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カテゴリ:音 - Africa( 265 )

New Disc : Nihiloxica "Kaloli"

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 大混乱続きで歴史的分岐点となること間違いない 2020年も後半に突入。今年前半を振り返ってそのベスト・アルバムを選ぶ時、最有力候補の一つはニヒロシカ Nihiloxica の "Kaloli" だ。ウガンダやタンザニアのジャンクでぶち壊れたダンス・ミュージックをリリースする Nyege Nyege からデビューした当初は、一聴して荒削りすぎると感じてパスしたが(それらのサウンドも今改めて聴くと悪くない)、この Crammed からの新作は凄い!

 プリミティヴでトランシーなタイコのアンサンブルは Crammed 好みで、その点は Konono No.1 や Kasai All Stars のサウンドにも通じるものがあるだろう。だが、サウンドのダイナミックさは別物。比較は難しいが、ニヒロシカに軍配を上げたくなる瞬間もある。さらにその上をブーストして歪んだエレクトリックな音が飛び交うのだから、これがアフリカ発のポップ・ミュージック、ましてやウガンダだと、音だけで認識できた人は少ないはずだ。とにかく、久しぶりに「かっこいい」と素直に唸ってしまった。

 ニヒロシカのタイコ群にはブガンダ王朝で伝承されてきた形のものも含まれるだろう(ウガンダの伝統的タイコに関しては、SWP による Hugh Tracey リイシュー第一弾の1枚 "Royal Court Music From Uganda" を参照されたい)。実は同様なタイコが拙宅にも2つある。これらはウガンダで直接買って持ち帰ったもの。アフリカの楽器は、日本の湿度の問題等があり、保存が結構難しくて、太鼓なども随分処分してしまった。だが、このウガンダの太鼓は 24年経った今でもメンテなしでコンディションが変わらず、"Kaloli" の音に合わせて叩くのも楽しい。

 こうしたタイコがウガンダのカンパラなどで実際に演奏されている様子は、先の「アフリカの記憶 050」で紹介した通り。毎日深夜0時に公開し続けている、その「アフリカの記憶」は、50+1 日連続に達した。実際の旅に出られない今は、過去を振り返るのに良い機会なのだろう。そうした思いもあって、自分のためにこれまでの記録の整理を続けている。しかし、一番やりたいことがまだ形になっていない。なので、「アフリカの記憶」はもうしばらく続けたいと考えている。






by desertjazz | 2020-07-02 00:01 | 音 - Africa

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 2003年のフランス、アングレームでの Festival Musique Metisses で撮影したトニー・アレン。リハーサル時にデジカメ撮った写真も出てきた。

 このフェスの間、いくら生ビールを飲んでもすぐに汗となって全く酔わなかった。この年、ヨーロッパは熱波に襲われ、パリ市内でも多くの死者で出たことを後日知った。どうりでメチャクチャ暑かった訳だ。

 この後、トニーたちは来日。朝霧ジャム、苗場メタモルフォーゼのステージ写真やオフショット、さらには翌年ロンドンで開催されたフェラ・クティ・トリビュート・イベント Black President の写真や資料などもたっぷりある。それらについては、また改めて。


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by desertjazz | 2020-05-04 15:00 | 音 - Africa

 


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 4月30日午後、敬愛するミュージシャン、トニー・アレンが突然帰らぬ人となった。その悲報に接して以降、彼の写真や彼について書いた文章などを振り返りながら、故人を偲んでいる。

 ここにアップした写真は私がトニー・アレンに初めて会った日のもの。2003年6月8日、フランスのアングレームで毎年開催される Festival Musiques Metisses 3日目のこと。トニーは突然現れた異邦人をバックステージにも招き入れ、温かく接してくれた。フェラ・クティと共にアフロビートを生み出した音楽界のレジェンドなどということを感じさせないほどに。そうした彼の人柄は、昨日以来多くの方々が披露されている写真の数々を見ても伝わってくるはずだ。

 初めて観たトニー・アレンのライブは実に素晴らしかった。このフェスは Orchestra Baobab、Rail Band、Bembeya Jazz National、Daara J、Tiken Jah Fakoly、Zebda などを目当てにしていたのだったが、Dupain とともに、トニー・アレンのユニットのサウンドにも興奮させられた。ドラムの心地よさはもちろんのこと、Dary Jean-Philippe のキーボードとのコンビネーションが抜群の快感だったのだ。

 当日のメモにはこう書いてある。「TONY  SOUND CHECK で Kick 一発で写真を撮るのがバカらしく、ステージをはなれて踊りに行く。」

 トニーの音楽と人柄の両方に惚れ込んで、以来何度もライブを観に行くことに。朝霧、苗場、渋谷、ロンドン、パリ、、、。記憶では最低8回は観ている。そのため会って話す機会も幾度となくあった。

 渋谷 La Fabrique の今はなき地下のフロアでのライブでのこと。客が集まりすぎて、ステージと観客エリアの境目が溶解。まるで客席の中で演奏しているかのようだった。その後だったか、トニーと2人切りサシで飲んだのだが、テーブルにドンのジャックダニエルズのニューボトルを置いて飲んでいた姿が懐かしい。

 一度だけツアーバスに同乗させていただいたが、その時はパーキングでの休憩時に1本取り出して、'This is sepcial' とニンマリ笑ってマリファナを燻らせていた時も実に楽しそうだったな。(自分にも回してくれるのかと思ったけれど、、、。)

 トニーは来日する度に日本人スタッフと陽気に接していた。フェラ・クティの相棒だったなんて考えられないくらいに。レジェンドというより、気の良いおっちゃん。彼は生きること全てを楽しんでいる、そんなことが自然と伝わってくるようだった。(でも、サウンドチェックでも本番ステージでもいつも真顔だった。音楽に真剣勝負している姿を感じた。)

 ロンドンで開催された大イベント Fela Kuti Tribute Festival でもバックステージで会ってくれて、地元新聞記者たちから「僕たちでもなかなか会えないのに、どうして君が2人で話すことができるんだ?」と不思議がられたこともあった。

 トニーと何度も会う機会があったのに、フェラ・クティに関して質問したことはないし、そもそも音楽について話をした記憶もない。彼が楽しそうにしている姿を見ているだけで満足だった。トニーは私のようなただの音楽ファンにも毎度親しく接してくれた。そうしたことを思い返すと、自分は本当に幸せ者だったんだなと思う。

 トニー・アレンのライブを最後に観たのは、2017年の傑作ジャズ盤 "The Source" リリース直後のパリ。バンド・メンバーたちとは会う約束をしていたものの、あまりに人が多かったので遠慮することに。実はその時に演奏があまりよくなかったこともあって、昨年のブルーノート東京には行かなかった。この直前にもメンバーと会う相談をしていたし、トニーを観る最後のチャンスになるかもと考えもしたのだが。トニーのドラムはいつ聴いても気持ちいいので、やっぱり行っておくべきだったのかも知れない。

