2007年 02月 21日
OK JAZZ & AFRISA
昨年マルセイユの街を散策しているとき、「まさかアフロ・ミュージックの専門店はないだろう」と思っていたら、やはり探せばあるもので、そこで強烈に凄いブツを見つけてしまった。『Les Vieux Orchestres OK JAZZ & AFRISA LIVE』というタイトルのDVDで、コンゴの2大巨匠のスタジオライブが収録されている。
最初に観たのは後半のフランコ & OK JAZZ(全5トラック)の方。そして、ぶっ飛んでしまった。白黒映像!!! フランコがやせている!!! リードヴォーカルがサム・マングワナなので、1972〜75年の期間のOK JAZZの演奏ということになる。こんな古い時代の動く映像が残されていたなんて、私にとってはかなり衝撃的だ。
そして、、、前半のタブー・レイ率いるアフリザ(全10トラック)の方を観て、さらにさらにぶっ飛んでしまった(ちょっと違う意味で)。
まずは3曲目、痛快なファンクナンバーなのだが、いかんせん照明が暗過ぎて、何をやっているのか全然わからない。しかもこの状態が何分間も続く。たしかに演奏はカッコいいのだが。
ようやくフラッシュライトが激しく点滅を始めたと思ったら、白く怪しい影が踊り出す。やっと明転したら、そこに立っているのは、、、中年太りしたタイツスーツ姿?のセニュール・タブー・レイ。かつてのダンディーな面影など一切ない。うーん、一度はJBになってみたかったんだろう。
と、解釈してあげた矢先、今度はサム・マングワナとお揃いの宇宙服!?でデュオ。もう爆笑するしかない。
いやいや、それでも演奏そのものは全編完璧。フランコもタブー・レイも、芳醇なルンバからファンクまで、ヒット曲の連続。豪快なホーンアンサンブル、豪放なサックスソロ、艶やかなギター、ダイナミックなリズム、ボーカルも男女のコーラスも心地いいし、バンド全員の気合いの入った振りの揃ったパフーマンスも見応えたっぷりだ。
旅の最中で買ったDVDなんて、普通帰国するまで観もしない。昨秋のマルセイユでは、加えて、インタビューの準備したり、サウンドチェックを観に行ったり、メールで打ち合わせしたりと、日中もやるべきことはたっぷりあったのだが、それら全て放り投げて、ホテルの部屋で一気に通し観してしまった。一度観始めたら、もう目が釘付け。
それほどまでに凄い作品だったので、昨年のアフリカの個人ベスト(リイシュー)の中にこっそり入れてしまった(だけれど、誰からも問い合わせ、なかったね)。もちろん、マルセイユでストック全部買ってしまおうと、その店にもう一度行ったけれど、「今週末入る」との返事。「OK!」と言葉を残して帰ってきたけれど、その頃はもう日本なんだよな。残念。帰国後、ネットで調べても見つからない。リンガラ専門店のバオバブですら扱いがない。そんな幻の1本なのだが、アフリカン・ポップ・ファンには一度是非観てもらいたい作品だ。
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2006年 10月 23日
10月22日(日) パリ3日目
Akli D.(アクリ・デリス)はアルジェリア出身のシンガーで、9歳のときに国を離れ、フランスやアメリカで活動。今年約7年ぶりにリリースした2作目『MA YELA』が、Manu Chao の参加もあって大ヒット中。12弦ギターとバンジョーを持ち替え、新作の曲を並べた今夜のステージも、そのマヌとの共演曲で締めたのだが、やはりこれが一番良かった。ただ、焦点のボケ気味な演奏と、5人編成のバックバンドのリズム感の悪さ/コーラスの弱さが物足りなかった。
今夜のトリはO.N.B.。昔からずっとライブを観たいと願い続けていたのだが、その夢がついに実現。新作のリリースが完全に止まってしまいっていて、もう過去のグループとも思われがちなのだが、曲の良さと、オーディエンスの楽しませ方は、抜群に素晴らしい。これだけ楽しいコンサートは、あまり記憶にないほどだ。正直書いて、グナワ・ディフュージョンの10倍は楽しかった。
コンサート中面白かったのは、少女3人が耳栓を配っていたこと。年配客も多かったとはいえ、演奏者の前でそこまでやるか!
