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 ピーター・エイムズ・カーリンの『ブルース・スプリングスティーン アメリカの夢と失望を照らし続けた男』とクロード・レヴィ=ストロースの『野生の思考』を、2週間かけてじっくり精読。今年の完読 71冊目と72冊目。

 まずはレヴィ=ストロース『野生の思考』。

 レヴィ=ストロースはこれまで『悲しき熱帯』(『悲しき南回帰線』)しか読んだことがなく、彼の代表作『野生の思考』くらいは、いつか読みたいと思い続けてきた。今回まとまった時間が持てたのでようやく挑戦を決意。しかしここまで難解だとは想像外だった。「本書はレヴィ=ストロースの著作の中でも格別に難解なものとして知られている。」(訳者あとがき P.362)のだそう。知らなかった!

 読みにくさの理由としては、覚えのない専門用語(それも一学者個人が定義づけし使用しているものも多い)が頻出していること、個々の単語・用語を厳密に日本語へと変換することがほぼ不可能なこと、文章が冗長で構文的にも分かりにくいことなどが挙げられる。この本は原文のフランス語で読まない限り、十分な理解などできないに違いないと思ったほどだったが、きっとフランス人にとってもこの難解さには大差ないことだろう。

 サルトルの『弁証法的理性批判』を解さず、レヴィ=ストロースの他の著書(研究書)も読まずに、この『野生の思考』に挑むことが、そもそも無謀だったのだろう。おそらく内容の1割も理解できていないに違いない。

 それでも、この書籍が書かれるより以前の「野生(野性)の思考」という捉え方が誤りであって、原生的/後進的に思える人々の多くの方が、名付けに関してははるかに複雑かつ見事な構造(といったもの)を持ち、しかもそれらが遠隔した別民族同士で共通項を有し、さらには現代人の思考との共通点や逆方向に対照する奥行きさえ持っている、等々の、論考の骨子だけはある程度把握できたと(勝手に)思っている。

 また、レヴィ=ストロースの論述を支える北米・南米・オーストラリア・メラネシアなどの文化人類学的なフォールド調査の成果の数々が実に興味深かった。どの民族も現代欧米人との接触・交流・混交が進み、彼らの文化の一部あるいは大部分が失われ、こうしたサンプル収集がもはや未来にわたって不可能であることを思うと尚更である。

 その一方で、何度読み返しても文章が把握できなかったり、本当だとは思えないようなロジックに疑問を抱いたりすることが、ほとんど全てのページにあった。息絶え絶えに読み終えて、こんなことならレヴィ=ストロースや構造主義についての概論書を先に読んでおくべきだったとも考えた。しかし、原典に取り組み、自分の限界を越えようとする中で、作品に味わいを感じることもまた、読書の醍醐味なのだろう。







# by desertjazz | 2018-11-25 20:00 | 本 - Readings

 Youssou N'Dour & Le Super Etoile de Dakar のニューアルバム "Respect" が 11/28 にリリース!


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(追記1)11/30 リリースに延期されました。

(追記2)今日アップされたユッスーの最新ビデオクリップを観る限り、新作 "Respect" には、今年4月25日に突然亡くなった Super Etoile de Dakar のベース/キーボード奏者 Habib Faye を悼む曲が収録されているようだ。(12/2 記)







# by desertjazz | 2018-11-24 10:00 | 音 - Africa

Retirement of Salif Keita ?

 サリフ・ケイタ Salif Keita が音楽界からの引退を表明 !?


 10月にリリースした “Un Autre Blanc” がサリフ・ケイタのラスト・アルバムになるようだ(CD発売は11月下旬の予定)。Another White というタイトルに象徴されるのはアルビノの権利保護というテーマ。サリフの声がとても良いなど、充実した内容なので、個人的には今年のベスト・アルバム候補に挙げていたところだった。


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# by desertjazz | 2018-11-19 15:00 | 音 - Africa

 ウアムリア奈津江さんが、ベルベル系シャウイの伝説的歌手アイッサ・ジェルムーニ Aissa Djermouni と彼のアルジェリア盤CDを紹介され話題になった。それ以来、私も彼直系の音楽により注目するようになっている。マルセイユのベルザンスでは、そうしたシャウイ系のCDが色々手に入る。情報が乏しくて、ベルベルの中でも誰がシャウイ系なのか判断がつかない面もあるのだが、ライのルーツとも繋がるようなベルベルの土着的な伝統音楽をいくつか取り上げてみたい。

