のことがずっと分からないでいる。

 ところで、今回買った Putri 盤 10インチのジャケに WALDJINAH と記載されていることに気がついた。裏ジャケのインドネシア語の解説を無理やり読むと、このアルバムの収録トラックはどうも 1960年に録音されたらしい。Wiki などによると、彼女は 1945年生まれで、58年に開かれた大会で優勝し、それでプロ・デビューに至ったのこと。だとすれば、これは彼女の最初期(15歳?)の録音だということになる。いや、もしかすると初録音か?

 この10インチ盤には、男性3人、女性5人の歌手の歌を収録している。だが、いずれのトラックを聴いてもワルジーナさんの声ではない。どの歌手も彼女に比べると、声域が低く、ワルジーナさんに特徴的なハイトーンの響きが感じられず、またクラシック的なビブラートがかかっている。クレジットをじっくり見たのだが、ワルジーナさんらしきものはなし。残念!

 ところがもう少し調べてみると、同じ Putri 盤に次のレコードが存在することが判明した。

Orkes Krontjong "Asli" "Krontjong Abadi - Indonesia Djelita" (Putri ACL 10, 1962)

 ジャケットのデザインは、今回入手した "Fantasi" (ACL 13) と共通だが、色は赤ではなく青。そして、ワルジーナさんもしっかりクレジットされている(アルバム最後に収録された "Kr. Lelo Ledung" という1曲)。

 さらに調べると、Ramaka には単独盤もあることが分かった。

Waldjinah "Rangkaian Sandang Pangan" (Ramaka IK-003, ? )

 私が持っている5枚の他にも 10インチ盤が存在していたのだ! うーん、これら2枚も欲しい! 聴きたい!

 いやいや、もしかしたらそれ以前に SP 盤もあるのかもしれない。こうして謎と興味がどんどん膨らむのだった。



 CD を漁ると、ワルジーナさんとグサンさんのサイン盤が他にも出てきた。これらもソロのお宅にお邪魔した時にいただいたのだったな。

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by desertjazz | 2021-05-23 00:00 | 音 - Music
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