23時にようやくパリに戻り、明日の準備。それにしても、同じ月に、O.N.B.とグナワ・ディフュージョンの両方のステージを観られるとは、何て幸せなんだろう !!
(パリ時刻 23:50)
2006年 10月 22日
10月21日(土) パリ2日目
写真はその一部。RACHID TAHAはDVD付きの限定版を購入。MOUSSU T. のセカンドも無事ゲット。フリーペーパーのMONDOMIXも彼らの特集記事を載せていた。
夜は、ラマダン・コンサートに行くスケジュールだったのだが、お目当てのアーティストが出演をキャンセルし、他のイベントの方も出演者がちょっと物足りなかったので、予定変更。夕方からワインを開けて寛いでしまった。
それにしても、人ごみに飲まれ続けて、疲れた1日だった。ユーロ高にも参った。
(パリ時間 10/20 22:30)
2006年 10月 21日
10月20日(金) パリ初日
旅の途中ではブログのアップはしないつもりだったのだけれど、今のところパリのどこでも無線ネットが繋がり、なかなか快適。メールも普通に読めています。
いよいよ明日からが旅の本番。今日もいろいろと嬉しい連絡が矢継ぎ早に舞い込んでいるのだけれど、さてどうなるのかなぁ、といった不安も、、、。
パリ初日の夜は、ベトナム料理でほろ酔い気分。また気が向いたら、何か書き込みます。
(パリ時間 10/20 21:40)
2006年 06月 15日
BALI 2006
今日からバリへ2人旅。インドネシア行きは今回が11回目、そしてバリ滞在はこれが記念すべき10回目。
JAL便でバリ入り。ジャカルタまではビジネス客でまずまずの乗客数だったが、その後バリまではガラガラだった。入国税は短期(10日以内)が10ドルで値下げとなっていたが、それ以上〜1ヶ月間の方は25ドルのまま。
道行きは至って順調な旅だった。20:50、バリのデンパサール国際空港に着。もわっとした熱い空気に包まれることもなく、いつもとくらべてかなり涼しい印象。バリ在住の友人N氏に空港で迎えられ、チャーターしていた車でウブドゥへ。N氏が薦めてくれた BUCU VIEW BUNGALOWS(ボチョ・ビュー・バンガロー)に入る。日本から持ってきたワインで3人で乾杯。
宿はまさしく深い森の中にあり、目の前は一面、緑、緑、緑。空間を覆い尽くすような圧倒的に騒々しい森の音(虫の音や川の音)が、ひたすら心地よい。
- 5月15日(バリ2日目) -
6:40、起床。入浴、朝食後、王宮周辺〜JL. MONKEY FOREST(JL. : Jalan 「通り」の略称で「ジャラン」と読む)にかけてのウブドゥの中心エリアに繰り出す。午前中はかつて記憶にないほどに閑散としていること(やはり続いたテロの影響か?)、センスよい店がさらに増えていること、そして2年前にはなかったはずのATMがあちらこちらに出来ていることが、最初の驚き。
マーケットに行ってみるが、楽しみしていたフルーツが全然売っていない。2日前にクニンガンだったので、そのせいでフルーツが出払ってしまったらしい(「クニンガン」はバリを代表する盛大な祭り日で、「オファリング」の行列の捧げものとして、様々なフルーツが大量に消費される)。それでも、マングースチンが売られていたので、1kgだけ購入(Rp30000、約370円。ちょっと高いが交渉しても下がらなかった)。この味が楽しみで、以前は2〜3月頃によくバリに来ていたものだ。
12:00、イブ・オカでバビ・グリン(ブタ料理)を堪能。今日はいつもより少し味が濃いような気がした。ここのバビ・グリンを食べることはバリ滞在中で一番の楽しみのひとつ。2年前の前回の旅行では、40度近い熱が出たのにもかかわらず、車を手配して食べに来たほどだった。自分にとってはそれだけの価値がある(が、最近はイブ・オカも、とみに有名になってしまったなぁ)。
(← パリパリしたこの皮が美味い!)
