2010年 01月 25日
Eating, Drinking & Reading
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今年最初の週末旅行は、3泊4日で北海道へ。相変わらず毎月のように短期旅行のようなことを繰り返している。今年もこんな過ごし方になるのだろうか。
今回の一番の楽しみは、毛ガニ!!
外食はほぼ全くせず、誘われても飲みに行かない生活を始めて半年以上になる。不味いものや身体に悪そうなものは食べたくないし、少しでも節約したいと考えたこともあって始まった生活の変化。時折遠方から来客があった時に豪遊するのを除くと、必然、毎日3食とも自炊ということになっている(相変わらず昼食は弁当持参)。しかしこうした毎日だと生活圏で手に入る食材には限りがあるために、どうしても似たような味になってしまう。たまにはガツン!とした刺激が欲しい。最近は特に毛ガニに禁断症状。
そういう訳で、神戸空港から北海道に飛び、千歳空港に降り立ってすぐに土産店のフロアへ直行。大振りの毛ガニ2杯を少し値切って購入。卵がたっぷり詰まったハタハタ(4尾で ¥1050)と鵡川産のシシャモ(メス10尾で ¥2980)も購入。前回はいつものS店で買った毛ガニがあまり良くなかったので、今回は試しにG店で買ってみた。そして、実家の近所のスーパーではホッキやカスベを購入。毎晩たっぷり北の味を堪能。肝心の毛ガニはまだまだベストのものではなかったけれども、それでも満足。やっと腹が落ち着いた気分だ。
帰りの土産はもちろん大好物のロッキーサーモン。世の中にはこれほど美味いものがあるなんて、もしかしたらここ数年間で一番の驚きかも?(ちょっと大袈裟。)
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『ロビンソン・クルーソー〈上〉』(ダニエル・デフォー、岩波文庫)読了。ジャズのスタンダードに例えるならば、ミシェル・トゥルニエの『フライデーあるいは太平洋の冥界』と池澤夏樹の『夏の朝の成層圏』がカバー・ヴァージョンで、やっとそのオリジナル・ヴァージョンを味わったことになる。音楽と同様に、三者三様の味。トゥルニエは意外なほどにオリジナルを踏襲しながら(名前やら難破船の価値やら途中から加わるフライデーまで)独自性を出し、またカトリック/プロテスタントからの影響も大(そのあたりは日本人にとっては臭く感じられるはず)。無人島に置き去りにされた際に真っ先に気になるのは、いかに火を獲得するかだと思うのだが、デフォーもトゥルニエもそれには答えない一方で、池澤はそれに対する答えが絶妙であることが彼のヴァージョンを格段に面白くさせている。終わり方も池澤が好き(現実的ではないのだけれど)。全体的な読後の印象が最もいいのは、トゥルニエかな。
下巻は評判があまり良くないようなので、パスするつもり。実際上巻を読んだだけで、その後の物足りないであろうことが予見された。それよりも、高橋大輔の『ロビンソン・クルーソーを探して』を読んでみようか。
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人付き合いをほとんど断ち、隠遁生活に近づいている現在は、どこかしらロビンソン・クルーソーになりつつあるのかも知れない(?)。いや、そろそろ人と会う算段を様々せねばならないのだろう。ただ、ひどく遅読なのにも関わらず、平均すると1日か2日で1冊ペースで読書し、毎日3食作っていると、ほとんどそれだけで毎日が過ぎていく。弁当のおかずも7〜8品入れるようにしているので、それなりに時間がかかる(実際は相当に早いけれど、、、)。
ながらで音楽を聴くということをほとんどしないので、相変わらずCDを聴く時間も取れない。それでも今夜は Bugge Wesseltoft の "Playing" を繰り返しプレイング。最近は Maravoi の新作を聴いていたので、これが今年聴いた3枚目になるのかな?
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数年振りにバランタイン Ballantine's の17年を買ってきて(自分の小遣いで買える範囲では、やっぱりこれが一番好きな酒)、バカラのグラスでその上品な味を楽しむ。至福なり。
この酒を買う際、時々贅沢な気にもなるのだけれど、よく考えたらCD2枚分ほどの値段。その程度の出費でこれだけ満ち足りた心地になれるのは幸せなことだと、今さら気がつく。
2010年 01月 22日
Readings
深夜 1:40。なんとか下巻 530 ページを4日(5晩)で読み終える。明日から北海道。中途半端に読み残した厚い本を携えるのも邪魔だし、少しだけ読み残して置いていくのも嫌だった。なので、今日は1日で残りの 220ページを読破。さすがに疲れた。
通読してまず、『古事記』の時代からの土着世界観、此岸的で今を重視する態度的が、現代にまで続いていることを感慨深く思う。そして何故か嬉しい。
この上下2巻を面白く思うのは、自分が日本の文学をほとんど読み切れていないこと、さらには日本の歴史をまともに知らないこと(日本史よりもアフリカ史の方が詳しいほど)の証拠なのだろう。
だからこそ、これから読む本に対するひとつの指標を与えてもくれたのではないだろうか。いずれにせよ、読もうと思っていながら過ぎてしまった本や、再読したい本がたくさん。
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この間、頭休めに読んでいたのは、『おひとり京都の愉しみ』(柏井壽、光文社新書)や F. Scott Fitzgerald の "The Great Gatsby"(英語版で再読)など。今年は京都を歩こう!
