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カテゴリ:旅 - Abroad( 163 )

パリ滞在記 2015(15)

〈6日目〉4月16日(木)


■喧噪のモナリザ/静寂のイスラム


 8時起床。今朝も寝坊した。相変らずの快晴続きで、今日も暑くなりそうだ。

 今日は大きな予定は入れておらず、さてどうするか。パリ市内には好きなエリアが結構ある。シテ島周辺を散策してもいいし、その足で Paris Jazz Corner や近所の音楽書店などを巡ってもいいし、のんびりウインドー・ショッピングしてもいいし、昼間から冷えたシャブリを飲みながらオイスターやムール貝をいただくってのも最高だろう。

 などと思案した末に、今日も美術館に行くことにする。今回はアラブ研究所は諦めて、最後はケ・ブランリーとルーブルのどちらにするか。迷ってルーブル美術館に決める。完成直後に訪れたイスラム美術コーナーが素晴らしかったので、ここをもう一度じっくり見たいと思ったから。

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 10時半にホテルを出て 11時に到着。するとメトロを降りたセキュリティーチェックのところで長蛇の列。何と30分待ちとの掲示。ならば予定変更してケ・ブランリーに行くかとも一瞬迷ったけれど、移動時間を考えたらここで待つのと大差ない。

 掲示されていたとおりほぼ30分かかって入れたのだが(これなら地上に出てガラスのピラミッドかの入口から入った方が早かっただろう)、今度はまたチケット売り場で長い列。もうウンザリ。ところが自動券売機には全く並んでいなくて、チケットをすぐに買えた。12ユーロ。

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 さて、ルーブル美術館の中に入ると、ここ最近訪れた時に比べてもますます喧噪凄まじく、まるでテーマパークと化している。けれども、イスラムのフロアだけはひっそりとしていて、警備する学芸員?たちが暇つぶしに話込む声だけが響いているのだった。

 このイスラムのコーナー、質・量ともに圧巻。とりわけ漆器や銅製品が素晴らしい。栄華を極めた時代のイスラムの美術の技術と美しさにただただため息。

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 イスラムと古代美術の一部をじっくり見た後、いつもと同様本当に好きな絵画だけを巡ることにした。まず向かったのはレオナルド・ダ・ヴィンチの4枚。中でも好きなのがモナリザ。実物を見る前には全然興味がなかった作品なのだけれど、何年前だったかルーブルで初めて見た途端にそのミステリアスな魅力に魅入られてしまった。なので、数年前にルーブルに来た時にもイスラム・コーナーとモナリザだけを見てきた。

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 それにしても写真を撮っている人が多いな。モナリザの前にも順番待ち(この絵画を静かに鑑賞することはもう永遠に無理なのだろうと思うと悲しい)。オルセーほどではないけれど、1枚1枚撮って回っている人や、片っ端から自身との2ショットを収めて歩く人が正直邪魔と感じるほどに(ご想像通り、それでいて実際の作品はほとんど見ていない)。高そうなカメラで延々撮り続けている人を見ると、だったら画集を買った方が効率的なのでは?と思ってしまう。ガラスの反射もないしね。でも多くの人にとっては一生に一度のパリ旅行。こうやって思い出を残したいという気持ちは分からないでもない。

(自分の場合はメモ代わりに若干数撮っているだけ。なので今回はイスラム・コーナーのカタログはないだろうかと思って売店で探してみた。すると思った通り立派なカタログが売られていた。それも思ったより安い。買って帰ろうかと迷う…。かなり重いし、これ以上分厚い画集の類は自宅に起きたくないし、それほど頻繁に見るわけでもない、と自分に言い聞かせて購入を思いとどまった。)

 さてそんな風にイタリア美術を見ているうちに、ちょっと気が変わった。恐らくルーブルにはこれまで歩いていないエリアの方が多いはずなので、今回時間があるのならと思って一通り巡ってみることにした。以下の3点なども有名な作品ながらも、ルーブルの中でもかなり外れた一角に展示されているので、ここまで見にくる人は少ない。自分も初めて来たかも知れない。

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 さすがに疲れてきたので途中から早足になる。そろそろ3時間見て歩いたところで集中力がなくなり、14:20 に退館。勝手な見方をしているだけなのだけれど、やっぱりアートは楽しい!




 15:30、今日もスーパーでサンドイッチやサラダを買ってホテルで遅めのランチ。

 16:30、歩いてバルベスへ。頼まれたブツの買い付けついでに、もう一度マグレブものの CD をいろいろ試聴して追加購入。

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 街中の路上にはこんなポスターが。これだけパリに来ているのに、マグレブやアフリカなど移民向けのローカル色強いライブがなかなか観られない。

 Youssou N'Dour などとも関係の深いセネガル人?が経営しているレコードショップの品揃えが凄いと聞き、ジャンゴ波多野さんにご案内いただくことにした。しかし話を聞くとどうも昔何度か行った Bellot Records のようだ。そこで予定を変更し Republique 駅近くの Superfly Records へ。

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 全然期待していなかったのだが、意外にも掘り出しものがザクザク。LP も EP もシングルも安い盤が多かったので大量買い。7インチ盤はすでに所有しているアイテム含めてこんなところをセレクト。他には1ユーロ箱などの中から I.K.Dairo のシングル数枚など。

 ここの店主は時々アフリカにも買い付けに出向いているらしい。珍しいレコードが良心的価格で手に入れられるとは、さすがはフランスだなと思わせる品揃えだった(何と、El Sur Records にも頻繁に来て買い付けているそう)。


 レコハン後は、評判のバルへ。ステーキなどを食べながら楽しい会話。

 23:30、ホテルに戻って飲み直しながらパッキング。自分用の CD は解体してプラケースをゴミ箱へ。大充実のパリだったけれど、まだまだ物足りなくて日本に帰りたくない。パリの夜はこれが最後かと思いつつ、26時30分に就寝。

