アナログ生活(11): アナログプレイヤー更新再検討

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 このブログで「アナログ生活」と題してしばらく綴ってきたように、昔に比べると近年のレコードは品質が劣っている印象を抱いている。大きな傷が入っているものや、針が飛ぶほど歪んでいるものは問題外だが、それ以外にもノイズの出るレコードがあまりに多い。新品のレコードでもノイズが出る度に、再生システムを再確認したり、レコードの盤面を入念にクリーニングしたりするものの、ほとんど改善しない。それでレコード自体に問題があると結論付け観念してしまう。レコード制作の技術やノウハウが失われたことを痛感ばかりだ。

 しかし本当に全てがレコードそのものに問題があるのだろうか。システム側に見落としはないのだろうか。拙宅のレコードプレイヤー Kenwood KP-9010 は約30年前の製品だし、メインのカートリッジ Denon DL-103 にしてもかれこれ4年ほど使っている。ならばレコード再生系を一度新品で揃えてみる頃なのではないだろうか。ターンテーブル、トーンアーム、ヘッドシェル、カートリッジ、フォノイコライザー、これら全てを新調してみて、それでもノイズがなくならないなら、レコード盤の品質に問題がある可能性がさらに高まるだろう。

 とにかく何をやってもノイズが消えず、気持ちがもやもやしたまま。どうにかスッキリさせたい。そのような思いから、ここ数年アナログプレイヤーを新規に導入することを検討してきた。


 今回、私がアナログプレイヤーに求める条件は、

・新品(中古では音の検証にならない)
・ベルトドライブ(長年ダイレクトドライブを使ってきたのでベルトドライブを試してみたい)
・ユニバーサルアーム(MC、MM、Mono カートリッジを使い分けするため)
・あまり大きくないもの(見た目のゴツいものは置きたくない)
・デザインが良いもの(オーディオは家具だと思っている)

 候補として思いついたのは(スペック的に KP-9010 と同等か若干上だと期待を込めて推測される、近年評判の良い中級クラスのものは)、国産4社と海外3社。

・Luxman PD-191A / PD-151 MARK II ¥990000 / ¥393800
・Techinics SL-1200G ¥450000
・Denon DP-3000 NE ¥385000
・Audio-technica AT-LPA2 ¥330000
・Thorens TD1601 / TD1600 ¥990000 / ¥880000
・LINN LP12 SE ¥1089000
・Vertere MG-1 PKG MK2 CL ¥2200000

 これらの製品に対する感想は以下の通り。

・Luxman PD-191A / PD-151 MARK II

 数年前に購入したラックスマンのアンプと CD プレイヤーは、どちらも素晴らしい音なので、同社のプレイヤーも信頼できそうだし、相性も良いのだろう。ベルトドライブかつユニバーサルアームと、求める条件にも合っている。SAEC のトーンアームも良さそうだ。試聴したことはないが、専門家からの評価も高い。ただ、PD-191A は赤色のプレートの美しさにも惹かれるけれど、それを前面に貼るだけのデザインは不満である。別売りのダストカバーだけで ¥100000 もするのはコスパが悪い。下位機種の PD-151 MARK II も操作性に難を感じる。

・Techinics SL-1200G 

 DD なので対象外。デザインも好みではない。昔から評価の高いラインの製品だが、元々この会社の製作姿勢全般に納得がいかない(あくまで個人的好み)。

・Denon DP-3000NE

 DD なので対象外。しっかりした見た目の印象は良い。老舗ブランド久々のアナログプレイヤーなだけに、一旦潰えた技術力がどこまで回復しているのか疑問。このブランドはどの製品も異常に絶賛されているだけに、かえって信用しにくい(これも個人的感想)。KP-9010 からグレードを上げるには、この価格帯では中途半端とも思う。

・Audio-technica AT-LPA2

 ちょっと面白い製品だと思い実機を見てきたが、今流行りスタイルの作りをいいとこどりしている印象。Vertere のようなアクリルのボディとか、電源部を外箱にするとか。MC カートリッジまでつけてこの価格はとても健闘しているとも思うが、見た目では各部とも低予算で作っている印象。いずれにしても、これも価格帯では中途半端。

・Thorens TD1601 / TD1600

 ベルトドライブに定評のある世界的トップブランドながら、新製品はなぜか DD。レコード文化低迷期、SP 再生用にスイスから取り寄せた TD-124 の作りがあまりに貧弱で、自分で修理したほどで呆れた。それ以来この会社は信用できなくなっている。ユニバーサルアームは日本のユーザーにとって有難いが、とにかくデザインが好みではない。

・LINN LP12 SE

 イギリスの老舗ブランドで、LP12 は50年の歴史を重ねてきた。オーディオは家具だと思っているので、リンのデザインは申し分ない。ただし、トーンアームが貧弱に見える。ユニバーサルではなく、カートリッジの交換を前提としていないことも難点。近年値上がりが激しく、コスパが悪すぎるようにも思う(カートリッジも日本の Audio-technica の製品をベースに改良しているにも関わらず、価格は約2倍)。LP12 はハイエンドショップなどで何度か試聴したことがあるけれど、特別良いと思ったことはない。

・Vertere MG-1 PKG MK2 CL

 イギリスの新興ブランド。これもトーンアームがユニバーサルではない。アクリルのボディは美しい。評判はとても高く、話題性にも富んでいる。だが試聴したことはなく、とにかく高すぎる。


 こうして見ていくと、レコード人気が復活した中、各社とも頑張っている印象がある。それでも、昔の製品に比べると魅力がなく、コスパも悪すぎで、まだまだ過渡期なのだという印象を受ける。いや正直に書くと、やはり昔の技術はもう取り戻せないように思う。

 現状いくら探しても、もはや完全に納得できる製品はないのだろう。ハイエンド製品にはとても手が出ず、音楽を楽しむために自分にはそこまでの製品は必要ないと思っている。結論として、現時点で選択肢がない。結局のところ、古い(1990年頃までの)製品をオーバーホール/調整して使った方が音に満足できるような気もする(性能的には昔の10万円前後の製品は今の100万円クラスに匹敵するのかも)。

 しかしそれではレコードの質の検証にはならない。あえて候補の中から選ぶとすれば Luxman になるだろう。ベルトドライブかつユニバーサルアームと条件に合っている。購入後のサポートを考えても国産品の方が安心だ。故障した時、国内で対応できない場合には本国に送っての修理となるため、その送料だけでも高額になる。最悪の場合、輸入代理店がなくなり対応不可能ということも起こりうる。

 などなど、ここ数年来の課題について思案しているものの、結局結論が出ない。さて、どうしたものか、、、。


 (2025年夏)


♪♪♪




by desertjazz | 2025-12-01 00:00 |
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