ロカナンタの博物館を見学した後は、その隣にある Lokananta Record Store へ。ゆったりとした余裕のあるスペースに、ロックやジャズのレコード、そしてインドネシア音楽のアナログ盤(10インチ、12インチ)などを販売している。インドネシアでもヴァイナル人気の高まっている様子が伺えた。残念ながらロカナンタ製の CD-R はここにも置いていなかった。
それら全部をチェックするのは大変そうでもあるので、インドネシア盤のコーナーだけ探ってきた。まず10インチ盤を見ると、博物館で展示されていたものも結構ある。しかし、とにかく高い。ロカナンタを代表するらしき作品になると、100万〜200万ルピア(約1〜2万円)もする。続いて12インチを見たのだが、結構な枚数があるのだが、私のよく知らないポップスがほとんどだったので、軽くチェックする程度に止めた。こちらも10インチ同様に高い。ジョグジャカルタのレコード店でも同様だったので、これくらいが相場なのだろう。
(いや中古レコードが高値と感じるのは、それだけ日本円が弱くなっているからだと捉えるべきなのかもしれない。)
結局買ったのはワルジーナの持っていない10インチ1枚だけ。これも100万ルピアしたので迷ったのだが、旅の記念に大枚を叩くことにした。帰国して確認すると、私が探していたワルジーナの10インチ、最後の1枚で、マーケットプライスは1万円を超えていた。なので、もし買わずに帰って来ていたら後悔したことだろう。
(日本盤のレコードも結構置いていたが、日本で4000円台のものだと15000円くらいする。これにはびっくり。インドネシアは輸入関税が高い国なのだろう。日本で1000円程度で買えるワインが5000円くらい。ウイスキーはもっと割高で、「ジャックダニエル」が 12000円くらい、日本で1000円ちょっとで買える「あかし」が 8800円くらい。昔はバリの酒アラックのボトル1本が数百円で買えたが、今は2000〜4000円くらいする。近年、酒税も爆上がりしたのだろう。昔、バリの友人が「日本から本を送ってもらっても、税金が高いので困る」と話していたことも思い出した。)
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ロカナンタの10インチ盤はデザインがとてもいい。かねてよりそう思っていたが、今回、博物館とレコード店の現物を見て改めてそう感じた。デザインを目にしただけで欲しくなったレコードが多い。でも高かったり、非売品だったり。
すると、(ある筋?から)ロカナンタのレコードを買わないかと声をかけられた。どれも全く聴いていない新品だと言い、売値もそれほど高くなかった(店で見た中古盤よりも遥かに安かった)。聴いたことのない作品ばかりだったのだが、デザインの良さにも惹かれて10インチ盤を8枚選んで買わせてもらった(SP も数枚あったがパス)。
これらも後日調べてみると、いずれもロカナンタを代表する名盤ばかりらしい。そのため中古盤でも8枚合わせて10万円以上していた。それよりずっと安く(数分の1の値段で)買えたので、これは良い買い物だったのだろう。ジャケットを飾るだけでも楽しくなるし(いや、音楽も多彩で楽しかった)。
これらのレコード、目を凝らしてレーベル面を見ても針を落とした形跡が全くない。完全なミントで、おそらくデッドストックだったのだろう。それでも結構汚れていて、ノイズが出る。もう60年以上前のレコードなので、それも仕方ないだろう。しっかりクリーニングする必要がありそうだ。
(昔セネガルでレコードを探した時、貴重なレア盤のデッドストックを相当数発掘したけれど、今でもあるところにはあるのだなぁ。)
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