 トニー・アレンのアルバムは今でも良く聴く。どれか1枚選べと言われたら、"Home Cooking" がベストだろうな。このアルバムについて、昨年『ミュージック・マガジン』のアフリカ音楽特集号でレビューを書かせていただいたのは光栄でした。


 トニー・アレンの音楽面での偉大さは多くの方々が書かれている通り。私が何か駄文を重ねることに意味はないでしょう。考えるところあって、この連休にフィルム・スキャンをしようと思い、専用スキャナーを新規購入。その計画を変更し、トニー・アレンの古いネガからスキャンを始めた。安いカメラとレンズで撮ったものなので、人様に見せられるレベルではないのだが。その作業をしながらトニーとの思い出を少し綴ってみた次第。個人的に思い出ばかりなのは、どうかご寛容いただきたい。


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 トニー・アレンについてはこれまでに何度も書いている。見つけたものから順次リストアップ中。








by desertjazz | 2020-05-02 20:00 | 音 - Africa

Fela Kuti's Very First Recordings

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 今日から3日前の3月6日、ロンドンから驚きの情報が届いた。フェラ・クティの初録音のマスターが発見され、これまで全く未発表だった2曲を含めた4トラックがリリースされるとのこと。フェラ・クティの未復刻音源や未発表の記録はまだまだあると多方面から聞いてはいたが、この知らせには正直驚いた。

(リリースの告知を見た直後に Twitter などで紹介したところ、反響が大きかったので、以下ざっくりと情報を整理しておきます。)

 フェラ・クティがロンドンの Trinity College に留学したのは 1958年、20歳の頃。親の希望は医学に進むことだったが、本人は音楽への熱意の方が強く、音楽を学ぶことに。すでにロンドンにいた友人のピアニスト Wole Bucknor からロンドンのジャズやカリブ音楽のシーンを紹介される。そして2人は Fela Ransome-Kuti and His Highlife Rakers 名義で英Melodisc に4トラック録音することに(1959年または1960年の初頭)。

 #2966 Fela's Special
 #2967 Aigana
 #2968 Highlife Rakers Calypso No.1
 #2969 Wa Ba Mi Jo Bosue

 これら4曲のうち、"Fela's Special" と "Aigana" は 78回転盤として発売された(Melodisc 1532、1960年の1月か2月のリリース)。このSP盤の音源は長年幻のままだったが、2014年に英Soundway の CD "Highlife On The Move" (SNDWCD060) により遂に初復刻された。一方、残る2曲はレコードとしてリリースされることはなかった。遠藤斗志也さんのディスコグラフィーに以前より曲名やマトリクス・ナンバーが記載されており、録音されたことは確か。しかしレコードがプレスされることがなかったと伝えられてきた。なので、まさか聴ける日が来るとは思っていなかった。データとしては記録が残っていても、肝心の録音自体は失われたに違いないと思い込んでいた。

 しかし、それが存在したのだ!

 果たしてどんな演奏なのだろう。"Fela's Special" と "Aigana" も割とオーソドックスなハイライフ。前者はフェラ・クティが初めて書いた楽曲とみなされているもの。翌年結婚するレミ・テイラー Remi Taylor への恋心を歌ったナンバーだそうだ。後者は先日亡くなったハイライフの巨人ヴィクター・オライヤ Victor Olaiya の1957年のヒット曲。なので未発表だった2曲もハイライフ的な楽曲であることは間違いないだろう。"Highlife Rakers Calypso No.1" はタイトル通りずばりカリプソ・チューンかも知れない。当時のフェラ・クティのグループは、リズム隊はナイジェリア人、ホーンズはジャマイカ人が主体だったようだ。"Fela's Special" は3〜4管程度の編成でトランペットがダブルのようにも聞こえるので、一人はフェラ・クティだろうと思った。しかし、フェラ・クティがトランペットを演奏するようになったのは、1960年に Koola Lobitos を(再)結成してからとも言われているので、Melodisc 録音でのフェラの担当はヴォーカルだけだったと推測される。

(Koola Lobitos というバンド名は1950年代末にすでに使っていたようなので、ほぼ同じグループが、Koola Lobitos、Highlife Rakers、さらには Fela Ransome-Kuti Quintet といった様々な名前を冠していた可能性も考えられる。ちなみに Koola Lobitos は Cool Cats のヨルバ語読み。Victor Olaiya の率いたバンドが Cool Cats だったので、そんなところにもフェラ・クティのヴィクターへの憧れが感じられる。)

 フェラ・クティの生涯初録音、Melodisc への4トラックを今回リリースするのは、イギリスの Cadillac Jazz。Cadillac は 1973年に設立されたジャズ・レーベルだ。Mike Westbrook、Stan Tracey、Mike Osborne、David Murray、そして亡命先のロンドンでも活躍した南アのサッスク奏者 Dudu Pukwana などをリリースしている。David Murray の代表作のひとつ "The London Concert" も出しているので、長年のジャズ・ファンにはお馴染みのレーベルだろう。そんな Cadillac がフェラ・クティを発掘/復刻することになった経緯にも興味を覚える。

 これらの4トラックは、4/18 の Rerods Store Day にイギリス限定で、10インチ盤のフォーマットで発売されるとのこと。だが、しばらく待てば日本にいても容易に購入できるようになるのではないだろうか? 今から実際の音を聴くのが楽しみだ。

 ・ Facebook - Cadillac Jazz 
 ・ Bandcamp - Cadillac

 さて、Melodisc 録音の全貌まで明かされるとなると、次は RK の全容解明ですね。幻の RK1(フェラ・クティの最初の7インチ)は果たして存在するのか? (長年見つからなかった RK レーベルのうちの1枚は確かオランダの蚤の市で発見されたんでしたっけ? 記憶違いだったらごめんなさい。)



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 追記:コロナウイルス流行の影響で RSD 延期に伴い、このレコードの発売も6月10日に延期となりました。(2020/03/18)






by desertjazz | 2020-03-09 15:00 | 音 - Africa



 スタンディング・オベーションに応えるロキア・トラオレ。彼女の瞳に溢れんばかりに溜まった涙が全てを物語っていた。



 ロキア・トラオレが 2020年1月初頭にパリで特別なコンサートを行うことに気がついたのは昨年5月のことだった。斬新かつパリを代表するコンサート・ホール、フィルハーモニー Philharmonie de Paris での3日連続公演、しかも3日とも全く異なるプログラムが組まれている。直感で、これは彼女のキャリアを集大成するものになるのではないかと思った。ならばこの3日間は是が非でも観ておくべきだろう。都合の良いことに、例年だと新年1週目は仕事がない。すでに良席はなくなっていたが、急いでチケットを購入し、パリ往復のフライトとホテルまで手配してしまった。


 マリ出身のミュージシャン、ロキア・トラオレを知ったのは 1998年のファースト・アルバム "Mouneïssa" を聴いてのことだった。続くセカンド "Wanita" (2000) を聴いて彼女に夢中になった。その頃までは、声のか細いシンガーソングライターといった印象が強かった。