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(続く)





by desertjazz | 2015-04-16 23:01 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(14)

〈5日目〉4月15日(水)Part 3


■クロ姫の美しく不思議な世界 - Klo Pelgag Live


 今夜はクロ・ペルガグ Klo Pelgag のコンサート。ファーダ・フレディ 〜 デュパン 〜 クロ・ペルガグと、何とも贅沢なパリ3連夜だ。会場は一昨日の La Cigale からちょっとだけ東に進んだところにある ル・トリアノン Le Trianon。なのでここもホテルから歩いてすぐ(Barbes から Pigale/St. George にかけてのエリアには、楽器店、レコード店、音楽資料館などが集中おり、もう少し西に行けばムーランルージュなどがある)。

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 クロ・ペルガグはカナダ・ケベック在住の若手アーティスト(現在25歳?)。彼女のことを知ったのは、毎度のごとく、昨年カストール爺さんによる紹介記事を読んでのこと。PV で視聴/試聴して、CD を買って聴いて、たちまち虜になってしまった。

 何て美しいメロディーばかりなのだろう。変化に富んで弾むような旋律も、時おり見せるもの悲しさもたまらない。こうした曲を生み出す泉は彼女のどこからわき上がっているのだろう。アコースティック楽器を主体とする室内楽的な演奏も、清廉なコーラスも、彼女の可憐かつ力の籠った歌声を引き立てている。

 それでいながら、アルバム・タイトルは『怪物たちの錬金術(L'Alchimie des Monstres)』。ジャケットもそのモンスターと思しき生き物のイラスト画となっている。PV 数本を観てさらに驚くことに。曲の美しさにはまるでそぐわないような衣装やメイクアップや小物の数々。玉手箱をひっくり返したかのようなハチャメチャ振り。そっと優しく扱ってあげないと簡単に壊れてしまいそうな繊細な音楽を、自ら破壊しているかのような印象さえ受ける。

 カストール爺さんの指摘によると、彼女の書く歌詞はとてもシュールであるとのこと。これはとても重要なポイント。曲の美しさと辛辣で理解の難しい歌詞とのミスマッチ振りも、彼女への評価に繋がっているようだ。

 こうした独特な世界感は、彼女の内面の狂気を映しているのか、次々と思いつくアイディアをまとめて放り込んだものなのか、何か明確な狙いがあってのことなのか。Alice in Wonderland ならぬ Klo Pelgag in Wonderland、「クロ姫の不思議世界」に彷徨いこんだ気分になってくる。

 どうやら自分は、ジャック・ブレル Jacques Brel からイグナトゥス Ignatus に至るまで、一癖も二癖もあるような仏語ポップスが好きなようだ。

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 カストール爺さん、Ovni 誌の編集長氏と待ち合わせ。3人揃ったところで場内へ。

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 ここ Le Trianon の内部も歴史を感じさせる美しさだ。

 前座が始まったところで、すでに1階の席は埋まっており、2階に上がってステージの見やすい席を探す。

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 日本出発前に撮影申請を依頼してみたら許可が下りた。そこで前座が終わったところで撮影ポジションを探して歩いたのだけれど、撮れる位置はないと判断。今日も無理はしないことにする。その合間にもステージの上の様子を観察。トランポリン、車いす、電球、子供用プール、パイナップル !? 謎の物体が散らばっている。

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 さあ、ショーの始まり。クロちゃんはお洒落っ気ない格好?で登場。演奏が始まる中、座り込んで会場を見回す。(フロアは真っ暗で身動き取れず、脇から数カット。暗くてクロ・ペルガグの様子がよく分からない。)

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 クロちゃんはまずギターを演奏しながら聴き慣れた曲を披露。その後はギターとピアノの間を行ったり来たり。彼女はこんなに小柄だったのか。まるで小さな子供が大きなギターを抱えているかのよう。

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 目をクシャッと閉じ込んで歌う姿は昔ライブを観た Souad Massi の仕草とそっくり(なんてことも思い出す)。

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 クロ・ペルガグの他に、キーボード(実の兄でアレンジも担当)、ドラム、ベース、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという7人編成。クロちゃんは骸骨模様のツナギ、ベース奏者は真っ白なランニングシャツに水泳キャップ?にマント。キーボード(クロ・ペルガグの実の兄)はばかでかい時計を首からぶら下げている。ストリングスの女性3人も変なものをかぶっている?

(頭撮りだけして2階に移動。後はのんびりステージを眺めながら、時々客席の背後から撮影。
 その際、階段を登って行こうとしたら警備員から「ダメだ」と止められる。しかしそれに続けて「冗談だよ」と。今日は昼間の美術館のオバンといい、ここの警備員といい、冗談がキツい。と思っていると、その直後にやってきたカメラマンはパスを持っていなかったので本当に止められていた。そういえば、一昨日も La Cigale でコーラス隊のひとりがパスを持たずに楽屋に入ろうとして大騒ぎになった。警備員らはきっちり自分たちの仕事をしているのだな。)


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 よく見るとベース奏者は鼻に巨大な安全ピン?を刺している。クロちゃんがトランポリンに乗っているのは、少しでも大きく見せる工夫かと思ったりも。この姿勢でよくバランス取って演奏できるな。

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 演奏の完成度も見事で、グループのひとりひとりが芸達者なだけでなくスキルも高いことが伝わってくる。

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 時おり曲間で MC。これが猛烈に早口のケベック訛りのフランス語。結構受けていたが、フランス人でも聞き取れない人は多いそう。

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 手品を披露したり、パイナップルをピンに見立ててボーリングをしたり。こうした出し物には個人的には特段意味を感じなかった。

