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(「最近ブログの更新ないですね」と言われたので、今日の Facebook を丸ごとアップ。Twitter と Facebook には毎日鮮な情報をアップしていますが、相変わらずブログにじっくり書く余裕の毎日です。)


「わたしに近づいてきて、何があなたの心を乱しているのかと訊く司祭たちもいた。わたしは告解し、祈りを捧げた。だが不眠は隠そうとしても顔に表れてしまった。実際そのころはほとんど眠れなくて、ときに三時間、ときには二時間という具合だった。」(ロベルト・ボラーニョ『チリ夜想曲』P.68/69)

 自分もまさに今そのような状態。色々なことが重なり、それが影響しているようで、午前3時頃には目が覚めてしまって、あとはもう眠れない。

 こんなでは何を読んでも頭に十分に入って来ないし、書こうとすることもまとまらない。最近話題の J.M. クッツェー『モラルの話』もコルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』もさほど面白くなく、どこが評価されているのか理解できなかった。(『地下鉄道』が大きな話題になるところに、終わることのない黒人問題がある。)

 読書メモもさっぱり書けなくなってしまった。最近読んだ中で断然面白かったのは、奥泉光『雪の階(きざはし)』だが、これも感想もまだだ。約600ページあり、改行も少なく、読めない感じ、初めて知る表現の連続なのに、何故かスラスラ読めてしまう不思議さ。気がつけば3日半で読み終えた。さりげないエピソードと思ったものが、いずれも後々語られることに伏線になっているなど、緻密な構成に嘆息。主人公の美女、惟佐子には会ってみたくなった。架空の存在なのに。いや、登場する男どもと同様、抱きたくなってしまったくらいだ。最後第5章の謎解きには正直かなり白けた。時代設定は 226事件の前後、それなのに現在への警鐘とも受け止められた。絶賛されていることに納得。

(絶賛されていると言えば、映画『カメラを止めるな!』 全くしょうもない中味なのだが、構成・演技・編集なども含めて考えるところが多くて、未だに頭の中で反芻している。なぜなのだろう?)

 今週は、田子内進『インドネシアのポピュラー音楽 ダンドゥットの歴史 模倣から創造へ』(今年完読50冊目)、阿部年晴『アフリカ神話との対話』(51冊目)を読了。

 前者はダンドットそのものを詳述するのではなく、19世紀末以降のインドネシアやマレーシアの政治/社会状況を背景に「ムラユ(マレー)」音楽がどう変化し、ダンドットの誕生に至ったのか語るところに刺激を受けた。読み物というより論文調。東京大学大学院に提出した博士論文を基にしているとのことで、どうりでしっかりした論調なわけだ。図書館で借りてきたが、これは手元に置いて参照したい。検索すると著者の論文は PDF でネットに読めるようになっているので、しばらくはこれで十分だろう。知らなかったアーティストの音源をネットで探して聴き、ノスタルジックな気分にもなれた。

 後者はアフリカ諸地域に継承されてきた神話の概略説明が中心。肝心の対話が言葉足らずに感じられて、やや疲れた。実際の対話は読み手に預けられたと解釈する余地もあったが。ドゴン文献が買って持っているママだったことを思い出す。

 そして今朝も3時頃に目が覚めてしまい、観念して、ロベルト・ボラーニョ『チリ夜想曲』を一気読み。今年完読52冊目。(今日は岩波ホールで、テンギズ・アブラゼ監督作品「祈り」三部作「祈り」「希望の樹」「懺悔」を観るつもりだったが、超寝不足につき断念。)

 ロベルト・ボラーニョはしばらく前に『2666』で日本でも知られるようになったチリの詩人/小説家。自分もそのブームに乗せられて、『2666』、『通話』、『野生の探検たち』、その後に出た「ボラーニョ・コレクション」全8巻で、『売女の人殺し』、『鼻持ちならないガウチョ』、(続く『(改訳)通話』はどうも改訳とまでは言えないらしいのでパス)、『アメリカ大陸のナチ文学』、『はるかな星』まで読み終えたところで中断。下書き/実験作のような語り尽くさない/解き明かさない独特な文体に物足りなさを覚えたので、もういいかと思ってしまった。しかし友人に「『チリ夜想曲』が一番」だと強く勧められて(この話、興味深いので、もっと具体的に書いていいのかな?)、ボラーニョ再開。この作品は最後まで改行が全くないので、本の厚さから見込める以上に時間がかかった。しかし改行なしの意味と効果にはすぐに気がつかされる。ひとつには、夢の中で連続する想念かのようだということ。ボラーニョは一作ごとにスタイルが異なる。そこも大きな魅力なのだと思う。

 ボラーニョの邦訳未読は残り2作。ならば読み終えてしまおうと思い、近所の図書館から『第三帝国』を借りてきて読み始めた。この作品、書き出しはとてもいいぞ!

 年初はニューヨーク行きという重大ミッションがあったこともあり進まなかった読書。4月/5月には23冊読了まで持ち直したものの、コーカサス旅行があって再びペースダウン。今年も年間100冊はとても無理。しかし、インプット以上に問題なのは、アウトプットの方だ。幸い本業の方ではそこそこアウトプットし続けらているが、それだけでは物足りないと思ってしまう。自分の力量を超えた贅沢なのかも知れないけれど。

(一気の殴り書きにして失礼。)





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by desertjazz | 2018-08-30 20:11 | 本 - Readings

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