2014年 03月 19日
読書メモ:高野秀行『西南シルクロードは密林に消える』
今回の旅行中に読んだ中の1冊(以下、FB から転載)。
北極圏からコペンハーゲンに戻る機内で、高野秀行『西南シルクロードは密林に消える』の残りを一気に読了。傑作!
高野の最新作『謎の独立国家ソマリランド』がとてつもない本だったのと、『《空白の五マイル》~チベット世界最大のツアンボー峡谷に挑む~』の著者である角幡唯介が「私の人生を決めた一冊」と絶賛していたことから、11年前のこの本も読んでみようと思った。
旅の途中で旅行記の類いを読むのはある種タブーとされ、実際自分もそうしてきているが、今回は全く問題なし。互いに旅の質が違いすぎるので。
それにしても、中国四川省からビルマを経由してインドのコルカタへと「西南シルクロード」を辿る旅のスケールが圧倒的。そもそも全ての国境越えが不法入国なのだから。
話は終盤どんどんドラマチックになっていき、後日談に至って爆発する。映画的というか、長編小説1冊くらい簡単に書けてしまいそうなほどのストーリー。いや、その辺のサスペンス/ハードボイルド小説を凌駕している。
ルポルタージュとしては『謎の独立国家ソマリランド』の方が上だが、紀行もの的な読み物としては『西南シルクロードは密林に消える』が勝っているかも知れない。
これまでたくさん読んだ旅行記の中で特に好きなのは、ウォーレス『マレー諸島』、ポール・セロー『ダーク・スター・サファリ』などあるが、10冊選ぶとすれば高野の2冊も入るかも(書中で度々言及されている吉田敏浩『森の回廊』も名著だと思う)。
実際に旅行することは楽しいが、旅行記を読んで得られる楽しみも大きい。
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2014年 03月 18日
Traveling Tools
北欧旅行2回目の資料の整理を終了。
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私の海外旅行で最も大切な道具はA4ファイルとコクヨのスケッチブック。
・まずベースが丈夫なA4ファイルに、旅程表やプリントアウトした航空券やホテルの予約票やインタビュー用の資料などを入れて出発。旅の途中では、現地で入手した資料やクレジット支払いの控えなどをどんどん放り込んでいく。そして帰国後、本当に必要なものだけを(旅先で手に入れた地図や名刺なども)軽めのA4ファイルに移し替えて作業終了。
後日(何年も経ってから)文章を書いたり、同じ土地を再訪問する際に、古い資料を参照する必要の生じることがとても多い。なので、旅を終えた後の資料の整理は重要。そう思って、過去全ての海外旅行の資料も統一したフォーマットに移行中。
・コクヨのスケッチブック(コクヨS&T 測量野帳スケッチ白上質)はとっても優れもの。表紙と裏表紙が肉厚なので手にもってメモできるし、方眼線が引かれているので、文章を書くのにもイラストを描くのにも便利。旅の最中はこのメモ帳に、関係者の連絡先や、出納や、日記など、ほとんどあらゆることを書き込んでいく。言葉が通じない国では、これを使って筆談までしてしまう。
このスケッチブックは海外に行き始めたほとんど最初から使っているので、もう80冊くらいは持っているはず(長期の取材になると2〜3冊使うので)。
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表紙の「58」は58回目の海外渡航を意味する(この写真では分かりにくいかな?)。もうそんなに行ったのかと思うとちょっと感慨深い。
経済的には豊かではない家庭に生まれ育ったからか、学生時代には海外旅行など夢のまた夢。いや夢に思うどころか、外国に行きたいと思ったことすらなかった。友人たちが長期の休みに海外に出かけて行っても、何が面白いんだろうと思っている次元だった。結局大学院を出るまでは一度も国外は体験せず、ワールドミュージックを聴き始めてからも、せいぜい一度でいいからバリでガムランを聴いてみたいと思ったくらい。
それが気がつけば、どんな巡り合わせか、こんなこと(?)に…。人生とは予測がつかないものだと思う。
生きている間にあと何回旅をできるだろうか? そんなことも思いつつ、スケッチブックをまた10冊注文した( → Amazon.co.jp )。
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(追記)
さきほど届いた。10冊で ¥1450(アマゾン、安い!)さて、次は何処へ?
