2013年 07月 31日
Zimbabwe 1995 / 2013
気がつけば、アフリカに10回(だったよな?)渡り、主要国には一通り足を運べました。そんな過去を思い出しつつ、個人旅行を振り返って真っ先に頭に蘇るのは、1995年にジンバブウェ、ボツワナ、ザンビア、南アを巡ったときのこと。中でもジンバブウェのヴィクトリアフォールズに1週間滞在し、その合間に一旦抜け出して訪れた近郊のワンゲ Hwange 国立公園は忘れがたい。ヴィクトリアの滝は毎日見ていても全然飽きなかったけれど、それとともにワンゲの自然は本当に素晴らしかった。動物好きの方には、ジンバブウェの政情さえ安定しているなら、ここのロッジに数泊しての野生動物ウォンチング、お薦めです。
北欧の雄大な景色も見事だったけれど、アフリカの大自然も感動的。ワンゲはボツワナのオカバンゴに匹敵する素晴らしさだった!
(ノルウェーもそうだったけれど、アフリカ南部諸国はキャンプ場が整っていて、安く滞在できることも魅力。95年はヴィクトリアフォールズ、ブラワヨ、それにボツワナのチョベのキャンプエリアにテントを張って寝ました。料金はそれぞれ数ドルで、共同シャワーも使えたように記憶しています。ワンゲやボツワナのロッジも、充実したサファリと食事、飲み放題のアルコールといった内容から考えたら結構安いと思います。)
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そのジンバブウェ、現在、大統領選挙と議員選挙の真っ最中。先日「200歳まで大統領職に留まる」と宣ったムベキ、さて今回は?
・ Zimbabwe election 2013: Voting around the country
そして、今夏初来日するジンバブウェのオリヴァー・ムトゥクジの最新作 "Sarawoga" が国内盤でも来日記念盤としてようやく発売になるようです。これもいいアルバムです!
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残念ながら 1995年の旅ではジンバブウェ遺跡まで行く時間がなかった(トーマス・マプフーモのライブにニアミスして、オリヴァー・ムトゥクジのレコードを探して、親指ピアノを買い集めたくらいで、ジンバブウェは時間切れ。ボツワナのチョベ Chobe までバスで行って象の大群を見て、南アのジョハネスバーグではソウェト探訪したりもしたのでした)。ジンバブウェにもまた行ってみたいけれど、恐らく無理だろうなぁ。
(何か写真もと思ったけれど、出発前夜で準備中につき選べなかった。悪しからず…。)
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2013年 07月 31日
Summer of Balestrand in Sognefjord, Norway

やっぱり絶景だなぁ〜。眺めているだけで涼しくなります。
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2013年 07月 31日
Remembering a Trip to Scandinavia

東京、そして日本は暑いですね。今年の夏もエアコンを全く使っていないのでなおさら(あの人工的な風がすっかり苦手になってしまった)。たっぷり汗を流しながら、生ビールやよく冷やした白ワインなんかを飲んでいると、バリかバンコクあたりに舞い戻った気分になる。
でも北欧の涼しさが恋しいな。初めて訪れた北欧、予想外に良かった。今回目を通したガイドブックなどをまためくりながら、早くも懐かしんでいるところです。BGM も北欧ものばかり。Bugge Wesseltoft などのジャズや、北欧諸国に移住したアフリカンの作品をあれこれひっぱり出しながら。
先の北欧旅行については、関連資料を整理してファイル化まで終了。次は Facebook や Twitter にメモしておいた断片的文章や旅行記を再構成して整理し直せないかと考えているところ。しかし明日1日からしばらく南の島へ(ホテルにはネットがなさそうなので、1週間くらいネットから離脱する予定)。それから戻ったら、今度は富山のスキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドへ。続いてスキヤキ・トーキョーにも参加予定。北欧の素晴らしさをうまく伝える方法については、もうひと思案かな。

ということで明日から8月。今年はレコードを買う量がさらに減っていて、7月に買った CD は実質これ1枚のみ。話題沸騰中の Kanye West の新作なのだけれど、前作と比較するとかなり物足りないなぁ。
今のところ秋か冬にまたヨーロッパに行く計画なので、今年後半もレコードはあまり買えそうにない(聴く時間もなさそうだし)。その分、手元の北欧ジャズ盤などを聴き直そうかとも思っているところ。
ジャズを聴きに、冬の北欧も訪れてみたいものです。
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2013年 07月 29日
読書メモ:『FELA KUTI 自伝 - This Bitch of a Life』雑記