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 1995年にリリースされた "Anthologie Du Rai" は充実したコンピレーションだった。その中でライのオリジネーターとして紹介された、リミティ Rimitti とシェイク・エル・ハマダ Cheikh El Hamada に次いで取り上げられていたのが、シェイク・エル・ママチ Cheikh El Mamachi だった(Vol.1 のジャケットには彼の顔写真?)。葦笛ガスバとフレームドラム(ベンディール?)だけを伴奏にコブシたっぷりに歌われる、アクの強さやアーシーな感覚は一緒なのだが、アイッサの方が遥かに荒々しい歌だ。恐らくママチの方が随分後年の録音なのだろうと推測されるのだが、いかんせん全く関連資料が見つからない("Anthologie Du Rai" の解説にもフランス語への歌詞抄訳があるのみ)。呪術的でありながら、実に味があって、今度のマルセイユ探索の大きな収穫となった。

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・Cheikh Mohamed El Mamachi "Fi Had Majlisse" (Edition Fraternelle no number)
・Cheikh El Mamachi "Vol.1" (Edition Fraternelle No.369)
Cheikh El Mamachi "Vol.3" (Edition Fraternelle No.06)
・Cheikh Mohamed El Mamachi "Vol.4" (Edition Fraternelle No.430)
・Cheikh Mohamed El Mamachi "Vol.7" (Edition Fraternelle No.402)
・Cheikh Mohamed El Mamachi "Tayara" (Edition Fraternelle No.410)
・Cheikh Mohamed El Mamachi "Vol.12" (Edition Fraternelle No.420)
・Cheikh Mohamed Mamachi "Krim El Glaub Wajbi" (Edition Fraternelle No.432)


 シェイク・エル・ママチの CD がこれだけ出ているのなら、シェイク・エル・ハマダもあるはずで探してくるべきだったと、帰国後に気がついた。ハマダの録音は"Anthologie Du Rai" 以外にもいくつかのコンピレーションに1〜2曲ずつ収録されているが、まとめて聴きたい歌い手だ。Spotify で検索してみると6タイトルあり、どれもいい。これらの CD は次回のフランス滞在で探してみたい。


 ミロウド・エル・ヴィアラリ Cheikh El Miloud El Vialari も良かった。ハマダやママチと比較するとずっと端正な歌い口。録音も良く、動画もネットに複数アップされているので、現役の音楽家なのかも知れない。シンプルな繰り返しのようでありながら、時折ゾクッとする瞬間が来る。

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・Cheikh El Miloud "Kissat El Hadj" (Edition Noudjoum Wanchariss CD77)
・Cheikh Miloud Vialari "Vol.1" (Edition Noudjoum Wanchariss CD79)
・Cheikh El Miloud El Vialari "Vol.3" (Edition Noudjoum Wanchariss CD125)
・Cheikh El Miloud Vialari "Vol.4" (Edition Noudjoum Wanchariss CD147)
・Cheikh El Miloud Vialari "Vol.5" (Edition Noudjoum Wanchariss CD148)


 今回買ったカビールやシャウイといったベルベル系音楽CDで、まだ聴いていないものが手元に数十枚。アルジェリアの音楽は知るほどに奥が深く興味深い。しかし、とにかく各音楽家に関する情報がなくて、紹介しにくいことに困っている。その点、ウアムリアさんの書かれた記事『カビールとシャウイ 注目を集めるアルジェリアのベルベル系音楽』(ミュージック・マガジン2008年1月号 P.84-89)や彼女のブログ『ビバ!アルジェリア』は大変参考になった。だが、より詳しく知るためには、フランス語でも構わないので適当な文献が欲しいところでもある。

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 (続く。残りの未紹介のアルバムについては、また別の機会に。)






# by desertjazz | 2018-11-07 00:00 | 音 - Music

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 ここ
に書いた通り、体調崩してやや不満足に終わったマルセイユの Fiesta des Suds 取材。アルジェリア盤探しも、熱っぽい身体で出かけて短時間で漁っただけだったので、収穫は少なめだった。

 まずはライ。今回聴いた中ではシェブ・アベス Cheb Abbes が一番良かった。

・Cheb Abbes "L'Histoire Maak Bdat" (2012)
・Abbes "Ma Andich Ichkale" (2014)
・Cheb Abbes "Sentiment Bizar" (2015)