(2014.03.21)
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2014年 03月 17日
Babel Med Music 2014 / Arash Khalatbari
本日、北欧(スウェーデン、デンマーク、フィンランド)から帰国。テレビも電話もない環境の中でのんびりしてきた。
(本当はネットも通じなければ最高だったのだけれど、時おり緊急の連絡も入るので、完全にシャットアウトするまではできない。少しは滞在記をブログにも書こうかと思ったけれど、旅先では楽しむこと、ゆっくりすることが最優先。Twitter からも完全に脱していた。Facebookに時々写真をアップした程度。後日時間が取れたらブログにも滞在記を書いておきたいです。でも、ブログが一番後回しになってしまうんだなぁ。)
北欧滞在中は音楽のことはほとんど忘れていた。北極圏での風の音が身体と心に響いてきて心地良かった。結局今回もレコードやCDは1枚も買わず。
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帰宅して郵便受けを開くとマルセイユからの小包が。中味は今年の Babel Med Music の資料で、オフィシャルブックレット(88ページもある!)とサンプラー 2CD。Babel は今年で10周年になる音楽見本市/音楽フェス(3/30-3/22 に開催)。その主催者が今年も関連資料一式を送ってきてくれたのだった。
そのサンプラー "Babel Med Music 2014" の30曲を聴き終えた。やっぱり目玉はコンゴの Jupiter & Okwess International。早くライブが観たい! アゼルバイジャンの Fergana Qasimov も変わらず素晴らしいに違いない。
マルセイユの男声5人ポリフォニー Lo Cor de la Plana とイタリアの女声4人の Assurd が合体した Ve Zou Via にも興味津々。Ruben Paz & Cheverefusion のアフロキューバン/サルサなんて生で聴いたら気持ちいいだろうな。ペルーの Dengue Dengue Dengue はバンド名だけでも気になる! やっぱり北欧からまっすぐマルセイユに飛びたかった(そんなに休めるはずないんだけれど…)。
一番好みだったのはイラン(テヘラン生まれ)の Arash Khalatbari。1984年にパリに居を移し、今はインド洋のレユニオンで活動中とのこと。トラディショナルな要素も交えたエレクトロニカな音はここ数年間個人的に好んで聴いている。彼を聴いて思い出すのは同じレユニオンの Zong(何度もプッシュしたけれど、日本では全く話題にしてもらえなかった)。かの島には、こうした面白いエレクトロニカな音を滋養する素地があるのだろうか?
彼のアルバムを探すと2枚出てきた。まずは最新作 "Isis Island (Arash Khalatbari Remix)" を iTunes で購入して聴いているところです(CD で手に入るのはファーストのみのよう。セカンドもレユニオンでは流通していると思うけれど)。
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2014年 03月 08日
North Europe Tour : Season 2 - (2)
8ヶ月ぶりのマルメの朝。快晴。空の碧がとても深い。ここしばらく振りの陽気だそうで、人が一斉に外に繰り出し、犬たちも鳥たちもとても元気。色鮮やかな花々も咲き始めた。
(他の写真は FB にアップしました。)
街の中心部にある Victoriateatern をチェック。3/26 にジュピテル Jupiter が公演予定。彼らは今一番観たいグループのひとつ。月末までマルメに居ようかな?
(訊くと残席2。ここでも彼らは人気を得ているみたいだ。Victoria のフロアには4人がけの丸テーブルが並び BN か VV みたいなところかと思ったら、何とピクニック気分で食べ物持ち込み可だと説明された。面白い。)
昨年行けなかった BLUE DESERT MUSIC へも行ってみたが、ここはロック中心の店だった。SP 盤コーナーをチェック。収穫は全くなかったけれども、ただレコードを漁っている時が楽しい。
(現地盤の買い付けを頼まれたが、果たして何か見つかるだろうか?)
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2014年 03月 07日
North Europe Tour : Season 2 - (1)
昨年夏に続いて2度目の北欧。フィンランドのヘルシンキとデンマークのコペンハーゲンを経由してスウェーデンのマルメに到着。
After transits in Helsinki, Finland and Copenhagen, Denmark, now I'm in Sweden.
(Photo: Sea near Helsinki. It's frozen… )
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