 それを変えたのは 2000年の初来日公演。代官山ポレポレ(渋谷の音楽バー、国境の南のマスター羽多野さんが経営されたいた店)でのショーケース・ライブに続いて行われた台場でのステージでは、意外と力強い喉や躍動的なダンスを披露し、ちょっと驚かされたのだった。



 そして 2004年。この年リリースされたライブDVD を観て遥かに驚かされた。ここで彼女の創作活動は一度完成を遂げており、この作品はアフリカ音楽のライブ・ビデオの最高傑作の一つと言えるまでのレベルに達している。繰り返し観て、こんなライブを生で観たいと思わせるものだった。

 しかし、その後巡り合わせが悪く、彼女のライブに触れる機会はずっとないままだった。その間ロキアは成長し変化を重ねる。中でも驚きはエレクトリック路線への転向だ。Nonesuch からの近作2枚 "Beautiful Africa" (2013) と "Né So" (2016) はエレキギターを中心にした力強いサウンドが特徴。またノーベル賞作家トニ・モリスン Toni Morrison の舞台(一人芝居)でギター伴奏したのも、彼女の活動領域が広がった一例として見逃せない。

 正直なところ、ライヴDVD 以降の4枚のアルバムには納得の行かないところがあって、あまり聴いていない。そのため、ここ15年ほどは彼女を熱心に追うことはなかった。それでも、サウンドを大胆に変化させ、表現方法を広げ続けるロキアのことは絶えず気になっていた。そんな彼女の現在形を直接確認する好機だと思ったことが、なおさら今回パリに行く気を後押ししたのだった。



◇第1夜◇ Mali Connexions 2020/01/04

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 フランスは大規模スト中で、地下鉄はほとんど動いておらず、バスも激混みで時間の予測が立たない。なので、北駅 Gare du Nord そばのホテルから4km弱を歩いてフィルハーモニーへ。

 初日のプログラムはマリをテーマにした2部構成。残念ながら1階後方しか席を取れなかったが、通路側の席でゆったり観られたので我慢(ただし位置のせいか音が幾分こもって聴こえ、それが以下の感想にも影響しているかもしれない)。

 まずバラケ・シソコ&ヴァンサン・セガール Ballake Sissoko et Vincent Segal が前座で登場し1時間演奏。フィルハーモニーの大ホールのチケットが約半年前に完売になったのは、彼らの人気も影響したことだろう。淡々とコラを爪弾くバラケに対して、ヴァンサンの芸達者ぶりが印象に残った(チェロを純クラシック調やバンバラ調に弾くばかりでなく、アラブ調にやったり、パーカッションを鳴らしながら歩き回ったりと、全ての曲でスタイルを変えていた。アンコールではアルコから毛を1本抜き取り、それを弦に挟んで、毛の一端を引くことでメロディーを奏でて場内の笑いを誘っていた)。

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 続いてロキア・トラオレのグループ。ロキアは白いドレス姿で登場。袖と裾が繋がったユニークなデザインのドレスだった。

 彼女は歌に専念。バンドは、エレキギター、エレキベース、ドラムス、バラフォン、ンゴニ、男性コーラス(+ダンス)といった編成。つまりは近年のエレクトリック・バンドにバラフォンと男性コーラスが加わったもの。ロキアによるマリ音楽の現代化解釈といった趣だったが、ロック的な要素とマリ伝統音楽の要素とが融合し切れていない感じだった。コーラスとのユニゾンも効果的でありながら、それでもロキアの独唱を聴きたくなってしまう。多分全曲新曲だったと思うが、彼女なりの新たな挑戦を感じさせる内容ではあった。

 ただ、音楽的にはスタンディングの方が良かったのではないだろうか(数年前にここでユッスー・ンドゥールを観た時は1階は席を取り払いスタンディングにしていた)。ハイヒール履いたロキアの姿にもちょっと違和感を覚えたのだった。

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(最後方からの撮影ではこれが限界)


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 実は今回の3公演に際して特段予習や下調べはしなかった。公式ページに掲載されたコンサート概要の解説すら読まず。昨秋のラオス旅行と年末のインドネシア、バリ島取材で疲れ果ててしまって、これ以上何かを調べる気力が失われてしまったこともある。しかしそれ以上に、今回のライブは自然体で聴いて、自分が感じた通りに受け止めれば良いと決めたのだった。なので、このリポートには思い違いしている点も含まれていることだろう。

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◇第2夜◇ Dream Mandé Djata 2020/01/05

 2日目からは大ホールより小さめの Cité de la Musique に会場を移動。

 この日は演奏楽器がコラとンゴニだけなので、基本、ロキアの一人語りなのだろうと予想して行ったが、実際ほぼその通りだった。

 今から半年前、チケットを買う際なぜか最前列のほぼ中央に1席だけ残っていたので、迷わずこれを購入。しかし、フランス語での一人語りだとすると寝ないで我慢するのが辛そうだ。3公演の中でこの日が一番退屈なものになるか、そこそこ良いものを観られるかのどちらかだろうと想像していた。がっかりしたくなかったので、ライブの中日(中休み)だと思って気楽に大して期待せず出向いた。

 しかし終わってみると、全く気の抜く瞬間のない、実に濃密な1時間15分だった。

 ロキアは語りで13世紀のマリ、スンジャータ・ケイタ Soundiata Keita の時代へと誘う。フランス語なので全く内容を聞き取れないのだが、表現の深さはしっかり伝わってくる。淡々と語ったり、声色を変えて様々な人を演じ分けたり。その合間に、マリ伝統音楽の有名曲をバンバラ語で歌っていく。さすがに聴き馴染んで知っている歌もある。その絶唱が素晴らしいこと。ロキアがこれほどに素晴らしい歌い手だったとは!

 衣装も良かったし、伴奏や照明も息が合っている。これまでどれだけの回数演じられてきたのだろう。

 全く滞ることなく、一語一音のミスもなく、その間観衆たちの間から咳払い一つ聞こえなかった。とても集中した空間。

 全てを終えて挨拶する時の3人の笑顔。ところがロキアは瞬く間に涙腺が緩み、眼には涙が溜まって、それが流れ落ちるのを堪え続ける。彼女の顔にはやり遂げたという充実感が満ち満ちていた。

 13世紀から連なるマンディングの歴史があるからこそ、今の自分、自身の芸術があるのだという、先人たちへの敬意がひしひしと伝わってきた。こんな至近距離でステージを観て感動したのは、2年前にニューヨークのブロードウェイで(実質最前列で)ブルース・スプリングスティーンの "Springsteen On Broadway" を観て以来だ。本当に凄いものを観てしまった。このステージを観られただけで、今回パリに来た価値があった。

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(英語圏での公演では英語で語るようだ。チャンスがあれば次回は英語での公演を観てみたい。)