近くの店でアラック(ヤシ酒)のどぶろくを見つけたので、買ってみる(しかし、不味かった)。
13:00、宿に戻って昼寝。14時、N氏来訪。「まさかいるとは思わなかった」と呆れられる(?)。今回の旅は、パソコンを触らない、電話を使わない、新聞は読まない、TVを見ない、CDを聴かない、、、とにかく何もしないでのんびりすることがテーマ。なので、バリに着いた最初から完全にのんびりムード。これが旅の楽しさであり、最高の贅沢なのだと思う。
16:30、ウブドゥの南方マス村にあるN氏宅を訪問。自宅の敷地内に併設されたバナナペーパーの工房を久し振りに拝見。美味しいタマリロをつまみながら、本格的なアラックのどぶろくをいただく。やっぱり、こっちの方がはるかに美味い。一瓶分けてもらい、すっかり幸せな気分。
夜、ベベ・ブンギル BEBEK BENGIL で夕食。ここのアヒル料理は評判通りの美味さだし、レストランからの眺めと雰囲気もよいので、バリ滞在中必ず一度は来ている。しかし、ライスと他のメニューはあまり美味いとは思わないなぁ。
エル・スールの原田さんと海上さんから、バリのグループ、プラネット・バンブー PLANET BAMBOO のCDを探してきて欲しいと頼まれていたのだが、リーダーのアリフ ARIF のケータイ番号がいきなりわかったので、彼らのCDをまとめてオーダー。リハーサル、コンサートにも誘われる。
- 5月16日(バリ3日目) -
午前、JL. BISMA から CAMPUHAN にかけてを散歩。途中、次に泊まるホテルを探す目的を兼ねて、主に高級リゾートホテルの部屋を見て回る。今日チェックしたのは、IBAH、TJAMPUHAN HOTEL & SPA、WAKA NAMYA RESORT、PITA MAHA、KORI UBUD など。気に入った中で予算に見合うところが見つかったので、23日からの宿泊を予約。
14:30、宿に戻りプールで泳ぐ。これだけ広いプールを連日独り占めできるのは、なんという贅沢か。300ドル以上払ってプライベートプール付きのヴィラに泊まる以上の贅沢とさえ言えるだろう。
夜、王宮広場でレゴン・ダンス&ラーマナヤを観劇。入口で荷物検査を受けたが、こんなこと過去にはなかった。これもバリを襲ったテロの影響に違いない。ここの出し物は、まあこんなものだろう。ちかくのワルンで夕食後、BUTUN DEWA でデザート。帰り道、24時間営業のスーパーを見つける。これにはウブドゥも変わってしまったものだと、変に嘆息。
- 5月17日(バリ4日目) -
11:00、プラネット・バンブーのリハーサルを見学。
(← Arif)
アリフから若干情報を聞き出した後、今度ゆっくりインタビューさせてもらう約束をして別れる。
12:30、サッカー場脇のデリ・キャット DELI CAT で昼食。ここも混まなくなったというのが、常連客の感想。たしかにウブドゥはどこも閑散としている印象を受ける。
JL. MONKEY FOREST 〜 NYUH KUNING 界隈のホテルを見て回りながら散歩。今日部屋を見せてもらったのは、KOMANEKA RESORT、UBUD INN、ALAM INDAH、ALAM SANTHI、ALAM JIWA、TEGAL SARI、そして昔の定宿 WHITE HOUSE など。今回は西部国立公園のエリアにも足をのばし、久し振りにスクーバ(一般的には俗称の「スキューバ」ほ方が通じている)をしようと、その準備もして来たのだが、2週間の滞在では海に出る余裕がないと判断して、明日18日以降のホテルもウブドゥ内に決めて予約してしまう。