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 最後は "La Neige Tombe Sans Se Faire Mal" でしっとりしめてくれた。自分はやっぱりこうした物悲しい雰囲気の曲が好きだなぁ。


 あっと言う間の2時間のステージ、終わって一番印象に残ったのは、やはり圧倒的に曲が素晴らしいこと。ほとんど歌詞も訳詞も読んでいないので、彼女の曲には繊細なイメージばかりを持っていたが、意外と力強い歌いぶりであることに今さらながら気がつかされた。

 ステージ上に乱雑に置かれた様々なものの役割は、進行とともに徐々に明かされていった。それぞれについて自分が面白いと思うようなことは特になかったが、意味不明なブツが散らばるステージ全体を眼にした瞬間から「クロ姫の不思議世界」に一気に迷い込んだ気分にさせる役割は大きかったかとも思う。

 奇抜な衣装もふくめて、そうしたはみ出しぶり/弾け方を観ていて連想したのはフランク・ザッパだった。音楽そのものは極めて高いレベルに達している一方で、その周辺(衣装、写真、ビデオ、ライブパフォーマンス、等々)はことごとくエロで下品で下世話でダサイ。そんな感想を漏らしたところ、実際彼女もザッパから多大な影響を受けていることを教えられた。やっぱりね!

 クロ・ペルガグは今世界で一番美しい曲を書くひとりだと思う。これから10年20年の活動が本当に楽しみだ。もしかしたら彼女は大化けするかもしれない。そんな予感すらする。クロ・ペルガグは天才だと実感したステージだった。


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 ステージ終盤からアンコールにかけての映像が YouTube にアップされていた。兄がパイナップルをちぎって妹に放り続けるシーンなど懐かしい。

 ・ Klô Pelgag au Trianon, 15 avril 2015
 ・ Klô Pelgag - Les Maladies de cœur & Tremblements (Trianon, 2015)
 ・ Klo Pelgag - La Neige Tombe sans se faire mal (Trianon, 2015)




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 終演後のパーティーにもご招待いただいた。シャンパンで乾杯! このエリアだけでも70人くらい? 数々の賞を獲得するなど活動が好調なだけあって、関係者らによるプロモーションにも力が入っているようだ。長かったフランス・ツアーがこれでひと区切りとなったことも大きいのだろう。

 この混みようではクロ・ペルガグに会えるのは一体いつになることやら、と思っていると関係者に「すぐ連れてくる」と言われ、本当に彼女が現れた。目の前のクロちゃんは想像とは違って(?)まるで少女のような可愛らしさ。もう抱きしめたくなるくらいに。気難しいところもあるのかと思ったのだけれど、そんなところは全くなくて、楽しく話をさせていただいた。調子に乗ってサインをお願いしたり、一緒に写真を撮ったりまで。

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 左隣に立っているのは彼女のもう一人の兄(いや弟だったかな?)。和光大学に留学していたそうで、日本語がペラペラ。クロ・ペルガグの PV に着物を着たダンサーや寿司職人が登場したり、彼女が広島カープのユニフォームを着てエレピを弾き語りしたりしているのには、もしかすると兄(弟)からの影響もあるのかも知れない。

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 人に預けたカメラの中にこんなショットがあった。眼にも独特な意志の強さのようなものが潜んでいる。




 クロ・ペルガグは今年の夏、某フェス(スキヤキじゃないよ)で日本に呼びたいという話もあったようだが、それは実現しなかった。残念。彼女のライブもいつか日本でも観たいものです!






 クロ・ペルガグについてはもっと書いてみたいけれど、まずは以下が必読です。

 ・クロ・ペルガグの奇天烈な世界・1
 ・クロ・ペルガグの奇天烈な世界・2
 ・クロ・ペルガグの奇天烈な世界・3







 24時、ビールを買ってからホテルに戻る。26:30 就寝。今日も充実した1日だった。


 (1ヶ月遅れの 5/15 に完成/公開:続く)






by desertjazz | 2015-04-15 23:03 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(13)

〈5日目〉4月15日(水)Part 2


■プリムス! 願えば叶う


 オランジュリーを抜け出して、さてランチだ。そう思いながら1区の高級店エリアを歩いてみた。美味しそうなエスニック・レストランがある。でも高いな。ひとりで入る雰囲気でもないな。

 結局パスしてマデレーヌ Madeleine へ。ここの Fauchon でお買い物。会社への土産も買ってしまった。

 マデレーヌから地下鉄に乗って一旦ホテルへ。15:30。フロントで空港行きのシャトルも予約してしまう(今回は Metro + PER で CDG まで戻ることも考えたのだけれど、買い集めた CD がすでに100枚くらいになっていて、この暑さの中、重いスーツケースを引きずって汗をかくのもいやだと思って予定変更。一人での予約なので 27ヨーロと少々高め)。


 ロビーでエスプレッソを入れて小休止。結局昼飯をパスしてしまったけれど、さすがにライブ前には何か食べておいた方がいいだろう。そう思って近所のスーパーへ。でも途中で気が変わった。

 ホテルの左隣に小さなアフリカン・レストラン(と言うよりか「食堂」)が接していて、ちょっと気になっていた。17:10、試しに入ってみる。するとそこはコンゴ人の経営だった。

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 店頭にプリムスの古い空き瓶が飾ってある。そこで訊ねてみた。

 「プリムスあります?」
 「あるよ。飲む?」

 もちろん飲みます!