◇第3夜◇ Né So 2020/01/06

 最終日は現在のロキアのバンドによるライブ。"Né So" と "Beautiful Africa" の楽曲をステージでプレイするものだったが、いやー、この日も凄かった! ロックなギター、ファンキーなベース、ワイルドなドラム、ロキアの緻密なギター、マリの伝統弦楽器ンゴニ。5者の紡ぐサウンドがぶつかり合う快感。まるで濃密なジャム・セッションかのようで、サウンドが炸裂する。特筆すべきは、バラードもミディアムもなしてで、ほぼ全く緩むことなく、高速ビートが延々絡み合うこと。ロキアがヴォーカルを取る間も音量が下がることはない。いや、その覚悟が良い。そんなサウンドが70分間走り続けた。

 現代最高のアフリカ音楽のライブはウム・サンガレだと思っている。最初から最後まで絶頂感が持続する彼女のライブ・サウンドは敵なしだろう。しかし、今夜のロキアのライブもそれに肉薄するものだった。

 一つ大きなポイントだと感じたのは、ンゴニだ。大小4本持ち替えていたが、そのハイトーンはギターと対照的、いやそれ以上に立っていて、サウンド全体の要にもなっていた。

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 ロキアの歌もとても良かった。彼女は本当にタフだ。70分に及ぶセッションの後、最後の1曲とアンコールで、ロキアはギターを置いて歌う。この2曲だけは、少々物足りなかった(メンバー紹介やダンスに重点を置いていたので、仕方ないが)。それだけに彼女のギターの重要さも認識できたのだった。

 彼女の足元を見ると、今日は裸足だ。やっぱりこの方がロキアらしい。

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 パリで3日連続公演を観て、彼女の成長ぶり、スケールの大きさ、表現力の幅広さを実感できた。今年夏にはミリアム・マケーバへのオマージュ公演を行うと最近発表があった。ますます充実した活動を期待できるロキア・トラオレ、できることならばまた日本でも彼女のステージを観たいものだ。



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(今回の公演の公式プログラム)







by desertjazz | 2020-01-20 19:00 | 音 - Africa

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 "Early Congo Music 1946-1962 : first rumba, to the real rumba" の全50曲をじっくり聴きながら、解説&歌詞大意の精読2回目。読み返して、論考の細部やミュージシャンたちの動きまでがしっかり頭の中に入ってきた。

 CD1 は「最初のルンバ」の超貴重な録音から「真のルンバ」誕生の直前まで、CD2 は「真のルンバ」初期の名演集といった内容。なので1枚目ではプレルンバ期における様々な創意工夫が楽しく、2枚目はよりコンセプトが明確になったコンゴ・ミュージックを堪能できる。

 違いなく名録音集であり音だけ聴いても十分楽しめるはずだが、やはりこのコンピレーションは長大な解説を読み誘われて聴いてこそその価値を知ることになるだろう。

 私にとって、ナイジェリアもセネガルもそしてコンゴも、大衆音楽がどのようにして生まれ完成したのかについては謎ばかり。なので、「40年代のコンゴ音楽シーンはどのようなものだったのか。実はこれがどうもハッキリしない。」(P.3)「40年代に関しては長い間モヤモヤした気分が晴れる事はなかった。」(P.4)と書かれているのを読んで「深沢さんでも分からないことがあるなら、自分が分からないのは当然だ」となぜだかひと安心? いや、もちろん理解の次元が全然違うのでしょうが。

 大衆音楽の成立過程を謎にしている大きな理由は、その当時の音源が少ないこと(あるいは全くないこと)。このコンピは、そこに挑まれた深沢さんの研究報告でもあると思う。稀少な音源を収集し聴き込み、長年鍛えた耳と蓄えた知識を駆使して、コンゴのルンバがいかにして誕生したのかを解き明かそうとする。解説を読んでいると、まるで推理小説を手にしているかのような気分にすらなる。だから今はまだ CD1枚目の方に惹かれる(完成前の音楽の面白さも感じて)。

 もうひとつ自分にとって有益だったのは、ミュージシャンやレーベル・オーナーについて分かりやすく整理されていること。コンゴは音楽大国だけあって、主要ミュージシャンが多く、また彼らの離合も複雑。結局はフランコなどのビッグネームの経歴を追うことしかできていない。「真のルンバ」誕生のキーパーソン、ジミーに注目する事はなかったし、ウェンドやアンリ・ボワネの経歴ですらすっかり忘れてしまっている。アフリカン・ジャズやOKジャズの主要メンバーに関しても同様。50年代の主要ミュージシャンの経歴と動きについておさらいするのにもとても役に立つ解説になっている。

 そんなことを思いながら、Gary Stewart "rumba on the river" や Graeme Ewens "Congo Colossus : The Life and Legacy of FRANCO & OK JAZZ" などを、ここ数日拾い読みしている。どちらも昔精読したものの、具体的記述をほとんど覚えてない。久しぶりに読み返したくなっているのだが、深沢さんの解説を繰り返し読むだけで十分な気もしている。さてどうしようか?



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 "Early Congo Music 1946-1962 : first rumba, to the real rumba" を聴いて嬉しかったことのひとつは Franco と O. K. Jazz の録音をいくつか新たに聴けたこと。そのうちの1曲 Maska Nzenze (Loningisa 158) は Graeme Ewens "Congo Colossus : The Life and Legacy of FRANCO & OK JAZZ" のディスコグラフィーに載っていないとても珍しいものだ。もちろん初めて知った。

 ところで Franco の SP録音って、一体どれだけあるのだろうか? 例えば私の手元にあるこの SP盤 Mbongo Na Ngai Judas / Ndokoyo (Loningisa 248) も Graeme Ewens のディスコグラフィーから漏れている。調べた限りでは、EP、LP、CD いずれでも復刻されていない。

 ・・・と書きたいところだが、3年前にリリースされたコンピレーション "O. K. Jazz - The Loningisa Years 1956-1961" (Planet Ilunga Pl 03, 2016) で遂に復刻! しかも YouTube にもアップされていて、録音日?は 1959年1月31日だとか。本当か?

 その Planet Ilunga 盤のブックレットを読むと(まだちゃんと読んでいなかった!)Franco の SP 音源はまだまだ未復刻らしい。SP を集めてもいないのに、時々 Franco の SP の山に出くわす夢を時々見る。深層心理として、知られざる彼の音楽をまだまだ聴きたいという願望があるのだろうな。

 昔から言っていることだけれど、Franco のコンプリート・ボックスが発売されたら、迷うことなく買いますよ !!!


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by desertjazz | 2019-07-15 18:00 | 音 - Africa

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 深沢さん、森田さん、吉岡さん、上川大助さん、原田さんらによる労作『アーリー・コンゴ・ミュージック 1946-1962』をいち早く入手! たまたまだけれど、「お買い上げ第1号」だとか。公式には 7月14日発売開始とのこと。

 ブックレットは豪華・充実しているし、デザインも丁寧。とても手間がかかっている。肝心の音楽内容と音処理も、このメンバーなら期待して間違いないでしょう! これからじっくり聴きます!

