◆ 7月22日(月)
ヨットがびっしりと停泊し、有名な観光スポットとなっている旧港。それとは別にマルセイユの北に伸びる海岸線に沿って作られた新しい港の方が実際の機能を果たしている。物資の運搬は減ったものの、近年は地中海をめぐる大型クルーズ船が発着を繰り返し、マルセイユの活況をもたらしているとも聞いた。実際、今回はスペイン人の団体旅行客をよく目にした。
今日はまずそんな港湾沿いの再開発状況を見てこよう。
午前、トラム T2 Line に乗り、北の終点のアレンク Arenc le Silo まで行く。停留所で降りると目の前に CMA-CGM Tower がそびえる。これは世界最大級の海運会社 CMA-CGM の本社ビルで、ザハ・ハディドがデザインしたことで有名。その写真を撮っていると警備員に咎められた(Mecum から写真を撮った時もこのビルが構図に収まるようにした)。
CMA-CGM Tower の足下には Dock des Suds がまだ残っていた。30年ほど前にこの倉庫の再利用方法を検討している最中、会場を探していた Fiesta des Suds と思惑が一致し、今の J4 に移る前はここをフェス(と Babel Med Music)の主会場としていた。今では廃墟と化しているのだろうと思っていたら、Dock の中ではゴッホ展をやっていた。ゴッホと言えばアルル。アルルに行けなかったかわりに見てみようと入る。本物の作品はひとつもなく、複製画を並べたり、ヴァーチャル再生したりと、アイデアは面白いものの、わざわざ観るほどの内容ではなかった。入場料も高かったし。
アルルは歴史的建造物でも有名な美しい街なのだそう(21日の Massilia Sound System のライブも古代円形劇場で行われた)。機会があればいつか訪ねてみたい。
アレンク周辺はあちこちでテナントビルやマンションが建築中で、まだまだ再開発工事が進んでいるようだった。
アレンクから南方向にゆっくり散歩。停泊している大型船などを眺め、いつか乗ってアルジェに行って見たいなどと妄想しながら。この辺りも昔に比べると本当にきれいになった。小洒落たレストランが並び、冷えた白ワイン(地元民は皆ロゼか?)でも飲んだら気持ちいいことだろう。しかし、ショッピングモールの Les Dock が閑散としている様子は相変わらず。ここはコンセプト自体が失敗しているのではないだろうか。
ル・パニエ地区を通って中心街へ。それにしても急坂が多い。
ヴァコン通り Rue Vacon からアル・ドラクロワ通り Rue Halle Delacroix に入った広場のマルシュを覗いているうちに、思いついて食材屋を物色し、ザクロのソースとタジンでよく使う塩漬けレモンを購入。ザクロのソースは、何故か近頃日本ではほとんど入手できなくなったので、これを見つけられたのはラッキーだった。もしかしてと思い、エチオピアのスパイス(バルバレ)も探したが、これはさすがに見当たらなかった。
13:50 に昼食。店を選ぶのが面倒だったので、すぐ近くのセネガル料理店 Mame Diarra に入った。チェブジェンを食べたい気分だったこともあって。結果は正解。オイルはしつこくなくて、ダカールやパリで食べたのより美味しかった。野菜はホクホクに柔らかくて、どれだけ煮込んだのだろう。しかし聞くところによると、マルセイユにはまだまだ美味しいアフリカン・レストランがあるとのこと。ならば食べに行かねば!
パリのレストランなのでも同様なのだが、アフリカン・プイレートはどうしてこう量が多いのだろう。大柄なアフリカ人でさえ食べ残しているのをよく見かける。腹いっぱいになったので、友人宅に戻って休むことにする。
(続く)
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