2025年 07月 22日
読書メモ:サン=テグジュペリ『夜間飛行』『人間の土地』

昔から長距離フライトが気に入っている。
そうしたフライトの際には、毎度、サン=テグジュペリが飛行士時代のことを綴った『夜間飛行』か『人間の土地』を持参し、機内の照明がすっかり落ちた頃に読んでいた。
これら2作、最近、野崎歓による新訳が出たので再読してみた。堀口大學の旧訳より読みやすくなった感があるけれど、そんな差など抜きに心に深く入ってくる作品だ。とにかくいい。
今回『人間の大地』と改題された『人間の土地』は、終盤の「砂漠の中で」「砂漠の中心で」が圧巻。砂漠好きな私に数々の記憶を呼び覚ます。もちろん著者ほどではないが、砂漠では楽しいことよりも、苦しいことや命の危険が迫ったことの方が忘れ難い。
拙著『Kalahari / Desert』では文章量をギリギリまで減らしたため、書かなかったことが多い。
エチオピアのアファール(ダナキル砂漠)では同行した一人が熱を出して倒れた。深夜、熱風が吹き付けるテントの中で体温を測ろうと考え体温計を取り出した。だが、水銀柱が40度を超えていて、測るのを諦めた。
砂漠の旅では毎回厳しい試練が繰り返された(人に明かせない話も多い)。