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(ひとまず1枚目を聴き終えた。この素朴さに惹かれるなぁ。特に大好きな Wendo や Antoine Moundanda がたまらない! クレジット見なくてもそれとわかる音だ。今夜もそろそろ読書タイム。続き(2枚目)は明日以降に。)





(このところ、アフリカに関しても実に興味深い情報を次々と掴んでいて、ブログに書いている暇がない。とりあえずかいつまんで Facebook や Twitter に書き殴っている。)






by desertjazz | 2019-07-09 23:00 | 音 - Africa

 ミュージック・マガジン7月号の特集「アフリカ音楽ベスト・アルバム」選を引き受けるかどうか躊躇した理由のひとつは、アルバム・レビューを2〜3枚書かなくてはならないこと。評価の定まった作品に関しては、下手なことは書けないし、かといって語り尽くされた作品である分、新鮮味を持たせるには字数が足りない。できればレビュー原稿は避けたい。なので、下位のアルバム2枚くらいの担当にならないだろうかと祈っていた。

 ところが意に反して、案の定、上位のアルバム3枚も執筆することに。こうなることは考えていなかったので、さてさて困った。短文レビューはさらっと書き上げた方がいいのかもと思いながらも、結局悪戦苦闘する結果に(どうしても納得が行かず、それぞれ400字書くのに約10時間)。

 ところでこれら3枚の CD を手にして興味深いことに気がついた。いずれにもサインが入っているじゃない! 3枚のアルバムとも、それだけ自分にとっては大切な作品である証拠なのだろう。


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Youssou N'Dour "Set"

 個人選 30枚の1位は、散々迷った末に Youssou Ndour et Le Super Etoile I de Dakar / Vol.12 Jamm - La Paix -(1990年のカセット)にした。しかし、間違いなく死に票になるので、「Set でも可」と添えてリストを提出。しかし、これが敗因に? 避けたかった "Set" のレビューを書くことになってしまった。

 1991年か92年の横浜 WOMAD でユッスーが来日した時、関係者から「ユッスーに会わせてあげるよ」と連絡をいただいた。けれど、その日からバリ島に観光旅行に行く予定だったので、後ろ髪引かれる思いで折角のお誘いをお断り。すると、その時ユッスーと面会した友人(彼女もその「関係者」から誘われた)がわざわざ私のためにサインを貰っておいてくれたのだ。それがこの "Set" の CD。彼ら2人のおかげで、これは私にとって、とても大切な宝物になった。

 その「関係者」とは、その後、東京ジャズを立ち上げられたO氏のこと。彼はユッスーからの信頼がとても厚く、新作が完成する度に真っ先にその音が送られてきたほどと聞いている。

 WOMAD で面会するチャンスを逃してしまったユッスーとは、Oさんが軌道に乗せた 2003年の東京ジャズでついに初めて会って話すことができた(ライナーを執筆した "Nothing's in Vain" の直後で、『ミュージック・マガジン』から依頼されたインタビューだった)。

 この時、東京ジャズは NHK 以外の媒体の取材を許可していなかったらしく、アルバムをリリースしたワーナーでさえアポが取れなくて苦労したと聞いた。バックステージで会ったAさんからは「Dさんだから OK 出した」と言われたけれど、本当かな?

 そしてその後、東京ジャズの総帥Oさんともばったり。事情を話すと「なぜ事前に連絡してこない! それなら許可出したのに!」とお叱り?を受ける。それから話が盛り上がり、VIP ルームで二人きりで語り合いながら、モニターで Joshua Redman の熱いステージを食い入るように観たのが良い思い出だ。そしてその夜のフォナーレ、ユッスーが中心となって繰り広げたスーパー・セッションのすばらしさはマガジン誌上にも書いた通りだ。

 ユッスーのサインを見ているだけで、いろいろ思い出が蘇り、書ききれないなぁ(ユッスーにはさらに3枚サインをいただいている)。特にOさんが私のユッスー愛を理解して下さっていたことが嬉しい。

 しかし、Oさんは既にこの世にはいない。お会いしたのはその東京ジャズが最後になってしまった。彼とはもっと音楽のこと、ユッスーのことを語り合いたかった。


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Orchestra Baobab "Specialist in all Styles"

 これは初公開! パリ公演のバックステージでバオバブのメンバー全員からサインをもらったもの。レコーディングのみで、ツアーには参加しなかった(アフリカンド Africando のメンバーでもあった)メドゥーン・ジャロ Medoune Diallo のサインだけは入っていない。それぞれの字体に個性が感じられる。特に Issa が。Balla Sidibe はなかなかの達筆。Rudy Gomis は日本が懐かしかったんだろうな。

 この中の2人は既にこの世にいない。それを思うと切なくなってしまうのだが。そんなことを抜きにしても、これは自分にとって一番の宝物かも知れないな。


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Tony Allen "HomeCooking"

 これは確か 2004年にロンドンのバービカン Barbican Centre で開催された Fela Kuti Tribute Festival "Black President - The Art & Legacy of Fela Kuti" のバックステージでトニーに会った時にもらったもの。トニーと2人で雑談していたら、イギリスの新聞記者たちから「僕らでさえ会えないのに、なぜ君が会えるんだい?」と驚かれた。

 3週に渡ったこのフェス、さほど迷うことなく2週目に行った。Tony Allen + Damon Albarn + Keziah Jones + TY & Band、Femi Kuti & The Positive Force + Daara J、Soothsayers、JJC & 419 Squad (!) 、Sandra Isaddre (!!) というとんでもないラインナップだったので。(1週目には Roy Ayers、Dele Sosimi、King Was Ayinde、Seun Kuti など、3週目には Manu Dibango + Courtney Pine & Maaba Maal、Yeba Biena、Cheikh Lo、Les Nubians などが出演して "Red Hot & Riot" を再現。正直できれば、3週とも観たかった!)


 トニー・アレンの "HomeCooking" のレビューは、一度マガジンからの依頼をお断りしている。2003年12月号のクロスレビューの執筆依頼を受けたのだが、それら7枚のうちの1枚が "HomeCooking" だった。この時の7枚には David Sylvian "Blemish" や半野 "Lido" も入っていた。毎晩仕事で深夜帰りしている中、数日で7枚もレビュー書くのは無理なのでお断りしたのだが、編集部は結構私の好みを見抜いているのかと驚いたのだった。もし引き受けていたら、Davis Sylvian と半野は10点満点。Tony Allen も9点以上つけただろう。3作品とも今でも良く聴く大の愛聴盤です!


