2009年 03月 29日
Babel Med Music / Return of Sam Karpienia & Oai Star !!!
3日前からフランスに来ている。ここ半年ばかりの間ほとんど音楽を聴かなくなっていたのだが、久しぶりにまとめて音楽を聴いてみるのも悪くないかなと思い、南国行きの計画を変更してやってきた。ライブ三昧の毎日を楽しみ、音楽関係者たちとの出会いと再会を重ね、そしてレッガーダ/スタイフィー/ライ/シャービなどのCDとDVDを買い漁っている。
そうした中で掴んだ情報のうちの主だったものに関する覚え書きなど(しばらく情報収集していなかったせいで、知らなかったことばかり)。
(1) Moussu T e Lei Jovents
アメリカの女性ジャズシンガーを迎えての新プロジェクトが進行中。リリース計画などについても聞いてきたがシークレットにしておく。
ライブは相変わらずの大盛況で、とにかく楽しい。アルバムではほんわかと暖かい雰囲気だった曲も、オーディエンスの前では熱いサウンドに生まれ変わり、場内大熱狂。3年前に観たライブとは演奏曲が若干入れ替わっただけで、基本構成は変わっていないものの、盛り上げ方、楽しませ方がとにかく上手い。だから、もっと聴きたくなるし、そしてまたフランスに来たくなる。
バックステージでのひとときも楽しいことばかり。いずれのエピソードも一生の思い出になりそうだ。バンドのカラーに合わせて青色の手ぬぐいを日本土産にメンバーたちにプレゼントしたら、出番にはそれを身にまとって演奏してくれた。心優しい男たち。

(2) Oai Star
Lux B が亡くなりバンドの存亡が危ぶまれたのだが、Gari を中心に活動再開した模様。5月1日にはマルセイユでライブも組まれている。このステージ、何と Massilia Sound System, Moussu T, Oai Star, Papet J. の4バンドがそろい踏みになる。
新作は今年9月にリリース予定で、タイトルは "Dans Les Bacs"。ジャケットのデザインが so cute !

(3) Blu
残念ながらギタリストの Blu は Oai Star の活動から離れ、バンドには代わりのギタリストが補充された。「(Massilia と Moussu T と Oai Star の3つを)掛け持ちするのは大変」というのはマネージャーの弁。Blu 本人に「最近は絵を描いていないの?」と尋ねると、「時間がなくて」との答え。

(4) Sam Karpienia
Dupain は2007年をもって活動終了し、Samuel は新たなトリオ編成のバンドでの活動を始めている。サンプルとライブ演奏を聴いた印象は「強烈なロックンロール」。メロディーや節回しといった面はもろに Samuel / Dupain らしいものなのだが、これが爆音ロックで演じられたのは正直意外。実際音もデカかったし。一瞬 Paul Weller のステージを観ているのかと思ったほど。ここ数年間で観たライブの中で、間違いなくベストのうちのひとつ! これを観られただけでフランスに来た価値があった。だけど、また観たい!
会ってインタビューさせてもらう件、話が通っていたものの、結局こちら側の都合がつかなかった。残念。

(5) Toko Blaze
現在新作 "Urban Griot" を制作中。現時点でのCD-Rをもらう。6月にリリースし、ライブも行う予定。「来て!」と言われたけれど、無理だろうなぁ。
(6) JKK
Jagdish & Kreol Konexyon も活動を続けていた。3月20日に新作をリリース。しかし、彼らのCDを街中で見たことがない。なぜだ?
(7) Zong
3作目 "Fonker Espress" を3月30日にリリース予定。祖国レユニオンでは2月に発売済み。何と2枚組で130ページのブックレット付き。
マルセイユのマネージメントとは直接会って話ができ、4月1日のライブではメンバーと会ってくる予定。
5月にはマルセイユで Watcha Clan との競演ライブを行う。

(8) Kamel el Harrachi
Dahmane el Harrachi の息子 Kamel が素晴らしい。一気に好きになった。超ハンサムだし、実際言葉を交わしてますます好感を持った。とにかく歌声と笑顔が美しい。



(9) Amazigh
女性をとろけさせる笑顔の魅力で負けていないのは Amazigh。Gnawa Diffusion を率いていた彼が10月にソロ・アルバムをリリースする(春のリリース予定が延期になったようだ)。プロダクション関係者は「また日本に呼んで下さい」とのこと。
(10) Houra Aichi
これまで観た中では Houra Aichi & L'hijaz'car もとても良かった。彼女の生声をあのアンサンブルを従えて聴けたのは正に幸運。前半は淡々と歌っていたのが、次第にリズミカルな方向に。それに伴って彼女の動きも膨らみ、サウンドもノリを高めていく。そういった観点ではステージングも成功していた。アコースティック・アンサンブルをたっぷり楽しんだが、CDで聴けたアルジェリアン・コーラスだけは音源再生によるものだった。

(11) Souad Massi
今年9月(見込み)に4作目をリリースする計画。
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その他、期待以上だったライブがいくつかあり、アフリカ関連の新譜情報も掴めた。
準備らしい準備もせずに飛んできた分だけ、全てが思い通りに行っている訳ではない。今回の最大の目的は「のんびりすること」なので、スケジュールを詰め込まないようにもしている(ので、誘われたミーティングなどもパスしてばかり。会う予定/約束だった何人かの人たちにも失礼してしまった)。それでも、これだけ音楽を堪能できているのだから満足だ。何より、こんな異国の音楽ファンを誰もが歓待してくれることに感謝!
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30日にラ・シオタの Manivette Records とマルセイユの MicMac を訪ねてきた。そこで得た情報を追記。(3/30)
(12) Louis Pastorelli
ニースの Nux Vomica の創設メンバー Louis Pastorelli がソロ作 "Gigi de Nissa" を制作中。Moussu T との共演曲も含まれる。リリースは今秋あたりになりそう。Nux Vomica の活動も継続中。

(13) MicMac
もう2年もウェブサイトが更新されていないので、もしかしたらすでに閉鎖してしまったのかと思いながらも訪ねてみたら、きちんと運営されていた。しかし、ここ2年間でリリースしたCDは Original' Occitana と今月20日に発売になった Jagdish の2枚のみだとのこと。
インド洋出身者の混成チームという性格から、ちょっと風変わりなミクスチャー・ミュージックを演奏するその Jagdish & Kreol Konexyon のセカンド作もここで入手。MicMac のCDは、やはりここでしか手に入らないとのこと。

(14) D'aqui Dub
活動終了。
(15) Fred Zerbino
ばったり会った Moussu T のドラマーの Fred が「お茶しよう」と誘ってくれたので、ビールをごちそうになりながらいろいろ質問させてもらった。Moussu T のことも含めて面白い話をたくさん聞けたので、これらは何かの機会に。ヘビメタと MAGMA とジャズが好きだというのは意外だったな?
Fred は今週パリでライブをやるとのこと。彼もいろいろなセッションを重ねている様子。早速誘われたので、もしかしたらパリでもう一度会えるかも知れない。
マルセイユでの4日半は瞬く間に終了。楽しい話をたくさんし、美味しいものをたっぷり食べ、数々の幸運にも恵まれた毎日だった。バリ Bali とパリ Paris は、戻ってくる度にホッとした落ち着いた気分になるのだが、マルセイユもそれと似た感覚になってきた。近いうちにまた来られるといいな、、、。
明日からパリです。