 「オレ、昔、キンシャサ行った。マトンゲでプリムス飲んだ。そして踊った」
 「オー、オレもマトンゲから来たんだよ」(仏語分からないので半分推定)

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 昔こんなことを書いたことがあった。

「毎年夏になるとプリムスが飲みたくなる。

 "LA BRALIMA EST LA BRASSERIE DE L'AN 2000"(「ブラリマは西暦2000年のビール会社」)という曲を聞いたことがあるだろうか?アフリカ音楽の巨人フランコの代表曲というと、 "MARIO"や"ON ENTRE OK, ON SORT KO"ということになるのだろうが、個人的には "LA BRALIMA EST LA BRASSERIE DE L'AN 2000"が彼の最高傑作の一つと考えている。フランコの晩年1988年の作品で、ザイール(現在のコンゴ)のビール会社ブラリマのCMソングであった。このブラリマの製品であり、ザイールで最も知られたビールがプリムス(PRIMUS:「最高」という意味)である。

 数年前、エボラ出血熱の取材でザイールに飛び、多数の死者を出したキクウィト(KIKWIT)とキンシャサに数週間滞在した。そして、毎日取材が一区切りつく度に、このビールともう一つの代表銘柄のスコル・ビールで喉を潤していた。BGMはもちろんフランコ。プリムスを飲みながら聞いた"LA BRALIMA"のギターの鋭い音と突き刺すようなブラスの音はPRIMUSなものだったし、"LA BRALIMA"を聞きながら飲んだプリムスのこくのある味もPRIMUSなものだった。

 ア~~、もう一度プリムスが飲みたい!!」

 ・http://www.asahi-net.or.jp/~xx3n-di/30-scrap/30001.html


 これは、願い続ければいつか叶うということだろうか。

 店のひとたちと盛り上がってしまい、店を出る時に「今夜バルセロナとのフットボールの試合をみんなでTVで観るから来いよ」と誘われることに。(メニューに Saka Saka と SKOL もあったので、もう一度食べに行こうかな?)


 パリでのひとりメシ、手軽なのでベトナム・レストランに入ることが多い。今回は、レバノン料理、セネガル料理、中国料理、中国料理、アフリカ料理とフランス旅行らしくないのは一緒。いや、この方がフランスっぽいかな?






by desertjazz | 2015-04-15 23:02 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(12)

〈5日目〉4月15日(水)Part 1


■光の中のパリ(オルセー&オランジュリー)


 午前7時起床。明け方に床についたのにも関わらず、今朝も自然と早い時間に目が覚めてしまう。まだ日本の時間感覚が身内に強く残っているのだろうか。

 今回パリにやって来た大きな目的は3つ。デュパンのライブを観ること、クロ・ペルガグのライブを観ること、そして久し振りにオルセー美術館を訪ねることだった(結果的に、後からピカソ美術館とファーダ・フレディのライブが加わった)。オルセーはパリの中でも特に好きな美術館。そこが最近リニューアルされて、それ以降もう一度訪れるチャンスをずっと窺っていた。美術館は月曜休館/火曜休館のところが多くて、日程をパズルするのにずいぶん悩んだのだけれど、オルセーに行くのは水曜日の今日がベストと判断。なのにすっかり睡眠不足になるとは。反省してももう遅い。

 ビールと竹鶴のアルコール分の抜けない身体を引きずって(この数年間、毎晩「竹鶴」を飲んでいて、今度もきっと飲みたくなるだろうと思い1本スーツケースに入れてきた)1階の食堂でしっかり朝食。

 10時にホテルを出発。今度こそ完全に出遅れた。オルセーの入口前には予想していた以上の人の列。結局中に入るまで20分待ちだった。それでも文庫本を持っていったので待つ時間も大して苦にはならず。近年のルーブルの様子を見ていても端的に分かる通り、パリの美術館は年を追うごとに混雑振りが激しくなっているように感じる(昔はパリで美術館に入るのに並んで待った記憶はないのだが。中国人などの外国客の増加とそれを商売として利用する受け入れ側、といった話題は別の機会に)。そういった理由からも、入場日時指定のチケットの事前購入が呼びかけられているのだろう。

 窓口ではオランジュリー美術館との共通チケットを求めたところ、しばらく待たされる。両方に行くならこの方が安いのだけど(16ユーロ)、そういった人は少ないのだろうか。

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 下の階から見て行くのが本来のルートらしいのだが、最上階(5階)まで階段を一気に登っていく。壁を暗色に塗り替え、天井から自然光を入れ替えたという印象派のエリア。最も混み合うだろうここを人で溢れる前に見たかったから。

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 確かに採光が自然で明るい。それにしても人が多いな。

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 まずはこれだよなぁ。上から射す光と絵画の中の光とが響き合っている。

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 これも名画。でも、改めて見ても不思議な作品だと思う。子供たちに何を説明しているのだろう?

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 表情がとってもいい。しばらく見つめ続け、また何度も戻ってきて見つめる。

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 外に出て小休止。セーヌ川の向こうにモンマルトルの丘を眺める。今日も天気がいい。

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 昨年5月に「開脚事件」で騒がせたギュスターブ・クールベの一角も今日はこの静けさ。

 特別展「ピエール・ボナール」も一巡りして鑑賞。作品の質も作品数の点でもとても充実した内容だった。ここも激混み。そう言えば、お目当てにしていた作品のいくつかが館内のどこにも見当たらなかったな。ポンピドゥーかロンドンのどこかと混同してしまっているのだろうか。

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 お昼過ぎに外に出ると入館を待つ列は大分短くなっていた。開門に間に合わない時には少し時間をずらした方がいいのかも知れない。午前中は団体客も多そうだし(それでも中は混雑しているか…)。それにしても暑い!