フェラ・クティのライフストーリーはやっぱり面白い。この本も一気に読み終えてしまった。
以下、取り急ぎの雑感。
・フェラ・クティ本人の証言を中心に、15人の妻たち(ダンサーや DJ など)といった関係者へのインタビューも交えた構成となっている。フェラの語り口がとにかくいい。
・1982年に第一版が出たこの本、最近もフェラへの評価が世界的にますます高まり続けていること、あるいは若手層へのその人気の広まりを考えると、今改めて出版する意味は大きい。
・そういった意味からは、同時代的に聴いていない人たちにとってこそ役立つ一冊だろう。フェラの音楽は、彼の凄まじい生涯を知ることで、面白味がぐっと増す。特に70年代のフェラの闘いは必読。それらがあってこそ傑作曲の数々が生まれたのだから。
・フェラのスピリットは今現在の反原発運動などにも少なからず受け継がれているとも思う。フェラを聴いて、(自分のできる範囲で)世の中を良くしたいという気持ちが沸き起こらない方がおかしい。
・誰にも真似のできない「凄さ」と、どうしようもなく視野の狭い「ダメさ」を抱えもつ。フェラはそんな矛盾だらけでありながらも、唯一無比な20世紀を代表するミュージシャン。その実像がひしひしと伝わってくる。そのあたりは「イントロダクション」が全てを語っている。
・本題は1981年頃で終わっているが、その後については「エピローグ 理由ある反抗」で補われている。ここを読むと、80年代初頭を分岐点にフェラの音楽生活と生き様とが急速に駈け下っていく様子が思い返される。
・ここ以降の神秘主義めいた怪しさは、Majemite Jaboro の "The Ikoyi Prison Narratives: The Spiritualism and Political Philosophy of Fela Kuti" に繋がるわけか。
・フェラの人生を知るには圧倒的に分量が少ない。Michael E. Veal "Fela: The Life and Times of an African Musical Icon" もなどもう一度読みたくなる。
・気になったのは "Fela: Why Blackman Carry Shit"(邦題『フェラ・クティ 戦うアフロ・ビートの伝説』)の著者 Mabinuori Kayode Idowu の "Fela: Phenomenon and Legacy" (2006) が参照されていたこと。これも読みたいが、残念ながら未出版とのこと。
・フェラの晩年はいよいよボロボロだったようだ。反対に晩年の演奏(正式な録音は残されていない楽曲群)を高く評価する意見もある。このあたりどう整合性が取れるのか? あるいは永遠の謎なのか?
・27人の女性と同時結婚し毎日セックスしていたのだから、さぞや子沢山だった、かと思うのだが、そうした話を聞かないことが不思議だった。センセーショナルだった同時結婚以降の子供はひとりだけだったらしい。
・オリジナルにあった写真のほとんどを割愛したことはしかたないと思う。無理に載せても不明瞭な写真ばかりになることだろう。邦訳を読みながら英語版(第一版)の写真も眺めていったのだけれど、フェラの奥方がまあ揃って美人だこと。何とも羨ましい(…というのが一番の感想かも?)
・ダカールでフェミに会ったこと、レゴスのニューシュラインでフェラの親族たちに会ったことも蘇る。けれども、やっぱりフェラに会ってみたかった、フェラのライブを直に観てみたかった。
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2013年 07月 28日
Tuku Mourns Chiwoniso Maraire
・ "Zimbabwean Musicians Are Dying Off, Says Tuku"
Oliver Mtukudzi says 'We pray for God’s protection and preservation, Zimbabwean musicians are dying.'
今年のスキヤキとスキヤキ・トーキョーは、どうやらムトゥクジを聴くごとにチウォニソを追憶することになりそうだ。
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2013年 07月 28日
Movie : "Half Of A Yellow Sun"

フェラ・クティの祖国ナイジェリアと言えば、今はチママンダ・ンゴズィ・アディーチェ Chimamanda Ngozi Adichie? 1960年代後半のビアフラ戦争の状況を描いた彼女の代表作 "Half Of A Yellow Sun" の映画がいよいよ完成間近らしく、その予告編が公開された。
・ Watch: Promo Reel For TIFF Flick 'Half Of A Yellow Sun'
これを観て、ますます期待大! 当然日本でも上映するんでしょうね。あー、待ち遠しい。
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アディーチェの最新作 "Ameicanah"、買ったけれど読む目処が全く立たない。早く邦訳出してもらえないだろうか。
今週からの南島行き小旅行では、南アを舞台にしたフィクション、デオン・メイヤーの『追跡者たち』などを読むつもりです。
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2013年 07月 28日
読書メモ:『FELA KUTI 自伝 - This Bitch of a Life』