 うーん、いろいろ懐かしいなぁ! Oさんやイッサとはもう会えないことはとてもかなしいけれど。(個人的な思い出話になってしまい、すみません。)




(2019/06/27 修正)





by desertjazz | 2019-06-21 00:00 | 音 - Africa



 雑誌『ミュージック・マガジン』が今年創刊50周年で(おめでとうございます!)、それを記念して毎月ベスト・アルバム選の企画をされているそう。その「オールタイム・アフリカ」の回への参加を打診された。

 時折色々なところから原稿を依頼されるのだが、ここ数年はほぼ全てお断りしている。なので今回も最初は辞退するつもりでいた。ブログなどで何度も書いている通り、ランキングやベスト・アルバムの類にはそれほど意味を感じていないことでもあるので。そもそも順位づけには「正解」などないと思っている。もし本当に正解があるならば、全員が全く同じ結論に達するはずだ。でも実際にはそうならない。だからベスト選は、各人が悩んだ末の答えがバラバラになるところに面白みがあり、それを見てまた自由に意見して楽しむのがいいのだろうとも思う。

 今回の依頼も即座に断ろうと思った別の理由は、私が Ali Farka Toure も Tinariwen も Miriam Makeba も Angelique Kidjo も Manu Dibango も Cesaria Evora もほとんど聴かない(好きじゃない/あまり評価していない)こと。もしオールタイム的にアフリカのベストを選ぶとしたら、かねてから評価も人気も高い彼らさえ私は初めから候補から外す。このような人物がランキング付けに関わっていいのだろうかと考えたのだ。

 しかし、そのように迷っているうちに、少し考えが変わった。マガジン編集部が私にも参加資格ありと判断して下さったことは素直に嬉しいし、長年お世話になったマガジンへ(1969年の創刊号から40年分がほぼ手元に揃っている)ちょっとした恩返しするつもりで、依頼を引き受けてもいいかと思い始めた。

 今回のテーマはアフリカ音楽のオールタイム・ベスト。サハラ以南のアフリカ全域(島国も含む)が対象で、年代の制限なく、フィールド・レコーディングも含む。それらの中から30枚選んで、しかもそれらを順位づけせよと言う。ハッキリ言って無茶な企画だ。これなら投票がかなり分散してしまうだろう。でも別の見方をすると、私の選がランキングに反映されることなどそれほどなく、迷惑をかける心配はあまりなさそうだ。編集部からは「歴史的評価よりも愛聴盤を」「気軽にどうぞ」といった風に声をかけていただいたこともあり、結局、気軽に参加することを決めた。



 ところがいざ選び始めると、とても「気軽に」とはいかなかった。

 オールタイムで30枚選ぶとなると、これまでアフリカのレコードを3000枚聴いているとして 100枚に1枚。それほど熱心に音楽を聴いている訳ではないが、アフリカだけでももっと聴いているかもしれない。

 そこで、最初に(そして選びながら)いくつか方針を定めた。

1. どのアーティスト/グループも1枚だけ。編集部からはそのような制約は受けていないが、この手のランキング選では暗黙の了解事項なので、原則としてそうした。Fela Kuti や Youssou N'Dour だけで10枚選ぶのもありだとも思うのだけれど。

2. ベスト盤や編集盤は除く。そうしないと、70年代までの音源のベスト盤が多くなりすぎて、アルバム単位での評価からはズレてしまいそうだったので。

3. ジャズ、レゲエ、ラップ/ヒップホップ、R&B、民族音楽的なものもは極力外す。

4. 個人的に衝撃を受けた作品を優先する。

5. 現代の視点からの価値や評価には無理にこだわらない。


 はっきり言って、最終的なベスト100を想定し、そこに残りそうなアルバムを30枚選ぶことは割合簡単だ。もしかするとそのような選び方を求められているのかもしれない。でもそれでは自分自身が納得できないし、面白くもない。なので、可能な限り自分の価値判断を優先させることにした。

 愛聴盤の中にも最近聴いていなくて印象が薄れかけているものもあるので、数日間で数百枚聴いてみた(繰り返して通し聴きしたものから、部分チェックで済ませたものまで様々)。その上でピックアップしたのが以下の60数枚など。主にここから30枚を選んだのだが、その30枚は毎日日替わりとなり、最終的に編集部に送ったリストは締切日の気分で並んだ30枚。どのような結果になったかは、本日発売の『ミュージック・マガジン』7月号をご覧ください。



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【 Senegal 】

1. Youssou Ndour et Le Super Etoile I de Dakar / Vol.12 Jamm - La Paix -
2. Youssou Ndour / Set
3. Orchestra Baobab / Specialist in all Styles
4. Baaba Maal & Mansour Seck / Djam Leelii
5. Le Sahel / Bamba
6. L'orchestre N'guewel de Dakar / Xadim
7. Thione Seck / Orientation
8. Coumba Gawlo / Yo Male
9. Coumba Gawlo / Terrou Waar

 Youssou N'Dour はどの1枚にするかかなり迷った。一般的評価だと彼の代表作は "Set" だろうし、今回も上位で選ばれるだろう。でも近年は "Set" よりも "The Lion" の方をよく聴く。その一方で、実は "Immigres" こそが凄くって現在まで生命力を保っているのではないかとも考えている(そのことは近年のライブを観ても感じる)。しかし、個人的に一番好きで、聴く回数も一番多く、最も評価しているのは、1990年にリリースしたライブ・カセット "Vol.12" だ。自分にとっては Miles Davis "Kind of Blue" クラスの大傑作。うーん、Youssou だけでも1枚に絞るのには無理がある。

 "Bamba" と "Xadim" は未復刻の知られざる名盤。ということで、最終段階までリストに残し続けた。

 アフリカの女性シンガーで一番好きなのは Coumba Gawlo Seck。なので、彼女も1枚入れたいと思った。タイトル曲が素晴らしい "Yo Male" にしようかと思ったが、これは欧米ポップのカバーが多いために躊躇。聴き返して最新作こそが彼女の最高作になったのではないかと心変わりした。


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【 Mali 】

10. Salif Keita / Soro
11. Les Ambassadeurs Internationaux / Mandjou (BLP 5040)
12. Rokia Traore / Bowmboi
13. Issa Bagayogo / Tassoumakan
14. Toumani Diabate's Symmetric Orchestra / Boulevard de l'independence
15. Toumani Diabate / The Mande Variataions
16. Kandia Kouyate / Kita Kan
17. Oumou Sangare / Mogoya
18. Khaira Arby / Timbuktu Tarab

 まず迷ったのは Salif Keita をどれにするか。グループ時代にするか、ソロになってからの作品を選ぶか。"M'bemba" (2005年)も名作だけれど、やっぱり "Soro" だよな。10年くらい前までだったら、今回のような企画、迷わず Salif Keita の "Soro" を1位にしていただろう。個人的にはさほど気に入っていない Rail Band は見送るとしても、Les Ambassadeurs も外しにくい。結局、Salif に関してはソロとブループとを別アーティストと見なすことにした。