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 セーヌ川を挟んだ川向いのオランジュリー美術館までのんびり散歩。木立が美しい。

 お昼時とあって周辺の公園エリアには、ランチや読書を楽しむ人たち。こんな和やかさなひと時に、日本を離れて来ている心地良さを感じる。

 13:20、そんな気分で初訪問となるオランジュリーの中に入ると、手荷物預けのオバチャンが思いっきり無愛想。うーん、ガマン、ガマン。

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 オランジュリーのモネの蓮の連作は画集で何度見ても全く魅力を感じなかった。色彩がくすんでいて重いような印象を受けてしまって。けれども実物を見て180度印象が変わった。光を受けた本物の色はとても艶やか。そして、この巨大な作品群が視界に入ってきた瞬間、分析的に見よう、何かを語ろうという考えが自然とすっかり奪われた。確かにこれは心をからっぽにして座って眺め続けていたくなる絵画だ。展示されている空間の形と純白の壁色の影響も加わってか、ぼんやり見ていると心が落ち着いてくることが不思議だ。(横長な作品なものだから、ゆっくり歩きながら動画撮影している子供たちが多いのは邪魔だったけれど。今はそれが流行なのかな?)

 帰りしな、またあのオバンに会うのは嫌だな。そう思いながら出口に進むと、同じオバンが今度はにこやかに話しかけてきて、日本語についての質問もいろいろしてくる。騙されているのか、客を弄んでるだけなのか、それでも何だか気分は良くなってくる。悪い人じゃないんだな。折角の旅なので、こんな気分のままでパリを過ごそう。



(続く)






by desertjazz | 2015-04-15 23:01 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(11)

〈4日目〉4月14日(火)Part 2


■Dupain "Sòrga" Live


 今夜はカストール爺さん、ジャンゴ波多野さんのお二人と供にデュパン Dupain のライブへ。会場は Ménilmontant 駅から北方向に坂を登った先の Studio de L'Ermitage

 彼らは新作 "Sòrga" をリリースした直後だというのに、それに合わせたツアーの発表などはなし。コンサート・スケジュールをチェックしてみても、新作お披露目ライブはここを含めて2カ所でしか行わないようだ。"Les Vivants" (2005) を聴いて以降、デュパンは自分が一番好きなバンドのひとつ。なのに長らく活動休止していたこともあって、もう12年もデュパンのライブは観ていない(サム・カルペイニアのトリオは台湾で観たが)。ここは是が非でもデュパンを観ておきたい。そう思って無理してパリまで飛んできたのだった。

 19:40、会場に到着。入口前でリーダーのサムやヴィエル・ア・ル(ハーディーガーディ)奏者のピエールと再会。やがてマニュ・テロンも現れた。「どうしてここにいるの?」と訊ねたら「パリには頻繁に来ているよ」との答え。この数日後にシンガポール公演があるので、それでパリに立ち寄ったのかも知れない。

 場内に入って早速ビールで乾杯しながら語らい。周囲は年配の方が多くて、マルセイユ人たちの同窓会的な雰囲気(それにしても若い人が全く見当たらない)。そうこうするうち "Sòrga" のレコーディング・メンバーと同じ5人がステージに上がって演奏が始まった。さあ 12年間待ち続けた瞬間だ。

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 ライブの音に集中したいので、今日も撮影の方は軽く頭撮り程度にする。カメラマンが数名入っていたので、自分はブログ用にスナップが撮れれば十分だろう(カメラマンのひとりは、この箱のステージを毎回撮影し続けている方らしいことを後で知った。彼の FB には美しい写真が多数アップされている。← 後でリンクしよう)。

 新作 "Sorga" のお披露目ライブとあって、演奏はそのアルバムの曲順に進められる。ステージ面(ツラ)からだとマンドーラもヴォカールもよく聴こえない。なので、PA の届くセンター後方に移動。前半はやや硬いというか、リズムが揺れがち。それを除くとアルバムのサウンドが見事に再現されている。大好きなサムの渋い喉もノッてくる。これを生で聴きたかったのだ!

 そして何と言っても圧巻だったのが終盤の3曲 "Copar Totjorn Copar"、"Tot Veire, Tot Oblidar"、"Non O Falià Pas Mai"。5者の放つ音が超密に絡み合った爆発的なサウンド。アルバムを聴いた時にも感じたが、プログレ・ロック的というか、フリー・ジャズ的というか、極めて濃厚なインプロヴィゼーションだった。

 "Les Vivants" の頃まではビートを立てたサウンドが特徴だった。サムとピエールという主軸2人のやっていることは変わらないが、新たに加わった3人(ドラム、ベース、フルート)によって今は以前とは違うバンドに生まれ変わったのだと感じる。

 ステージ上で淡々とそして熱くマンドーラを弾き歌うサムは、思索する人、孤高の哲学者といった雰囲気をますます醸し出していた。相変らず魅力的なミュージシャンだ。

 アンコールに応えて演奏したのは、アルバムの最後に収録されていた静謐な "Glenwar"。そしてファースト・アルバムのタイトル曲 "L'Usina" でステージは締めとなった。

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 大満足のうちに終了。あっという間でもっと聴きたい気分を残しながら、再び乾杯し語らう。Buda Musique の重鎮たちなど、パリの多くのキーパーソンたちにも紹介されてご挨拶。

 和やかな雰囲気の中、間近でデュパンのステージを観られたのは楽しかった。でもまたすぐに観たいな。贅沢を言えば、次回はフェスの会場など違ったシチュエーションで。

 明日は急遽決まったサムのソロ・ライブも予定されている。しかし残念ながら観には行けない。
(マルセイユでは Toko Blaze のライブもあるのだけれど、勿論そちらにも行けるはずがない。)




 散会後、深夜まで営業している中華レストランに移動し、軽く夕食&打ち上げ。終電近くのメトロに乗って 25時にホテルに帰着(2番線一本だったので楽だった)。入浴しながら写真のバックアップを取ったり、Facebook に少しだけアップしたり、日記を書いたりしているうちに 28時半(午前4時半)。気がついた体調は回復しすっかり元気になっていた。明日(今日)も朝から行動予定。そろそろ休もう。



(続く)






by desertjazz | 2015-04-14 23:02 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(10)

〈4日目〉4月14日(火)Part 1


■快晴初夏の日の『印象・日の出』


 昨夜は深夜3時に寝たのに、6時には目が覚めてしまう。もっと寝ていたいのに。8:20 にベッドから抜け出して朝食。

 増々好天。パリにやってきた翌日から目が醒めるような快晴が続いている。この暑さはまるで初夏。気温25度だって?