北欧旅行中の7月12日に書籍版が発売になった、カルロス・ムーア "Fela Fela - This Bitch of a Life" の日本語訳『FELA KUTI 自伝』を読み始めた(電子版も後日発売予定とのこと)。30年以上も前に出た本をどうして今頃翻訳するのか?と思ったら、数年前に第二版(増補版?)が出ていたようだ。
昔から持っている第一版(英語版)と比較すると、前文が変更されていたり(ムーアによるこの「イントロダクション 究極の反逆児」が冷静な視点で書かれていていい)、たくさんの写真やディコグラフィーが割愛されたり(一部イラストに変更)している。なので時折その英語版と比べながら読み進めている。
フェラの語る話は興味深いし、訳文も読みやすい(頑張れば一晩で読み終えてしまいそうなほど)。フェラ・クティの経歴をおさらいするには手頃な一冊かもしれない。
詳しい感想は読み終えた後にでも。フェラの作品をじっくり聴き直したくなってきた。
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2013年 07月 27日
Listening to Chiwoniso

チウォニソの CD を取り出して聴いている。やっぱり "Ancient Voices" ばかり繰り返してしまうなぁ。(彼女のオリジナル・アルバムは3枚だけだっただろうか?)
ノルウェーの CARE Project によるオムニバス・アルバム "Woman Care" も久し振りに聴いた。チウォニソなど女性アーティスト8名の様々な組み合わせによる 14トラックはどれもが粒ぞろいで、ついついこれも繰り返し楽しんでしまう。それらのうちチウォニソが参加しているのは3曲のようだ。
8名全員の連名になっている 10トラック目 "Song for a Modern Woman" が特にお気に入り。このポップさが大好きです。
・ YouTube | "Song for a Modern Woman"
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2013年 07月 26日
Hard to Say Goodbye, Chiwoniso

大好きなチウォニーソ(チウォニソ・マライレ)が突然世を去ってしまった。
ジンバブウェのニュースサイトが彼女の訃報を伝えていることに気がついたのは昨日25日の朝のこと。最近、パパ・ウェンバやネルソン・マンデーラに関する誤報が続いていたので、今回もそうであって欲しいと願った。しかし、ハラレ発のニュースを追うように、Cumbancha や BBC もツイッターで速報。今回ばかりは間違いないのかも知れないと観念したのだった。
報じられるところによると、24日に肺の病によりジンバブウェ国内の病院で死去。まだ37歳だったという。あまりに若すぎる。
私がチウォニーソと出会ったのは1999年、彼女のデビューアルバム "Ancinet Voices" (Lusafrica, 1998) を聴いてのこと。ジンバブウェ南部の各地で目にする特徴的な巨石、その上に佇む少女の様な可憐な姿(撮影は同国南東部のジンバブウェ遺跡近郊で行われたようだ)に真っ先に眼が釘付けになった。
そしてチウォニーソの紡ぎ出す音楽。自身爪弾くンビーラ(ショナ人の親指ピアノ)をベースに据えながらも、アコギやエレキ、ホーンズのソリッドな音を重ねてモダンなアレンジが施された、都会的センスを感じさせるサウンド。清涼感溢れる魅力的な彼女の歌声。どこまでも軽やかなサウンドに一気に魅入られた。経歴を読むと、父の仕事の事情からアメリカで生まれ育ったという。そのあたりは外交官を父に持つマリのロキア・トラオレと通じ合うものを感じた。チウォニーソとロキアが新世代のアフロポップを担っていく、当時はそんな予感を抱いたのだった。
その後発表した作品はどういうわけか少なかったが、どれもが充実したものだった。"Timeless" (Metro, 2004) も "Rebel Woman" (Cumbancha, 2008) も高く評価されたし、女性の地位向上を目的に(だっただろうか?)ノルウェーで制作された企画盤 "Woman Care" (2005) も愛聴した。
そして 2010年、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドのスペシャルユニット Sukiafrica で遂にチウォニーソの生演奏に接し、彼女に会うこともできた。来日時にサカキマンゴーさんの新作録音に参加した 'ネマムササ・ロック Nhemamusasa Rokku'("oi!limba" 収録曲)は10分超の壮大なリンバ・ロックで、これも晴らしかった。
けれども、私にとってのチウォニーソはファーストアルバム "Ancient Voices" が一番。この爽やかな音を聴いて、新たなアフリカンポップが生まれたのだという感慨が忘れがたい。
中でも冒頭の 'Mai' が大好き。この曲は亡き母へのトリビュートであることに今さらながらに気がついた。そして歌詞を読んで愕然、、、
♪ I still find myself searching for your face
♪ Though I know you're gone
♪ And it's so hard to say goodbye
まるで彼女のことを悼むみたいで、今の私たちの心を代弁しているかのようだ。なんて悲しい歌だったのだろう。
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記憶では、父ドゥミサニ・マライレ(ジンバブウェを代表するンビーラ・マエストロだった)も活動盛んなうちに早逝し、主人であり音楽面でのパートナーでもあったアンディ・ブラウンも昨年若くして亡くなった。残されたふたりの子供のことが気がかりです。
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2013年 07月 25日