2010年 01月 19日
iPhone
いや、本の目的は iPhone。やっぱり iPhone は面白そうなので、そろそろケータイを買ってもいいかなと思ったのだった。しかし、ネット上の Softbank の説明ではよく分からないことがあったので、料金などについて販売員にいくつか質問。その結果、経費に関して分かったこと(以下、3GS 16G について)。
・電話もネットも全く使わなくても、月々 3600円ほどかかる。
・わずかに10ページほど見ただけでもパケットの上限に達するので、電話を使わなくても月々 6000円ほどかかる(つまりは2年後には上限の料金が元に戻るので月々7000円ほどかかる)。
・つまりは2年間で20万円くらいの出費が考えられる。
思っていたより遥かに高くて、自分にとっては贅沢だ。これでは買えないと考え、あえなく断念。だけど iPhone は欲しいなぁ。
自分がケータイを持たないのは、「持つことによって失うものが大きい」と考えているから。加えて、ある意味「持たない」実験を行っている気になっているという面がある。ケータイがないと不便に思うことも多いが、逆にないことによって気がつかされることは多々ある。もうしばらくこの実験を楽しんでみることにしよう。
(昨年の転居時は、不動産会社を始めどこからもケータイの番号を尋ねられた。そのようなものはないので、一時的に先方から自分に電話連絡ができないという一種の「似非ホームレス」状態になってしまったのは不便だった。いや、今時ホームレスでもケータイくらいは持っている人も多いので、このたとえはおかしいか。)
振り返ってみると、昨年ほとんど音楽を聴かなかったことで、あれこれ考えたり、自然と気がついたりしたことも多かった。「聴かない」実験を予期せず試みていたのかも知れない。
2010年 01月 17日
Readings
このところの読書が小説や新書など読みやすいものが中心になっていたので、もっと本格的な書物にじっくり取り組もうと考えた(始まった余生には、これまでの読み残しや名著をなるべく読もうとしていることの一環でもある)。そこで今年最初に選んだのがこの本。今月8日から読み始めて、550ページを読み通すのにちょうど10日かかった。これは、精読とまではいかないものの、ある程度丹念に読み込んでいったからだ。
加藤周一という評論家は、とても深い思索を分かりやすく解説し、決して難しい言い回しもしない人だと昔から思っていた。しかし、この本にはさすがに苦戦。漢文やかなまじり漢文の引用が数多く、しかも大概は何ら詳述されることもなく先に進んでいくので、我が頭の方はその都度急停止。何度読み返しても分からないところは、無理矢理想像力を働かせて進むことにもなった(特に第4章、第5章あたりには悶絶。自分は「古文・漢文」が猛烈に苦手だった)。
それでも10日というのは漠然と予想していたよりもかなり早かった。それというのも、圧倒的に面白かったから。「こんな凄い本があったのか!」と絶えず思い続けることに。読み始める前には数多の作品を並べた「文学史」だと思っていたのだが、この考えは全く甘かった。単なる文学史には留まらず、日本で著された歴代の名著や有名書などを読み解きながら、日本の歴史、特に日本人の思想の歴史について見事に分析したものになっている。なので、自分では読んだことのない本ばかりについて語られるのに、自分の思考までもがひたすら刺激されることになった。学生時代に読んでおきたかったと、つくづく後悔も。
この本は多くを語られてきた名著(著者による私論なので、勿論反論を投げかけられそうな部分はいくらでもある)であろうから、短い雑感だけに止める。さてこれから下巻だ。
# 余談(近況メモ) #
2010年 01月 15日
Manu Theron
・ Manu Theron が参加する Chin na na poun のアルバムが今春リリース予定。4/29 - 5/6 には Cité de la Musique (Marseille) に出演。
・ Lo Cor de la Plana のコンサート・スケジュールから。フランス国内の大きなフェス3つへの出演が決定。
3/25-3/27 Babel Med Music (Marseille, France)
5/21-5/24 Festival Metisse (Angouleme, France)
11/26 Festival Africalor (Pantin, France)
新作のレコーディングは今年末になる見込み。
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Manu の歌声は聴きたいのだが、今年もフランスへ行くことができるのだろうか?
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時間が確保できず、年が改まってもまだCDを1枚も聴けず。今年も本当に好きな音楽を聴く時間しかないのかも知れない。