B&W 805D4/PB 導入記(1)



 今から半月前のこと。


 思うところあって、スピーカーを衝動買い。

 これは自分史上最高額の買い物。

 しかも、いっさい試聴せずに。

 だがそれは、戦略を踏まえてのことだった。



 昨年、アンプとCDプレイヤーを買い換えたら、音が格段に良くなった。ならば今度はスピーカーもグレードアップしたくなる。そこでここ1年ほど、ハイエンドのオーディオショップ、オーディオショー、オーディオマニア諸氏のオーディオルームなどで、100万円台から(買えはしない)1000万円以上のものまで、様々試聴させていただき、15年間使ってきた PMC OB1 に代わるスピーカーを検討していた。


 聴いた中で特に気に入ったのは、Sonus Faber の Amati Tradition と Guarneri Tradition だった。しかし最近、Guarneri は生産終了し、日本の代理店に在庫なし。一方の Amati も同時に生産終了。まだ在庫ありだったので、思い切るか悩んだが、そもそも今の賃貸マンションではとても鳴らしきれない。結論として、OB1 より大きなスピーカーの導入は無理だと悟った。


 そこで考えを変え、トールボーイではなくブックシェルフならどうだろうと思い始めた。昨年アンプを Luxman L-570uX MarkII に変えて以降、低音がたっぷり鳴り床が振動するようになったこと(MDFボードを敷いて防震はしているのだが)、夜に静かな音楽を聴く機会が増えたこと、そして最近のブックシェルフに驚くほど音の良いものがあったことから、一度試してみたくなったのだった。


 先日、東京オーディオショーで、Sonus Faber の Electa Amator Ⅲ と YG Acoustics の CAIRN をたまたま耳にしてびっくりした。少々離れた場所から聴いたのだが、それでも大型スピーカーが鳴っているかのような力と低音を感じた。もう大きなスピーカーはいらないんじゃないかと思わせられるほど。


 でも、同じ Sonus なら Electa Amator Ⅲ より Guarneri に音的にもデザイン面でも惹かれる。来年発売予定のCAIRN にしても、この小ささで 217万円(スタンド込み)ではちょっと躊躇してしまう。


 だとすると残る選択肢は B&W (Bowers & Wilkins) 。別の試聴会で聴いた 803D4、これがとてもよかった。以前聴いた 804D4 のツイーターが「耳に痛く」て、やっぱり B&W の新しい800ライン(D4シリーズ)はダメだと感じていたので、ちょっと意外。B&W はデザインも好きじゃないのだが、昔某量販店に偶然耳にした 805D3 の女性ヴォーカルがとても温かく生々しかった記憶が蘇る。


 803D4 を聴いて D4シリーズの音の傾向は掴めた。まず音の解像度が圧倒的に高い。また大きく自然な響きの空間を生み出す。トールボーイよりもずっと小さなスピーカーでフォーカスのはっきり定まった音を聴きたくなってきた。自分はクラシックは聴かず、エッジの効いた現代的な音をよく聴く。ならば、箱の鳴りで表現する Sonus より、B&W(あるいは Magico、Focal)がいいのかもしれない。


 最初は嫌いだった 805D4 のデザインも、見慣れてきたのか、それほど悪くないと思い始めた。そんな折、来年1月に20パーセント大幅値上げされると発表。解像度の高い B&W を自宅で試すのは、これがラストチャンスかも? そう思いながら探してみると、品薄なはずの PB(ピアノブラック)の在庫を発見。販売価格を問い合わせると 15パーセント引きとの回答。これなら手が出せなくもない。もし気に入らなくても、805D4 なら高く売れるだろう。


 そのような経緯で、試聴なしに 805 の最新型を購入。毎度大して試聴せずもに買うのは、店頭では再生機とアンプとスピーカーの様々な組み合わせで聴くことになるため、単体の特徴を正確に把握するのには限界があると考えるから(店側がプレゼンする最大能力を知ることはできるのだが)。アンプでもスピーカーでも実際に自宅でしばらく鳴らしてみないと評価しきれない。


 次のスピーカーを決めるまでの間、「お試し」で導入した B&W 805D4。2週間前の 11/27(日)に納品されてきた。それ以来、W杯もほとんど観戦せずに、毎日エージングを続けている。




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 スタンドは自分で組み立てるのね。少々面倒。

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 スピーカー本体はこの図の説明に従って箱から取り出す。

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 そして、いよいよ御開陳。







by desertjazz | 2022-12-10 10:10 | 音 - Music

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