New Disc : Thandiswa Mazwai "Sankofa"

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 南アフリカ共和国のサンディスワ・マズワイ Thandiswa Mazwai の新作 "Sankofa" (King Tha Music, 2024) がとてもいい。中でも Nduduzo Makhatini がピアノで参加している 'kulungile' が素晴らしい!



 遅ればせながら、ミシェル・ンデゲオチェロ Meshell Ndegeocello の昨年作 "The Omnichord Real Book" を今頃聴いみたら(グラミーを獲得したこのアルバム、傑作級ですね!)、11トラック目の 'THA KING' で、無伴奏でキレイなクリック発音が耳をとらえた。一体誰かと思ったらサンディスワだった。

 サンディスワは 1990年代に人気を博したクワイト四人組ボンゴ・マフィン Bongo Maffin の紅一点。当時は "The Concerto" (1998) 収録のダンサブルでイケイケな 'Amadlozi' くらいしか聴いていなかった。しかし改めてヒット曲を拾い聴きしてみたら、どれも軽快で気持ちいいサウンドばかりだった。2003年11月29日には、南アフリカ共和国のケープタウンで開催されたエイズ撲滅チャリティ・コンサート "46664" に出演したので(日本でも CD と DVD が発売された)、欧米や日本にはそれを通じてボンゴ・マフィンとサンディスワ・マズワイのことを知った人もいるかもしれない。

 ボンゴ・マフィンはアルバム6作をリリース。それからサンディスワはソロ活動に移り、最初のアルバム "Zabalaza" (2004) が大ヒット。 その後、"Ibokwe" (2009)、"Belede" (2016) をリリース。そして今回の "Sankofa" がソロ4作目。彼女は今どうしているかと思いついて調べて、この新作に気がついた次第だ。

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 ジョハネスバーグ、ダカール、NYCでレコーディングしたという今回のアルバム、ジャズ(サックスもいい)からコーサの民族楽器、さらには Simmy のようなシルキーさまでをブレンドした心震わせるサウンドにすっかり引き込まれてしまい、半ば興奮しながらリピート中。スティーブン・ビコやミリアム・マケバの肉声?を大胆に混ぜ込んだのは、先達たちへのリスペクトか。クワイト時代と比較すると、とても落ち着いた深みのあるサウンドで、大いなる変身を遂げている。ミシェル・ンデゲオチェロに「彼女は天才」と言わせるくらいなのだから大したものだ。


 そのミシェル・ンデゲオチェロとは今回が初共演ではなく、"The World Has Made Me The Man Of My Dreams" (2007) の中の1曲 'Article 3' に作曲とヴォーカルでクレジットされている。パンク/ニューウェーブ風の小品で、ドラムは Deantoni Parks、ギターは Pat Metheny(ただし個人的には、この曲もアルバム全体もさほど良いとは思わなかった)。

 全然知らなかったのだけれど、サンディスワ・マズワイはミリアム・マケバと比較されるほど評価が高いのですね。残念ながら、このアルバム、フィジカルが見つからない。現在、南アでは CD のリリースがほとんどないらしいので、これも出ていないのだろう(?)

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by desertjazz | 2024-09-22 19:00 | Sound - Africa

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