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 11時までホテルでダラダラしてから、マルモッタン・モネ美術館へ。モネは昔から印象派の中で最も好きな画家だった。ならば『印象・日の出』は本物を見ておくべきだろう。実際、本物の色彩はこれまでに見たどの写真とも異なっていた。美術鑑賞は実物を見るに限る。

 でも今はモネばかり大量に見ていると飽きる。ピカソやターナーやポロックはどれだけ見続けているても、そのようなことは起こらないのに。

 この足でさほど遠くないケ・ブランリー(アフリカやパプアのコレクションが圧巻!)にもついでに行ってしまおうかと思ったが、体力的に無理そうなので今日はパス。今回はパリ市内の美術館8カ所に行く計画なのだけれど、残りの日数で残り5つの美術館を回るのは無理だろう。

 シャンゼリゼ通りの fnac へ。途中かつて Virgin Megastore があった建物の前を通る(とうとうフランス国内から Virgin はなくなってしまった)。fnac では頼まれていた Faada Freddy の CD もまとめ買い。

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 スーパーでサラダとビールを買ってホテルに戻る。まだ14時だけれど、全く疲れが取れない(身体中がジンジンして動けない。ほとんど無理のきかない状態)なので、夜に備えて、ベッドに横になってビールを飲んだり、昼寝したりして過ごす。

 そう、今夜は今回のパリ滞在の一番の目的、Dupain のライブが待っているのだった。



(続く)






by desertjazz | 2015-04-14 23:01 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(9)

〈3日目〉4月13日(月)Part 4


■Faada Freddy "Gospel Journey" Live - 2


 Freddy Faada "Gospel Journey" パリ公演の顛末の続き。

 18時にやっとホテルに帰って自室で小休止(宿泊先は会場まで歩いて5分ほどの近さ)。19:40 に La Cigale に戻ると、しばらくして 20時頃に前座のステージが始まった。ここで疲れたくないし場内は蒸し暑いので、バックステージをブラブラしながら休むことにする。こちらの方がずっと涼しい。

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 20:30 会場に戻って観る場所を確保しようとしたら、すでにスシ詰め状態。これでは写真を撮るどころか、どこからもステージが見えない。

 それにしても、ここは内装が奇麗なコンサート会場だなぁ。

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 1階フロアを諦めて2階の座席エリアへ。しかしここにも次々人が押し寄せて、立見状態。それでもリザーブ席最前列の脇にギリギリでステージを見られる空間を見つけて滑り込む。しかしステージが遠すぎて、ここからではまとまな写真が撮れない。まあ、ショーをとことん楽しむことにしよう。

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 その合間にも観客たちはどんどんヒートアップ。会場がこれほど熱狂したコンサートは久し振りだ。ファーダがフランスで大スターの仲間入りをしていることを早くも実感。

 20:50 にスタートしたステージは、何度も観た "Le Ring - Live" をさらにスケールアップしたようなもの。ホント、楽しくて楽しくて!

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 一番のお目当ての "We Sing In Time" も早々に披露。この曲はハイライトに持ってくるだろうと思っていたので、これは意外。"Slow Down" ではアルバムと同様、20人ほどのバックコーラスを従えてのパフォーマンス。まさにゴスペル的で、体幹がビリビリ、ヴァイブするほどの迫力だった。

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 このコーラス隊はアンコールで再登場し、"We Sing In Time" を一緒に熱唱。だから早い段階で一度この曲を6人で歌ったのか。しまいにはファーダがフロアに降りてきたものだから場内はさらに大盛り上がり。

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 最後は "Le Ring - Live" のビデオと同様に "Move Your Body" 〜 "Stop!" を連呼し、Bob Marley の "No Woman No Cry" を歌ってフィナーレ。たっぷり約1時間50分のショー。場内はどこもスタンディング・オベーションとなった。

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 見下ろしたらどこにもスペースがない。2階に逃げてきて正解だった。

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 終演後、エントランスホールやバックステージではシャンパンでの乾杯が始まった。ゲートの外には、見るからにセネガルのセレブと思しき女性たちなどが集まっている。自分もファーダに挨拶だけしようと待っていると、ほどなくして彼が現れた。

 「ありがとう! とっても素晴らしいショーだったよ。また日本にも来てね」と声をかけると、ファーダは周囲の関係者に「彼とは4回会っているんだ。えーと、ロンドンでしょ、それからシンガポールでしょ、それから、、、」「いいから、いいから。外でみんな待っているよ」と言って彼を押し出すことに。

 日本からファンがやってきたことは嬉しかったはずだし、何より今夜のコンサートが大成功に終わりとても興奮していたのだとも思う。それ以前に、彼は 2003年に初めて会ったときからこんな調子だった。いつでもファンを陽気に迎える姿勢が今の成功に繋がっているのだろう。

(それと同時に、好きなものに対する執念のようなものを持ち続けたら、何らかの形で願いは叶うのだろうかとも感じた1日だった。)


 会場には 10月の公演の告知ポスターも貼られている。また観に来たいな!