20:00、ベルギーレストラン、CAFE DES ARTISTES で夕食。ちょっと高いけれど、それだけの価値は十分ある。オーダーした、ガドガドも、パスタも、ワインも、相当美味かった。毎日でも来たいくらい。
- 5月18日(バリ5日目) -
BUCU VIEW BUNGALOWS をチェックアウト。とうとう4日間、これだけ広い空間を完全に独り占めだった。日本出発前に友人N氏に「安くて、静かで、眺めが良くて、音空間がよいところ」を探しておいてと頼んでいたのだが、こんなワガママに見事に応える素晴らしさだった。ウブドゥのほぼ中心に位置しながら、これだけ自然音以外の音が全く聞こえないというのは、信じられない。それでいてインターネットで検索しても全く引っかからないのだから、他人に教えるのが勿体ないくらい。だけど、これからも宿泊客がいないと廃業してもおかしくないはずなので、たまには誰か泊まってほしい。確かに、これで一泊Rp200000(約2600円。これが値切ってRp130000になった)は高いかなとも思うが、考えてみると広い2階構造(下がバスルーム、上がベッドルーム)で、しかも文句なしの環境であることを考えると、十分に安いとも言える。今度来るときには2週間くらい泊まって、もっとのんびりしてもいいなと正直思った。
10:00、JL. MONKEY FOREST のウブドゥ・イン UBUD INN にチェックイン。奥の一番良い部屋を選択。1泊75ドルのところを、5連泊することを条件に交渉の末、35ドルにディスカウント。それにしてもこのバスルームの広さは笑える。
12:00、モンキーフォレストへ。考えてみると、入場料を払ってこの森の中に入ったのはこれが初めてかも知れない。
13:00、絶景の田園風景を眺めながら、TROPICAL VIEW CAFE で昼食。以前は結構混み合っていたここも今日はガラガラ。
14:00、会社に今日からの宿泊先をメールで連絡。パソコンには触れたくなかったのだが、サラリーマンである以上はこれも仕方ない。請求された通信料、少し高いと思ったものの、何となく疲れていたし、大した金額ではなかったので、文句を言わなかったのだが、店の(態度悪い)女、間違いなく自分のポケットに入れたはず。やっぱり不正を正しておくべきだったと後で反省。シャトルバスを出しているプラマ社オフィスの斜め向かいにあるスーパー内にある電話/ネットコーナーです。これから行く人は気分悪くなるところなので、使わないで欲しい。
15:00、ARMAの美術館を見学。およそ10年前に執り行われたオープニング・セレモニー以来、来訪は4回目くらいになるが、全然厭きない。割合最近の作の中で個人的に好きなのは『ボーマの死』だ。いつ見ても素晴らしいと思う。
一旦宿に戻った後、散歩がてら夕食に出かける。再び、BUTUN WARUへ。誰もが絶賛するが(N氏もお薦め、Kさんのお気に入りでもあるそう)、私はそれほど美味しいと思ったことは一度もない。店員の何人かは応対が冷たいのと、脇を流れる川の匂いが臭いのもマイナス点。
- 5月19日(バリ6日目) -
13:00、再びイブ・オカでバビ・グリン。残念ながら、前回とくらべるとかなり味が劣っていた。午後遅くだと、あまり美味しいものを出せないのかも知れない。
14:00、ウブドゥの北東にある大型スーパー、DELTA DEWATA へ。パッションフルーツ(マルキッサ)、ジャンブー、ジャックフルーツ、ナシゴレンの素、サンバル、シナモンスティック、粒コショウ(黒、白)、揚げタマネギ、など、これだけ買ってRp66500(約800円)は安い!
