◆ 7月16日(火)
7時起床。相変わらず時差ボケをしない体質だ。
シャワー、洗濯、朝食の後に付近を散歩してみると、カミーユ・ペルタン通り Av. Camille Pelletan(ボン・パストゥール通り Rue du Bon Pasteur の東に沿う本通り)と並行に、新しく公園 Parc de la Porte d'Aix ができていることに気がついた。ベンチを兼ねた石段や子供のための遊戯施設が整備されていて、なかなか良い空間だ。フェンス沿いには、エクス門 Porte d'Aix 周辺の歴史的変遷や、近年の再開発(ユーロメディテラネ)の概要について説明する、数十枚のパネルが展示されている。鳥海基樹の『マルセイユ・ユーロメディテラネ:文化化と享楽の衰退港湾都市再生』で読んだことが、数多くの写真や図版を用いて、よりビジュアル化されており見ていて飽きない。これは私にとってとても有益なものだと思い、説明書きも後で読もうと考えてひと通りカメラに収めた(ただし、朝の光が順光でコントラストが強かったため、後日全て撮り直すことに)。
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マルセイユに滞在するのが9回目ともなると、観光ガイドに掲載されているような所にはほぼ行き尽くしている。だが、1ヶ所肝心な場所にまだ足を運んでいないことに気がついた。それは旧施療院 Centre de la Vieille Charité(救貧院)。旧港近く、ル・パニエ Le Panier 地区のほぼ中央にあるのに、どうしてこれまで見落としていたのだろうか。
そこで今回の旅では最初に(さほど期待せずに)ここを訪ねてみることにした。歩いて丘を越え、10時頃に行ってみると、そこそこの数の観光客、さらには小学生?の団体が来ていて、周囲には土産物屋も並んでいたので、結構有名な建物なのだろう。かつての施設を改装して、2階には博物館を3階には美術館を開設している。これらは全て無料で見られる(「セキュリティー上」の理由から受付で入場券を受け取る必要がある)のだが、これが実に素晴らしかった。ここで働く人々は皆親切で、中庭を眺めているだけでも居心地が良く、結局昼過ぎまで2時間たっぷり観て回ることになった。
その足で、近くのマルセイユ大聖堂 Cathédrale La Major まで行ってみる。白と黒の石が層状に積み上げられた姿が気に入って時々訪れているこの巨大な聖堂、これまで人を見かけるた記憶はあまりないのだが、今日は観光客で溢れている。これはバカンス・シーズンだからなのか、それとも近年のマルセイユ市を挙げての観光化の成果なのか。
スポット巡りは1日に1ヶ所で十分だろうと考えたので、そろそろ引き上げることにする。その帰り道、19日に Massilia Sound System のコンサートが行われる市庁舎脇の広場に立ち寄る。そこに立てられた掲示を目にして、他にも興味深いライブが予定されていることに気がついた。
最後に、エクス通り Rue d'Aix とボン・パストゥール通り Rue du Bon Pasteur を観察しながら、13時頃にホテルに戻った。この辺りは昔に比べると考えられないほど綺麗になった。気のせいか、通りの雰囲気もずいぶん穏やかになったと思う。
(続く)
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