 そして、このショーを日本でも観られないだろうか。ファーダ本人も「また日本に行きたい」と話していたことだし…。

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 24時、ホテルに戻って、入浴後にビールとポテチの夕食。「奇跡」との遭遇と素晴らしいコンサートに興奮が収まらず、27時頃まで寝付けなかった。

 パリ3日目。メイン・イベントは3つともまだだというのに、この充実振りには感謝! 怖いくらいに旅が順調なので、明日以降が心配になるくらいだ。





 ところでファーダ・フレディーには Desert Jazz 名義の名刺を渡したのだが、後から「予備にもう1枚くれる?」と言ってきた。そして「後で必ずメールするからね!」と何度も繰り返していた。しかし、そのメールはまだ来ない。まあ、当然だろうな。彼も思いっきり忙しいだろうし、、、。



(続く)






by desertjazz | 2015-04-13 23:04 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(8)

〈3日目〉4月13日(月)Part 3


■Faada Freddy "Gospel Journey" Live - 1


 「ハイ、ファーダ」
 「 ? 」
 「アングレームとロンドンとトウキョーとシンガポールで会ったよね」
 「それで、今夜のステージも見に来てくれたのかい?」
 「そうなんだ。でもチケット完売で買えなかったんだ」
 「OK、ついておいでよ」
 
 気がつくと2人で抱き合いながら一緒に盛り上がっていた。


 実は前日にも会場の場所を確認しに来ていて、その時に通用口が正面入口にあることに気がついていた。なので、まるで「出待ち」ならぬ「入り待ち」していたみたいなのだが、これは全くの偶然。振り返ってみると 2000年にキューバに行った時に、ハバナでカストロに偶然出会い、目の前 1m で彼を見上げていたくらいだし(彼はかなりの長身)、似たような体験を幾度もしているので、やっぱり自分は何か持っている??


 「いいから、早く来いよ!」

 もうこれで全て OK に違いない。奇跡に感謝! そんな思いを頭に浮かべながら、会場 La Cigale の中へ。

 ステージ上では "Gospel Journey" のメンバー5人のサウンド・チェックが始まっていた。ここはじっくり彼らの音の構造をじっくり観察。例えば、胸打ちの音。Le Ring のライブ映像では AKG の C414 を立て集音していたが、今回は服の内側にマイクを仕込んみ(PZM のようなバウンダリー? ピックアップ? 何を使っているかまでは確認できなかったが)、深いリバーブをかけてキックっぽい音に加工していた。ファーダの膝打ちやハンドクラップなども専用のマイクを立てていた。なるほど、"Gospel Journey" のマジカルなサウンドはこうして組み上げられているのか。

 やがて主役のファーダ・フレディーが登場。ステージ上からこちらに向かって手を振ってくれる。彼に限らず、海外で会うアーティストたちは毎度こんな調子。日本から来たファンを暖かく迎えてくれるのだ。Orchestra Baobab のパリ公演のサウンドチェック中、私がいることに気がついたサックス奏者の Issa がステージから降りてきて抱きしめてくれたことも思い出す。ミュージシャンに対して彼らの音楽を愛していることを伝えようとすれば、その気持ちはしっかり届くのだと思う。

 それにしても、"We Sing In Time" や "Slow Down" を独り占めで聴けるとは、何と言う幸せ! 贅沢すぎる! ビデオもしっかり撮らせてもらいました。

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 サウンド・チェックが終わり、ファーダのプロデューサー氏にご挨拶。とても控え目な方で小声なものだから名前も聞き取れなかった。と思ったら、AAA パス(All Area Acsess Free Pass)が用意されている。ファーダも「これがあればどこでも入るからね。アフター・パーティーにも来てね」としきりに声をかけてくる。写真撮影も全く問題なしとのこと。Daara J のメンバーとして来日した時の渋谷での思い出も楽しそうに語ってくれた。彼とのそんなやり取りもビデオ撮影されてしまった。


 買い付けた CD は重いし、一眼レフも持ってきていないので、一度ホテルに戻ることにする。それにしても予想を越える展開になってきた。

(しかし、日本から持ち越した疲れが残っているようで、身体のしびれが堪え難くなるばかり。変な汗もかき始めた。やはり風邪気味で、ちょっと嫌な予兆を感じる。)



(続く)






by desertjazz | 2015-04-13 23:03 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(7)

〈3日目〉4月13日(月)Part 2


■その時、奇跡は起こった


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 今回パリで観たいと思っていたライブのひとつがセネガルの Faada Freddy のアルバム "Gospel Journey" リリース記念公演。今度の旅を決めた時点では特段期待などしていなかった。けれどもその新作の曲や最近のライブ映像を繰り返し見ているうちに、これはどうしても観たいと思い詰めるほどに。

 ちょっと失礼な言い方になってしまうけれど、Faada Freddy クラスのアーティストなら当日券で入れるだろう。そう思っていたことろが、とっくの昔にチケット完売。(確か)キャパ1400人?の La Cigale が完売。ウソだろ!何が起きているんだ?(調べてみると今月完売になったのは彼と Souad Massi だけだった。)

 これは困ったことになったと思って、取材申請したりあれこれ手を尽くしたもののダメ。こうなると後は Faada に直接電話するしかないか。いやそれも無意味に違いない。夕方会場で余りチケットを売ってくれる人を探すしかないだろう。

 今日はバルベス〜シャトールージュ界隈の店を20軒ほど回って CD をどっさり購入。数えていないけれど50枚くらいか? 重い荷物を背負ってホテルまでの帰り道、途中で La Cigale の前を通ってみる。本当に諦めが悪い。

 入口を確認すると Complet(完売)の表示。当日券が出る気配も微塵もない。当然だろ。あー、万策尽きた。諦めるしかないな。

 ・・・と思って振り返ると。

 目の前に Faada Freddy が立っていた。

 なんなんだこの展開は!
 三流映画でもあるまいし!

 いや、このパターン、一体これで何度目だ!!

