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2020年 05月 02日 ( 1 )

 


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 4月30日午後、敬愛するミュージシャン、トニー・アレンが突然帰らぬ人となった。その悲報に接して以降、彼の写真や彼について書いた文章などを振り返りながら、故人を偲んでいる。

 ここにアップした写真は私がトニー・アレンに初めて会った日のもの。2003年6月8日、フランスのアングレームで毎年開催される Festival Musiques Metisses 3日目のこと。トニーは突然現れた異邦人をバックステージにも招き入れ、温かく接してくれた。フェラ・クティと共にアフロビートを生み出した音楽界のレジェンドなどということを感じさせないほどに。そうした彼の人柄は、昨日以来多くの方々が披露されている写真の数々を見ても伝わってくるはずだ。

 初めて観たトニー・アレンのライブは実に素晴らしかった。このフェスは Orchestra Baobab、Rail Band、Bembeya Jazz National、Daara J、Tiken Jah Fakoly、Zebda などを目当てにしていたのだったが、Dupain とともに、トニー・アレンのユニットのサウンドにも興奮させられた。ドラムの心地よさはもちろんのこと、Dary Jean-Philippe のキーボードとのコンビネーションが抜群の快感だったのだ。

 当日のメモにはこう書いてある。「TONY  SOUND CHECK で Kick 一発で写真を撮るのがバカらしく、ステージをはなれて踊りに行く。」

 トニーの音楽と人柄の両方に惚れ込んで、以来何度もライブを観に行くことに。朝霧、苗場、渋谷、ロンドン、パリ、、、。記憶では最低8回は観ている。そのため会って話す機会も幾度となくあった。

 渋谷 La Fabrique の今はなき地下のフロアでのライブでのこと。客が集まりすぎて、ステージと観客エリアの境目が溶解。まるで客席の中で演奏しているかのようだった。その後だったか、トニーと2人切りサシで飲んだのだが、テーブルにドンのジャックダニエルズのニューボトルを置いて飲んでいた姿が懐かしい。

 一度だけツアーバスに同乗させていただいたが、その時はパーキングでの休憩時に1本取り出して、'This is sepcial' とニンマリ笑ってマリファナを燻らせていた時も実に楽しそうだったな。(自分にも回してくれるのかと思ったけれど、、、。)

 トニーは来日する度に日本人スタッフと陽気に接していた。フェラ・クティの相棒だったなんて考えられないくらいに。レジェンドというより、気の良いおっちゃん。彼は生きること全てを楽しんでいる、そんなことが自然と伝わってくるようだった。(でも、サウンドチェックでも本番ステージでもいつも真顔だった。音楽に真剣勝負している姿を感じた。)

 ロンドンで開催された大イベント Fela Kuti Tribute Festival でもバックステージで会ってくれて、地元新聞記者たちから「僕たちでもなかなか会えないのに、どうして君が2人で話すことができるんだ?」と不思議がられたこともあった。

 トニーと何度も会う機会があったのに、フェラ・クティに関して質問したことはないし、そもそも音楽について話をした記憶もない。彼が楽しそうにしている姿を見ているだけで満足だった。トニーは私のようなただの音楽ファンにも毎度親しく接してくれた。そうしたことを思い返すと、自分は本当に幸せ者だったんだなと思う。

 トニー・アレンのライブを最後に観たのは、2017年の傑作ジャズ盤 "The Source" リリース直後のパリ。バンド・メンバーたちとは会う約束をしていたものの、あまりに人が多かったので遠慮することに。実はその時に演奏があまりよくなかったこともあって、昨年のブルーノート東京には行かなかった。この直前にもメンバーと会う相談をしていたし、トニーを観る最後のチャンスになるかもと考えもしたのだが。トニーのドラムはいつ聴いても気持ちいいので、やっぱり行っておくべきだったのかも知れない。

 トニー・アレンのアルバムは今でも良く聴く。どれか1枚選べと言われたら、"Home Cooking" がベストだろうな。このアルバムについて、昨年『ミュージック・マガジン』のアフリカ音楽特集号でレビューを書かせていただいたのは光栄でした。


 トニー・アレンの音楽面での偉大さは多くの方々が書かれている通り。私が何か駄文を重ねることに意味はないでしょう。考えるところあって、この連休にフィルム・スキャンをしようと思い、専用スキャナーを新規購入。その計画を変更し、トニー・アレンの古いネガからスキャンを始めた。安いカメラとレンズで撮ったものなので、人様に見せられるレベルではないのだが。その作業をしながらトニーとの思い出を少し綴ってみた次第。個人的に思い出ばかりなのは、どうかご寛容いただきたい。


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 トニー・アレンについてはこれまでに何度も書いている。見つけたものから順次リストアップ中。








by desertjazz | 2020-05-02 20:00 | 音 - Africa