New Disc : "Roots Rocking Zimbabwe" / Samy Ben Redjeb & Analog Africa

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 Congratulations, Samy ! Finally, You've done !
 おめでとう、サミー! とうとうやり遂げたね!

 Analog Africa から "Roots Rocking Zimbabwe" に関するリリース情報が流された時、こんな言葉が咄嗟に浮かんだのでした。

"Roots Rocking Zimbabwe - The Modern Sound of Harare' Townships 1975-1980" (Analog Africa No.41/AALP101, 2025)

 先日届いたそのアルバム、内容は期待通り。1970年代後半のジンバブウェ。アメリカン・ロックやソウルからも影響を受けつつ、独自性を出し始めたサウンドはどれも最高。ブックレットも素晴らしい仕上がりです。

 そのブックレットに掲載されたサミーのライナーノーツを読んで、彼と Analog Africa にまつわるあれこれを思い出しました。よろしければ、そんな昔話に少しお付き合いください。


 実は Analog Africa がジンバブウェ音楽のコンピレーションを出さないことをずっと不思議に思っていました。ですがこのライナーを読んで、レーベルを立ち上げたサミー・ベン・レジェブ Samy Ben Redjeb がいろいろと苦労していたことを初めて知った次第です。

 ライナーによると、彼が初めてジンバブウェを訪れたのは1996年。そこでオリヴァー・ムトゥクジ Oliver Mtukudzi とも会うことができました。私も1995年に(独立15周年なので特別なイベントがあるかもとも考えて)ジンバブウェを旅して、ハラレやブラワヨでレコードを探し歩き、オリヴァー・ムトゥクジのレコードを買い集めました。お互い似たようなことをやっていたんだなぁ。

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ブラワヨのレコード店 Meikles の様子


 それから数年後(2000年頃だっただろうか)、Ebay にジンバブウェのシングル盤が大量に出品されていることに気がつきました。Thomas Mapfumo が在籍していた Hallelujah Chicken Run Band、Thomas Mapfumo & The Acid Band、Thomas Mapfumo & The Blacks Unlimited、The Green Arrows、Oliver Mutukudzi & Black Spirits など、全く見たことも聴いたことのないレア盤ばかり。それらを売りに出したのがサミー Samy Ben Redjeb だったのです。
 こんなことはもう2度とないと思い、特別高くて手の出せない数枚を除いてまとめて買いました。手元にある盤を数えてみると12枚。どれもが超ミント。
(どれもスリーブのデザインが可愛い。当時からこのようにして売られていたのだろうか?)

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 中には Mapfumo たちがンビーラ(親指ピアノ)のフレーズを初めて引用したとされる(「チムレンガ第1号」とでも呼びうる?)Hallelujah Chicken Run Band の "Ngoma Yarira" の貴重なシングル (Afro Soul AS 105) も。今ではどれもが宝物です。

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 その際、サミーは The Green Arrows の曲をコンパイルした CD-R も一緒に送ってくれました。その CD-R は今でも保存してあります。

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 それからまた数年、2006年にサミーが Analog Africa というレーベルを設立し、CD2タイトルをリリース。これにはびっくり!(英国の雑誌 Songlines を読んで知ったのだったかな?)それら2枚 The Green Arrows と Hallelujah Chicken Run Band のコンピ盤を速攻で入手し、『レコード・コレクターズ』誌にレビューを書いたのでした。

 サミーが貴重なシングル盤を手放したのは(もちろん重複盤だっただろうけれど)、ライナーに書いている通りレーベルを立ち上げる資金を調達するためで、The Green Arrows を最初にリリースすることも早くから決めていたのですね。

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 その直後、日本での配給先を探すためにサミーが来日。渋谷で待ち合わせて語り合ったのでした。初めて直接言葉を交わしたサミーは、とにかく情熱的。これくらい熱い心を持っているからこそ、レーベルをスタートできたのだと感じました(その時は全然おもてなしができずゴメンよ)。

 ジンバブウェの激レアなシングルをあれだけ発掘したのだから、Analog Africa からジンバブウェ音楽のリイシューが続くだろうと期待しました。ところがその後はさっぱり。今回のライナーを読むと、ジンバブウェの経済破綻やコロナ禍などのために、彼はアイディアを進められなかったようです。

 そのように長年ストップしていた企画が今回遂に実現。これこそ彼が一番やりたかったことに違いないでしょう。そのことは「101」というカタログ・ナンバーからも伝わってきます。何より Analog Africa のレーベル・デザインは、ハラレのローカル・レーベル Afro Soul のものをベースにしているくらいだし。

 "Roots Rocking Zimbabwe" の収録曲、厳選したというだけあって、本当に良いトラックばかり。ロックあり、ソウルあり、アフロキューバンやレゲエもあり。Thomas Mapfumo や Oliver Mtukudzi の若々しく伸びやかな歌声も聴きどころ。どの曲もエレキ・ギターの音が素晴らしい。ブックレットも時代と瞬間を捉えた見事なものばかりで、見応えたっぷり。大判のブックレットが欲しかったので、ヴァイナル2LPを予約して大正解だった(完全未発表トラックもあるらしいのだが、オリジナル・シングルの番号がどこにも見当たらないことが少々不満)。

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 サミーが書いている通り、今回のアルバムのタイトルは Fred Zindi の著書 "Roots Rocking in Zimbabwe" (Mambo Press, 1985) から取られています。この本は WAVE が輸入していたので、お持ちの方も多いのでは? その本が今回のリイシューに合わせて再出版されました。それも、サミーが発掘した写真などをたっぷり加えた New Edition。これも是非手に入れたい。

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 そんなサミー、今では Analog Africa とともに世界的に知られる存在に。私などからはすっかり遠い人になってしまった。そう思っていたら、昨年5月、突然彼からメッセージが届いた。日本に行きたいので協力して欲しいという内容。私のことをまだ憶えていてくれたようです。

 ありがとう。サミーと出会ってから20数年。久しぶりに会って話をしたいな。

 Samy, please come to Japan again. You are always welcome !
 サミー、また日本に来てください。いつでも歓迎しますよ!







by desertjazz | 2025-05-20 14:00 | Sound - Africa
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