 Issa Bagayogo、Abdoulaye Diabate、Neba Solo、Khaira Arby を入れるか、入れるならどのアルバムにするかも悩みどころ。マリで一番頭を痛めたのは Toumani Diabate だったかも。彼はオーケストラ・セットもアコースティック・セットも良いアルバムばかりなので。思い切って日本制作のファースト "Shake the Whole World" にしようか、アコースティック・セットなら Ali Farka とのデュオも結構いいがやっぱりソロだよな、等々と思案。でも、その "The Mande Variatiions" より、Baaba Maal & Mansour Seck ”Djam Leelii” の方がずっといいしなぁ。


【 Guinea 】

19. Keletigui et ses Tambourinis / Le Retour (SLP 55)
20. Bembeya Jazz / Bembeya Jazz (SLP 4)
21. Kouyate Sory Kandia (SLP 20)

 ベスト盤を入れないと決めたことで、自分の首を絞めることになったのがギニア。Syliphone 盤アルバム79タイトルの順位づけでさえ無理だ。思案の末、Keletigui と Bembeya を入れることに。Keletigui は後年のアルバムも良かったが、"Le Retour" が一番気持ちいい。Bembeya は世評に反して?個人的にはファーストが最も気に入っている。

 Kante Manfila を入れることも考えてひと通り聴き直したが、30枚に入れるまでではないと判断。


【 Mauritania 】

22. Khalifa Ould Eide & Dimi Mint Abba / Moorish Music from Mauritania

 モーリタニアにも捨てがたい好盤がいくつかあるけれど、個人的には断然このアルバム。一連のデザート・ブルースより好き。


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【 Ghana 】

23. Stargazers of Kumasi / The Best of Adlib Young Anim of Stargazers Fame
24. E. T. Mensah / All For You - Classic Highlife Recordings from the 1950's

 E. T. Mensah と Stargazers は絶対外せない。両者とも10インチ盤を入れることも考えたが、それも中途半端。なのでルールを破ってベスト盤を選択。Mensah は最近出た4枚組を選ぶ人が多いのだろうと思いつつも、長年聴き聴き続けた最初のコンピを選んだ。全アフリカで、ナイジェリアの Bobby Benson "Taxi Driver"、ガーナの Stargazers "Masan Makwo"、南アの Solven Whistlers "Something New from Africa" が自分の考える3大名曲。そのため Stargazers を無理してでも入れたかった(Bobby Benson はベスト盤すらないので、選びようなし。自分がナイジェリアで見つけてきた Evergreen 盤のコンピ "Evergreen Hits ..." を入れるのも手前味噌以前の話だしなぁ)。


【 Nigeria 】

25. Fela Ransome Kuti & The Africa '70 / Afrodisiac
26. Fela Kuti / Roforofo Fight
27. King Sunny Ade / Synchro System
28. Tony Allen / HomeCooking
29. Tony Allen / The Source
30. Femi Kuti / Shoki Shoki
31. Musiliu Haruna Ishola / Soyoyo
32. Ebenezer Cultural Band of Kalabari / Vol.10 - Resource Control

 Fela Kuti は間違いなく "Zombi" が全体でも1位になると予測。でも個人的にはこのアルバムはあまり聴かない。最も頻繁に聴いたのは "Roforofo Fight" だ。Fela が後年クラブ・シーンに与えた影響も加味すると、このアルバムの存在感はいまだ大きい。でもここ数年、"Afrodisiac" の1曲目 "Alu Jon Jonki Jon" が頭の中で鳴り続いている。Fela の全録音の中で最もパワフルな曲なのではないだろうか。このアルバムの他のトラックも彼のジャズ出自を反映した優れた曲が揃っている。

 息子 Femi のポップさも捨てがたい。ライブ盤なども良かったが、1枚選ぶとなるとやはり "Shoki Shoki" かなぁ。

 フジ、アパラ、サカラなども入れたいところなのだが、とてもじゃないが絞りきれない。そこでナイジェリアで見つけた強力盤 "Soyoyo" をリストに残すことに。

 Ebenezer Cultural Band of Kalabari / Vol.10 - Resource Control は21世紀に入って最大の衝撃を受けたアルバム。30枚に入れる価値ありと思ったのだが、誰も聴けない現地カセットを選ぶのも罪だろうと最後まで迷う。


【 Cote D'Ivoire 】

33. Tiken Jah Fakoly / Coup de Gueule

 Tiken Jah Fakoly も好盤揃い。でも、レエゲは選ばないことにした。


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Congo 】

34. Franco et Le T. P. O. K. Jazz / Le Grand Maitre (CD 8482, 1991)
35. Franco et Le T. P. O. K. Jazz / Live En Hollande
36. Orchestre African Fiesta / Merveilles du Passe - Docteur Nico 1963-1965 (360.152, 1985)
37. Orchestre Vévé (360.106)
38. Viva La Musica / Papa Wemba et Viva La Musica
39. Papa Wemba / Papa Wemba (1988)
40. v.a. / Zaire: Musiques Urbaines a Kinshasa
41. Konono No.1 / Congotronics
42. Kasai Allstars / in the 7th moon, the chief turned into a swimming fish and ate the head of his enemy by magic
43. Field Recordings / Polyphony of the Deep Rain Forest - Music of the Ituri Pygmies
44. Field Recordings / Kanyok and Luba: Southern Bergian Congo 1952 & 1957

 Franco に至っては一体どの1枚を選べばいいのか。厳密に言えば CD 8482 はコンピなのだが、これ以上に濃密なアルバムを知らない。もしこれが対象外ならば、晩年のオランダ・ライブがいいかな。でもライブ盤ってある種のベスト盤でもあるので、これも反則か?

 ここ最近、Nico の多彩ぶりに惹かれている。彼のLPを片っ端から聴き直してみたら、ハワイアン風トラックも含むこのアルバムが一番良かった。

 Papa Wemba も Salif Keita と同様にグループ時代とソロ時代を別扱いして、Viva La Musica も入れた。スークースのアルバムはとても数が多くて選び切れなくて、Viva だけにした。Vévé がその埋め合わせにもなっている。

 ベスト100の上位には Konono No.1 も入るだろうし、十分それに相応しいと思う。だけれど、昔 "Zaire: Musiques Urbaines a Kinshasa" で電化リケンベを聴いた時の衝撃が忘れがたい。この録音があったからこそ、Konono の再発見が生まれたのだ。

 民族音楽的なものを入れるのはどうかと思いつつも、Hugh Tracey 録音の "Kanyok and Luba" は最初から上位5枚の中に入れていた。そしてそれ以上に、ピグミーだけは絶対入れたかった。一般的には Collin Turnbull の録音盤になるのだろうが、日本制作の King 盤を選択。長時間/高音質録音が実現可能になった時代の記録であり、時間が進むに従っての変化が生々しく伝わってくるのは、古い録音が持ち得なかった良さだ。これはピグミー音楽の録音のベストのひとつだと思う。


【 Somalia 】

45. v.a / Somalia Sings Songs of the New Era

 これ最高です! リイシューして欲しい!