『バリ、夢の景色 〜ヴァルター・シュピース伝〜』(坂野徳隆、文遊社)を読了。とにかくよく調べて書いているというのが一番の感想。その反面、分析部分に対しては?を連発(本人自身は納得しているのかもしれないが、読み手にとっては全く腑に落ちない論述が並ぶ。少し言葉が足りないと思う)。敬愛するシュピースの多面振りとその才能の豊さ、そのいずれもがこれまで考えてみなかったほどの高いレベルであったことに驚愕。そのことをバリ滞在中に知り得ただけでも、実に幸せな気分にさせてもらった。是非、再読したい(彼のガムラン演奏を収めたCDについて、以前『アンボス・ムンドス』にレビューしたことがあった。そのあたりも含めて、この本とシュピースについては改めて書いてみたい)。
夜、ティルタ・サリ公演を観る。この楽団のパフォーマンスは度々観ているが、3日前に観たのとは段違いの素晴らしさだった。ただし、ワイヤレスマイクの使用はただちに止めるべきだ。あまりに音が悪過ぎる。
夕食は、LOTUS LANE にて。
- 5月20日(バリ7日目) -
11:30、N氏に誘われて、マス村の彼の自宅を再度訪問。お手伝いさんの作った昼食とバリのビールをいただく。
その帰り道、パートナーがバリに来るのは初めてであることから、たまには観光も必要かと思い立ち、ゴア・ガジャに立ち寄る。しばらく遺跡巡りをして通りに出たところで、近くの村のオダラン(祭り)の行列に遭遇。車の流れが完全に止められた中、オダランのオファリングの美しい列が通り過ぎる。ラッキーだった。
夜、飽きもせず、さらにいつくかリゾート・ホテルを物色。今回はロスメンも含めて、高級リゾートホテルを中心に30ほど見て回ったが、それらを通じての感想は改めてまとめてみたいと思っている。
CINTA で夕食。インドカレーを選択。メニューはどれも高かったが、味の方は物足りない。地元のワイン、ハッテン HATTEN の赤を買ってからホテルに戻る。味はかなり淡い印象で、いくら飲んでも酔わない。
バリに舞い戻って1週間。数年前に「もうバリとの関係は切れた」と思いながらも、また来てしまったバリ。他とは代わり得ないものがたくさんあることに気づかされる日々が続いている。
- 5月21日(バリ8日目) -
デンパサールの近くで興味深いオダランがあると誘われたが、毎日スケジュールを入れるとのんびりする目的が果たせないので、これは断念。
昼、BIAH BIAH で昼食。安くて美味い!
食後、再び DELTA DEWATA へ。店内に入るなり、もの凄い匂い。探していたドリアンが売られていて大喜び!(かわりに今日はジャックフルーツが切れていた。)タイからの輸入品で、1個5〜6万ルピアほど(バリは今時期外れで、普段だと7000ルピアでも割高らしい)。
夜、LAMAK で食事。ウブドゥの中心エリアでは最高にしゃれたレストランで、はっきり言って周囲には似つかわしくないほど。シーフードのプレートやステーキが3000円くらいするのも信じがたい。まあ、確かに美味いけれど。それにしても、ここも店内はガラガラで経営状況が心配になる。集客見込みがテロのせいで完全に外れたのだろう。
23:00、早めに就寝。しかし、ドリアンを食べたせいで、鼻の奥が臭くてたまらない。
- 5月22日(バリ9日目) -
10:00、N氏と旧友のサン・マデ君がホテルに迎えに来る。マデとは約10年振りの再会だが、全然変わっていない。スマラプラ王宮を見学してから(意外にも、ここも初訪問のはず)、マデの実家へ。これは「バリのローカルの料理を是非食べたい」とお願いしていたからなのだが、彼の奥さんの手料理、抜群に美味かった。いくつか作り方を教わってきたので、今度挑戦してみることにしよう。
マデに借りて正装に着替えてから、バリ・ヒンズーの総本山的存在のプリ・ブサキ(ブサキ寺院)へ。途中から大雨で、少し雨宿りした後に御参り。
