先週末から群馬を小旅行している間に(太田市で初開催となった Brazilian Day Japan へも。はるばるバイーアからやってきた Saulo Feernandez のライブが楽しかった!)音楽書が2冊届いた。1冊はリッキー・スタイン Rikki Stein の自伝。
・Rikki Stein "Moving Music - The Memories of Rikki Stein" (Wordville, 2024)
リッキー・スタインというと 1980年代に Fela Kuti のマネージャーを務めた印象が強いが、実際 Fela について書いている分量が多い。Rachid Taha との思い出なども綴られているようで、これから少しずつ読んでいこうと思う。
もう1冊は "In Township Tonight !" という南アフリカの音楽に関する研究書。
・David B. Coplan "In Township Tonight ! - South Africa's Black City Music & Theatre" 2nd Edition (Chicago Press, 2008)
先日、
キッピー・ムケツィ Kippie Moketsi について調べていたら、参考文献として "In Township Tonight !" が随所で取り上げられていた。さてどんな本だったかと思い、書棚を探したものの見つからず、元々持っていなかったことに気がついた。そこでネット検索してみると、1985年の 1st Edition から 200ページ近く増補した(全部で約450ページ)2nd Edition が 2008年に出ていることを知った。幸い中古本が見つかり、少々高いがこれは持っておくべきと考えて注文したのだった。
(結構有名な本らしいので、長年南ア音楽を聴いている方なら多くの方が既にお持ちなのでしょう。)
その本がイギリスから届くまでの間、南アフリカ音楽に関する書籍をあれこれめくってみた。それらの中の1冊 Christopher Ballantine "Marabi Nights - Early South African Jazz and Vaudeville" に、キッピーも所属していた The Jazz Maniacs の写真を見つけた。彼が加入する前の時代の写真なのだが、リーダーのソロモン Solomon 'Zuluboy' Cele らと共に写っているピアニストは Jacob Moeketsi。Kippie の兄である。このような繋がりがあったから、キッピーも Tha Jazz Maniacs のメンバーになったのだろう。
しかし彼が参加した時には Solomon はもういなかったようだ。どうやら彼は何者かに殺されたらしい。"Marabi Nights" にはソロモンのポートレートも掲載されているのだが、ギャング風に気取って写っている。キッピーはチャーリー・パーカーに憧れ、私生活でもパーカーを真似てか問題の絶えない人物だったようだが、ソロモンはそれ以上だったのだろうか。1940年代のジョハネスバーグのジャズ界は結構ヤクザな世界だったのかもしれない、なんてことを想像させる。
"In Township Tonight !" は 20世紀前半の様子について詳細に書かれているようなので、そうした雰囲気も伝わってきそうだ。遅ればせながら、この本は時間をかけてじっくり読んでみたい。
♪
♪
♪
♪