2007年 02月 21日
OK JAZZ & AFRISA
昨年マルセイユの街を散策しているとき、「まさかアフロ・ミュージックの専門店はないだろう」と思っていたら、やはり探せばあるもので、そこで強烈に凄いブツを見つけてしまった。『Les Vieux Orchestres OK JAZZ & AFRISA LIVE』というタイトルのDVDで、コンゴの2大巨匠のスタジオライブが収録されている。
最初に観たのは後半のフランコ & OK JAZZ(全5トラック)の方。そして、ぶっ飛んでしまった。白黒映像!!! フランコがやせている!!! リードヴォーカルがサム・マングワナなので、1972〜75年の期間のOK JAZZの演奏ということになる。こんな古い時代の動く映像が残されていたなんて、私にとってはかなり衝撃的だ。
そして、、、前半のタブー・レイ率いるアフリザ(全10トラック)の方を観て、さらにさらにぶっ飛んでしまった(ちょっと違う意味で)。
まずは3曲目、痛快なファンクナンバーなのだが、いかんせん照明が暗過ぎて、何をやっているのか全然わからない。しかもこの状態が何分間も続く。たしかに演奏はカッコいいのだが。
ようやくフラッシュライトが激しく点滅を始めたと思ったら、白く怪しい影が踊り出す。やっと明転したら、そこに立っているのは、、、中年太りしたタイツスーツ姿?のセニュール・タブー・レイ。かつてのダンディーな面影など一切ない。うーん、一度はJBになってみたかったんだろう。
と、解釈してあげた矢先、今度はサム・マングワナとお揃いの宇宙服!?でデュオ。もう爆笑するしかない。
いやいや、それでも演奏そのものは全編完璧。フランコもタブー・レイも、芳醇なルンバからファンクまで、ヒット曲の連続。豪快なホーンアンサンブル、豪放なサックスソロ、艶やかなギター、ダイナミックなリズム、ボーカルも男女のコーラスも心地いいし、バンド全員の気合いの入った振りの揃ったパフーマンスも見応えたっぷりだ。
旅の最中で買ったDVDなんて、普通帰国するまで観もしない。昨秋のマルセイユでは、加えて、インタビューの準備したり、サウンドチェックを観に行ったり、メールで打ち合わせしたりと、日中もやるべきことはたっぷりあったのだが、それら全て放り投げて、ホテルの部屋で一気に通し観してしまった。一度観始めたら、もう目が釘付け。
それほどまでに凄い作品だったので、昨年のアフリカの個人ベスト(リイシュー)の中にこっそり入れてしまった(だけれど、誰からも問い合わせ、なかったね)。もちろん、マルセイユでストック全部買ってしまおうと、その店にもう一度行ったけれど、「今週末入る」との返事。「OK!」と言葉を残して帰ってきたけれど、その頃はもう日本なんだよな。残念。帰国後、ネットで調べても見つからない。リンガラ専門店のバオバブですら扱いがない。そんな幻の1本なのだが、アフリカン・ポップ・ファンには一度是非観てもらいたい作品だ。
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