N氏の家で出前をとって夕食。ホテルに戻った後、冷やしておいたバリのスパークリングワインを開ける。Rp120000(約1500円)と、結構高い。
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(深夜呑みながら読書していたら、チチャ(トカゲ)が遊びに来た。)
- 5月23日(バリ10日目) -
UBUD INN をチェックアウト。格安ロスメンばかりに泊まっていた昔ならば、こんな名の通ったホテルに泊まることなど予想だにしなかったが、今は35ドルでも高いというのが実直な感想。と書きながらも、このホテルの足を引っ張る気持ちはさらさらない。まあ、このあたりについては、後でバリのホテル事情についてまとめておきたいと考えているので、その時にでも改めて触れられればと思う。
移った先は、15日に見て回った中で、部屋からの眺めがもっともよく、部屋の広さや雰囲気もバスルームの作りも文句なさそうで、値段的にも納得のいく、KORI UBUD の最高級ルーム。ここは正規料金が1泊280ドル(+TAX 21%、つまり約340ドル)で、ピークシーズンだと税込み500ドルほどなのだが、交渉してみると3泊で401ドル(しかも税込み)にまで下がった。もちろん朝食と送迎込みだし、おまけに昼食/アフタヌーンティー、スパ、夕食(各1回)付き。公示しているプライスがかなり高めに設定していることは明らかなのだけれど、それでも60%を超える割引を受けた上で、名の通ったホテル(とそのプール)をほぼ貸し切りできることは有り難い(実際、他の泊まり客は本当に少なかった。そうそう、ベランダもびっくりするくらいに広かった)。
16:00、NEKA MUSEUM で絵画鑑賞。シュピースの伝記を読んだ直後だけあって、作品の理解力が高まっているように思う。
『母の声、川の匂い 〜ある幼時と未生以前をめぐる断想〜』(川田順造、筑摩書房)を読了。今現前にある「バリの風景」、坂野徳隆の描くバリの「夢の景色」、そしてこの本の中で綴られているものは、確固として結びついている。それが何かについては、もはや述べるまでもない。古き良き時代、牧歌的かつのどかな風景へのあこがれが募るばかり。
その後、ホテルとミュージアム周辺を散歩。その途中、某ホテル内と部屋のいくつかを拝見。残念ながら、無印良品をそのままホテルにしたような味けなさで(ちょっとセンスがズレてるなぁ)、ガッカリ。
20:00、サービスのディナーをオーダーしてみたら、全く満足がいかなかったので、向かいの PITA MAHA のレストランで飲み直す。ここのホテルの作りは魅力的なのだが、部屋からの眺めは何とも惜しいと思う(そのあたり、昔から思っていることがあるので、そのへんについても後日)。相手してくれた女性がサン・マデの知り合いだったので(サン・マデとは彼がここで働いているときに知り合ったのだった)。彼女としばらく雑談。取り留めない話が続いたので、そろそろ離れてくれよとも思ったのだが、どうも暇つぶし/日本語練習の相手をさせられたよう。まあ、いいか。それより、ここも閑散としている。
5月24日(バリ11日目)
8:00、少し寝坊して起きる。ベランダから眺める、朝日を浴びる森の緑の光景が美しい。
12:30、ホテルから FOUR SEASONS までぶらっと散歩。道行き、女性ガムランの練習風景、オダラン、子供がガムランを叩きながら募金を集めて練り歩く隊列、人知れぬプリ(寺)の裏の美しい光景と、次々に出会い、こうした散歩は幸せだ。昔、建設途中のところを見に行った FOUR SEASONS ではレストランのメニュー(昼と夜)をチェック。とにかく高い!(例えば、昼の「弁当」が2500円以上する。)たとえ美味くとも、これだけ出すなら、ウブドゥの他のレストランの方がより美味いものが食べられるだろうと推測。