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【 Sudan 】

46. Abdel Aziz El Mubarak / Abdel Aziz El Mubarak
47. Mohammed Wardi / Live in Addis Ababa - 1994


【 Ethiopia 】

48. Mahmoud Ahmed / Ere Mela Mela
49. Mahmoud Ahmed / Live in Paris
50. Abyssinia Infinite featuring Ejigayehu "Gigi" Shibabaw / Zion Roots

 Ethiopiques のシリーズから何枚か選ぼうとも思ったが、コンピレーションがほとんどなので選考外にした。Mahmoud Ahmed は、最初 "Ere Mela Mela" を選んだのだが、考えてみるとこれもベスト盤。そこでライブ盤に逃げた。

 今回数百枚聴き直した中で、一番良かったのが Gigi だった。よって迷いなく上位にランキングさせた。超気持ちいい1枚!


【 Zimbabwe 】

51. Thomas Mapfumo and the Blacks Unlimited / Corruption
52. Oliver Mtukudzi / Tsimba Itsoka
53. Chiwoniso / Ancient Voice


【 South Africa 】

54. v.a. / Kwela with Lemmy and Other Penny Whistlers
55. Chris McGregor & The Castle Lager Big Band / The African Sound
56. Mahlathini and the Mahotella Queens / Thokozile
57. Kabelo / Rebel with a Cause
58. Simmy / Tugela Fairy

 Lemmy のコンピを選んだのは(先に書いたように)"Something New from Africa" が好きだというのも理由の一つ。もし南アから1枚だけ選ぶなら Chris McGregor にするのだけれど、ジャズまで対象にして考え始めるとキリがない。だから Dollar Bland も選考外にした。Penny Whistle もジャズの範疇なのかもしれないけれど。

 Dark City Sisters や Manhattan Brothers も入れたくて迷った。

 Kabelo のサード "Rebel with a Cause" は、中盤からややつまらなくなるけれど、それでもクワイト史上の最高傑作だと今でも思っている。Mafikizolo も考えたが、Kabelo の高揚感には敵わない。


【 Others 】

59. Mokobe / Mon Afrique
60. K'Naan / The Dusty Foot Philosopher
61. Baloji / 137 Avenue Kaniama
62. Aya Nakamura / Journal Intime
63. Michael E. Veal & Auqa Ife / The Afro-Kirlian Eclipse

 どこまでが「アフリカ音楽」なのだろう? 今回の選定に際して、Baloji、Aya Nakamura、Nakhane、M'anifest、Fally Ipupa、Simmy、Sudan Archive、Antibalas、Michael E. Veal & Auqa Ife ... などの名前も頭に浮かんだ。自分にとっては彼らもアフリカ音楽であり、30枚に入れてもおかしくない作品が多い。特に Baloji は対象に含まれるのかどうか迷って、最後までリストに入れたり外したりを繰り返した。




 30枚を選び終えて、、、

 予想したことだが、当然ながら20世紀中頃までの SP、EP、シングル時代のアーティストは選びにくかった。また Grand Kalle、Tabu Ley、Sam Mangwana、Ebenezer Obey などのビッグネームも選べず。Franco などもそうなのだが、彼らの録音で思い浮かべるのは楽曲単位のことの方が多く、またアルバムの数も多くて代表アルバムを絞り切れなかった。ロックやジャズと比較すると、アフリカ音楽の決定的名盤は少ないと普段から感じているのだが、そうしたことも反映したかと思う。

 また新進アーティストも意外と選びにくかった。というのは、彼らの新曲は曲単位でネットに公開されることが多く、アルバムで聴くよりストリーミングで試聴するケースが増えているからだ。そのため、50〜60年代頃に活躍したアーティストとここ最近のアーティストが共に少なくなったのは、ちょっと面白い現象だと思った。70〜00年代の「アルバムの時代」が終わり、再び「シングルの時代」に戻ったとも言えるのかもしれない。

 いや、そんなこと以上に、自分がほとんど音楽を聴かなくなっていることの影響が大きいのかも。アフリカに限らず、名盤の類さえじっくり聴き込む時間がない日々(音楽を聴くより、本を読んでいる方が楽しく、また仕事や旅にかなりの時間を費やしているので)、膨大にリリースされる新曲までチェックしきれない。

 アルバム単位でアフリカ音楽を振り返ると、どうしても 80〜00年代の作品が中心になってしまうのだが、実際この期間が黄金時代だったとも思える。それでも、個人選はベスト100に入りそうにないアルバムがかなり多くなってしまった。まあ、自分としては約一世紀に及ぶアフリカ音楽の録音を大局的に振り返る良い機会にはなったと思う。


 そして、マガジン編集部から送られて来た集計結果を見て、「割合落ち着くところでまとまったな」というのが第一印象。それと同時に、かなり予想が外れた意外なところもあった。実際、ロックやジャズに比べるとアフリカ音楽には決定的名盤は少ないと日頃から考えており、その分選択肢は限られる。ベスト100はその結果を反映したものであろうし、自分自身10枚はすんなり選べたが、残り20枚の選盤が難しかった。

 選ばれた100枚に関する論評はこれ以上はやめておこう。限られたメンバーによる投票の平均値にしか過ぎないので、冒頭に書いたように、アフリカ音楽に詳しい方は各人が自由気儘に感想を述べあって頂いた方がいいと思うし、あまり知らない方にとっては気になるアルバムが並んでワクワクするリストなのではないかと思う(なので、マガジン向けに書いた「総評」でも、ベスト100に対する論評はしなかった)。

 長年、ロックとジャズをメインに聴いてきたけれど、私はアフリカ音楽も大好き。近頃はますます聴く時間がなくなっているのだけれど。だから、いつかじっくり聴く時間が欲しくなった。その時には「私的究極の100枚」を選んでもみたいな!


(続く) 







by desertjazz | 2019-06-20 00:00 | 音 - Africa



 Youssou N'Dour の新作 "History" が 4/26 にリリース予定。Spotify、Apple Music、fanc 等でも扱うので、これはインターナショナル盤なのだろう。

 先行シングル2曲がリリース済み。昨年のセネガル盤 "Respect" にも収録されていた "Habib Faye" は、昨年亡くなった Super Etoile de Dakar のサウンドの要/ベース&キーボード奏者 Hahib を悼む曲。今回はわずかにテンポを落としたショート・ヴァージョンになっている。もう1曲 "Confession" は、美しく、壮大なアレンジと歌の力強さが印象的だ。それにしても、ますます喉の調子が良さそうだ。

 これら2曲を聴いた感じでは、今度も "Respect" などの最近のドメスティック盤とは対照的に、ンバラ度の低い、インターナショナル・マーケットを意識したソロ作になっているのだろう。

 ところで、Youssou の Facebook 中の "My Story" を読んで、彼のミドルネームが Madjiguène だと初めて知った。







by desertjazz | 2019-04-17 18:00 | 音 - Africa