◆ 7月17日(水)Part 2
(先にも書いた通り)昨年滞在したインドネシアのバリ島を例外として、ここ何年も海外ではほとんど外食をしていない。今年3月に訪れたオーストラリアでも数回のみ。朝は日本から持って来たシリアルに牛乳をかけて、昼は抜くことが多く、夜もスーパーで買ったサラダと安いワイン程度というのが基本。残念ながら今の日本人には欧米で普通に外食する経済力はない。今回も食料をたっぷりスーツケースに入れて来た。
それでも今度のマルセイユでは、一度だけ贅沢をすることにした。
フレンチとコンゴ料理をミックスしたという KIN の評判が最近すこぶる良い(KIN はキンシャサ Kinshasa の略称)。個人的にはミシュランもフュージョンもガストロミーもあまり興味はないし、何より予算オーバーだけれど、日本で寿司を食べるのと大差ないかと思い、話のネタに試してみる気になった次第だ。
実際いただいてみたら、想像に反してガストロミー的な要素は少なく、基本はあくまでフレンチ。そこにアフリカの食材をうまく組み合わせている印象だった。コンゴやカメルーンのスパイスも使っているそうで、ジンジャーやレモンも効果的。そのためか、とにかく香りが良い。どこかアフリカの懐かしい香りを感じる料理が多かった。
実は昨日、店の前を通った時、休業日にも関わらずオーナーシェフの Hugues Mbenda さんが店の入口に出てきたので、彼と話すことができた。この偶然を「ここで食事しなさい」という意味だと捉えて、彼に直接予約したのだった。キンシャサで生まれた彼は、パリで修行した後、最近マルセイユに店を開いたのだそう。レストランの中にも案内され、日本の酒も置いていると話しながらそれらも見せてくれたのだが、日本の食材や調理方法にも興味があるらしいことは、今日出された料理から感じられた。
夜は 65ユーロのコースのみで、4日ごとに内容を入れ替えているそう。昼はもっとカジュアルなメニューを出している。以下、簡単なメモ。
・ワインリスト。グラスワインは1杯7〜12ユーロくらいだった。
・アミューズ2種。一つ目のマニオククリップは見た目通りのものなのだが、食材はカメルーンのものなどを使用しているとのこと。
・アミューズ2つ目。定番?のワッフル。下の豆は飾りなので食べないで、と説明して笑いを誘うのがお約束のようだった。
・ナスと餅とピーナッツペーストの3段重ね。一番印象に残ったのはこの皿。焼いたナスとピーナツペーストの間に挟まっているのは日本の餅に近い食感だった。餅もナスもピーナツとの相性が最高。緑のソースはなんだったのだろう。
・香ばしい白身魚。左はトマトのスライスを揚げたもの。
・ステーキとブロッコリーの天ぷら。左手前の野菜?も面白かった。ソースはラズベリーをたっぷり使っていて美味だった。これに限らずどの料理もソースが美味くて、ブロック状に切られたパンで掬って食べきった。
・スイカのムース。コンゴのシナモンを使っている。
・デザート。アイスと野菜の蒸しパンとコーンのソース。
担当してくれた若い女性の英語の発音がフランス語っぽくて、食材やスパイスについての説明をよく聞き取れなかったのが残念。最後に詳しいメニューをお渡しすると言っていたようだったが、もらい忘れたかな?
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