これまでバリに通った目的のひとつは、年代もののイカット(絣)探し。中でもキサール島(KISAR)のものに拘って、ウブドゥでもクタ/レギャンでも探し続けていたのだが、今回耳にした話では、「キサールのものはもうない。あなた、買っておいてよかったよ」とのこと。しかし、FOUR SEASONS の売店でキサールのイカットを1枚見つけた。値段は Rp9600000(約13万円)。とんでもない価格だが、それでも自分が集めているものより、かなり劣るものだった。
ウブドゥの骨董屋では、カリマンタンの布にちょっとばかり気に入ったものがあったが、こちらはRp1900000(約25万円)で、ちょっと手が出しにくい。
16:00、CASA LUNA でお茶。ここのパンは評判通り、とても美味しい。今夜はジェゴグを観に行く予定だったが、会場のプリ(PURI DALEM UBUD)がオダランのために中止。代わりにケチャを観劇。これまでに観たケチャは不満な点が多くて、さほど面白いとも感じなかったのだが、それらにくらべて今夜のものは十分に楽しめた。
21:00、CAFE DES ARTISTES で再び夕食。ここはベルギー料理のレストランなのだが、ウブドゥの中でもベスト3に入る店だろう。バリという熱帯で美味しいベルギーの白ビールが飲めるなんて、ちょっと信じがたい(ただ、ビール一杯の方が料理一品より高くなってしまう。まあ、これも仕方ないか)。
ホテルに戻ると、向かいのプリでもオダランの最中だった。眠るのが惜しい夜だ。
5月25日(バリ12日目)
(← ホテルの朝食)
13:00、3度目のイブ・オカ。今日のバビ・グリンの味もいまひとつ。とにかくスゴイ混みよう(ジャワから?の団体が目立った)。
ホテルのプールで読書しているうちに雲行きが怪しくなり、やがて雨に変わった。雨の隙をついて、周辺を田んぼを散歩。
夜、バリ滞在の締めにモザイク MOZAIC へ。KORI UBUD のとなりにあるこのレストラン、今、「バリで一番美味しい」あるいは「インドネシアで最高」と謳われているところ。早め(3日前)に予約しておいたところ、一番よい席に案内してくれた。オーダーしたのは、全6品のコース(前菜、魚、フォアグラ、肉、チーズ/フルーツ、デザートの6つなのだが、これらの前後にさらに2品のサービスがあった)と、それに合ったワインを添えてくれるワイン・コース(白、白、ロゼ、赤、スパークリングワイン、デザートワインの順に出て来た)。調子に乗って料理もアップグレード。これだけいただいて、ひとり7万ルピアほど(税を加えると12000円くらいになるのかな)。とにかく最高だった!!!
近くのプリではオダランが続く。
5月26日(バリ13日目/最終日)
昼、KORI UBUD をチェックアウト。それからホテルの車で、マスのN氏宅へ。彼が作ってくれたクスクスをいただく。夕方、シャワーを借りてすっきり。
夕方、N氏とスミニャックの人気レストアラン、クーデタ KU DE TA で夕食。ここでも車両検査と荷物検査を受ける。しかし、なんとも中途半端なやりかた。いかにもテロの標的にされそうな雰囲気で、長居は避けたくなった。価格も高過ぎ(カニを中心としたディッシュひとつで、50ドルくらいした)。おしゃれに着飾った白人が多い中、ださい格好で入ってきて記念写真だけ撮って去る、あるいは同じく見苦しい身なりで大騒ぎしてしているアジア人(中華系と韓国人)が近くに多くて、同じアジア人として恥ずかしくなる。
19:40、空港でチェックイン。帰国の途に着く。
5月27日
9:10、日本到着。早くも、「いつバリに帰ろうか」と思い始める。
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(サイト用に書いたバリ旅行記を、こちらのブログにも転載。写真は後日もう少し追加したいと考えている。旅の総括については、改めて、、、。)