(過去に路上などでばったり遭遇したのは、Manu Theron、Idan Raichel、Bruce Springsteen、Orchestra Baobab、などなど。数え切れない。)

 偶然にもアーティスト用のバスが到着して、彼が降りて来た瞬間に遭遇したのだった。

 「ハイ、ファーダ」
 「 ? 」
 「アングレームとロンドンとトウキョーとシンガポールで会ったよね」
 「それで、今夜のステージも見に来てくれたのかい?」
 「そうなんだ。でもチケット完売で買えなかったんだ」
 「OK、ついておいでよ」
 
 その後の展開はご想像の通り、いや多分それ以上でしょう。いやはや、何から何まで凄いことになりました。



(続く)






by desertjazz | 2015-04-13 23:02 | 旅 - Abroad

パリ滞在記 2015(6)

〈3日目〉4月13日(月)Part 1


■快晴の光を浴びながら18区散策


 8時起床。4時半頃から何度も目が覚めてしまう。

 10:40 までホテルでゆっくりしてから行動開始。

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 「月曜日の今日はほとんど美術館が閉まっているから、バルベス〜シャトールージュ界隈でじっくり CD 探しをする予定でいた。午後から開ける店もあったような気がしたのと、絶好の天気でもあるので、まずはモンマルトルの丘に登って観光気分を楽しむことに。

 およそ20年振りに来てみたら、好天に誘われたのか大変な人出だった。そんな中でも眺めはいいね。こんなヴューポイント、東京にはないのでは? でも、昨日訪れたポンピドゥの最上階(5階)からは、ノートルダム寺院もオペラ座もルーブルもエッフェル塔もモンパルナスタワーも新都市も、もちろんサクレクール寺院もまとめて一望にできて、より楽しめたなぁ。

 そんなことを思い出しながら、アフリカ人街へと坂を下っていった。」

(以上、Facebook から)

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 時間に余裕があるので Marcadet Poissonnes 駅を起点に南に下りながら、通りを1本1本丹念にチェック。すると、これまで見逃していたような店も次々に見つかる。数時間で20店ほど探索できただろうか(反対にいつもはパリでもNYCでも掘り出し物に出くわすバーバーショップでは収穫ゼロ)。

 まず最初に訪れたのは、ギニアとマリものが一番充実している Camara Production。しかし、DVD ばかりで食指が動くものはなし。

 セネガルやコンゴをチェックした後(Youssou N'Dour や Coumba Gawlo の近作をゲット)、最後に Franco の CD が一番安いバルベスの店で依頼されたブツをまとめて買い付け。

 店々を巡って面白いと思うのは、店の人たちのお国柄が感じられること。マグレブ/アラブ出身の人たちはフレンドリーで熱心で一所懸命いろいろ売ろうとする。セネガルやギニアの人は最初無愛想でも段々と親切にしてくれる。そしてコンゴ人は全く愛想なし(帰り際に 'Merci' と挨拶してもソッポを向いて「あー」とも言わない)。ただしこれは少ないサンプルから平均した独断。もちろんハッピーなコンゴ人にもたくさん会っている。まあ、フランス語も話せない東洋人が伝わらない言葉であれこれ質問してこれば、誰だって戸惑うよな。「面倒くさい奴だ」と思われたとしても、追い出されなかっただけども幸いか?


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 14:00。腹がすいてきたので、「チェブゼンが美味しい」とパリ在住の知人から教えてもらったセネガル食堂 Taif(3 rue Labat)を思い出し、行ってみることにする。


「モンマルトルの丘から下ってから Marcadet Poissonnees - Château Rouge - Barbes エリアの通りを丹念に巡って CD / DVD / K7 探索。20店くらい訪ね歩いただろうか。セネガル、マリ、ギニア、コンゴ、カメルーン、アルジェリア、エジプトなど。

 CD 探しばかりしていても飽きてくる。途中からは食材店に入って名前も分からない野菜に見入ったり、スパイスを探したり。

 午後2時、CD を置いている店を見尽くしたところで腹がすいてきた。rue Labat の Taif という店のチェブジェンが激ウマだと教わっていたことを思い出し行ってみた。

 完全にローカル向けの店構えで、これは知っている人でなければ見逃してしまうだろう。中に入って「さて、どうやって注文しよう?」と戸惑っていると、イスにすわるなりドンとプレートが置かれた。昼のメニューは1品だけなのだろう。このシンプルさがいい!

 そして、確かに美味い! 店の人が赤いブツを指差して何か一言。辛いから気をつけろって言っているに違いない。OK、分かっているよ。ところが、中の汁をちょっと絞ってかけただけなのに、即死しそうな辛さ!

 疲れた胃に刺激が強過ぎたのか、油のからんだライスをほおばりすぎたからなのか、夜までずっと胃もたれしてしまったのだけれど…。

 ミネラルウォーター(1.5ユーロ?)と合わせて 10ユーロでした。この店にはまた食べに来たいです。」

(以上、Facebook からの引用)

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 そうそう、散策途中でコンゴ・ビール、プリムス Primusu を発見! ホテルの部屋に冷蔵庫があったなら買って買えるのだけれどなぁ〜。

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 さて、満腹になったことだし、荷物も重くなったので、一度ホテルに戻ることにしよう。今夜 Faada Freddy のライブを観ることはほとんど絶望的なので、郊外の箱で北欧ジャズを聴きに行こうかな。いや、明日以降は昼も夜も予定を入れているので、今夜くらいは休養した方がいいだろう。

 そう自分に言い聞かせながら、ホテルへの戻り道の途中、足は Faada Freddy が今夜ステージに立つ La Cigale に向かっているのだった。



(続く)






by desertjazz | 2015-04-13 23:01 | 旅 - Abroad
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