 シェブ・アベスはオランのライ・シンガー。"L'Histoire Maak Bdat" の気品あるポートレートに惹かれて買ってみたら当たり! 1曲目はレゲエ調。4曲目は「ライのプリンセス」こと Djenet 嬢とのデュオ。5曲目はラップMC入り。ラスト8曲目は思わずリフレインしてしまうダンサブルな極上ポップ。トラックごとに楽器編成やアレンジに工夫がなされ、渋谷界隈で評判悪いヴォコーダー(ロボ声)もなし。今回入手したライ盤中でベストだろう。"Ma Andich Ichkale" も好盤。ちょっと Khaled を連想させる声質の良いシンガーだ。


 昨年パリのバルベス Fassiphone で見つけた "Wahrane Halaba" (2013) がかなり良かったシェブ・カデール Cheb Kader。その彼の続作 "Kanoune" (2015) もジャケの面構えに惹かれて買ってみた。流れがやや単調なところが惜しかった前作に対して、本作は1曲目がピアノのイントロで始まるなど、バラエティー豊かなアレンジ。強烈なノドを堪能できるところは前作と変わらない。それにしても "Wahrane Halaba" の1曲目は圧巻だった! 今ハレド Khaled に対抗しうる最強シンガーは2人の Kader だろう。

・Cheb Kader "Wahrane Halaba" (2013)
・Cheb Kader "Kanoune" (2015)

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 ということで、もう一人のカデール Kader Japonais。ジャケット写真も最高のカデール・ジャポネの大傑作 "Hkaya" (2016) を、一昨年秋にこれもバルベスで見つけて日本に紹介したところ評判を呼び、ちょっとしたベストセラーになった。確かにこれは素晴らしい作品で、近年のジャポネの絶好調ぶりが伝わってくる。そこで、今回も最新作 "Dream" を探して歩いてみたのだが見つからず。ひょっとするともうフィジカルは出していないのか?とも思ったが、まあそのうちに手に入れられるだろう( "Dream" も Spotify で聴けているので CD がなくても困らないのだが)。ちなみに10月25日には新曲 "Y'en A Marre" をリリースしたので、来年早々にはまた新作を楽しませてくれるに違いない。

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 カデール・ジャポネは未入手だったアルバムをひと山まとめ買いできたので、今せっせと聴いているところ。いずれも充実した作品だが、以前から持っているアルバムを含めても(下の写真)、やっぱり "Hkaya" が最高だ。

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・Kader Japonais "Ton Bébé" (2007)
・Kader Japoni "Ntalaak Fel Houari Ou Nhabtek Fi Orly" (2009)
・Kader Japonai "Adamek Nti Bizard" (2010)
・Kader Japonais "Mazel Kloubna En Contact" (2011)
・Kader Japonais "200% Live Sheraton" (2011)
・Kader JAP "Jorhi Ma Bra" (2013)
・Kader Japonais "Haba Haba" (2013)
・Kader Japonais "Oscar" (2014)
・Kader Japonais "Today" (2015)
・Kader Japonais "Hkaya" (2016)
・Kader Japonais "Dream" (2018)


 番外編?として、マルセイユのCD店のオヤジに強く勧められたマゾウジ Mazouzi。聴いてみたらシンセによるリズムボックスのようなシークエンスがまるで Cheb Khaled の "Kutché" のようで、思わず聴き入ってしまった。

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(以上のアルバムのほとんどは Spotify でも聴くことができます。)






# by desertjazz | 2018-11-06 12:00 | 音 - Music

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 ここ最近聴いているのは "New Cool Collective Big Band Featuring Thierno Koité" (Dox Records, 2017)。Youssou N'Dour / Etoile de Dakar / Orchestra Baobab 関連の作品は全て入手したいと思って集めているが、このアルバムの存在はつい先日まで見逃していた。かつてユッスーの Super Etoile de Dakar に在籍し、オーケストラ・バオバブ Orchestra Baobab での活動も続けるサックス・プレイヤーのチエルノ・コイテ Thierno Koité が、オランダのビッグ・バンドと共演していたとは。

 New Cool Collective はオランダを拠点とする19人編成のジャズ・バンド。彼らが2012年にセネガルのダカールとサンルイでコンサート出演した際、バオバブのステージを観て、そこでチエルノと出会ったことが、このレコーディングに結びついたそうだ。

 この New Cool Collective はアンサンブルを中心としたポップなジャズ・バンドといった印象で(曲によってはメイナード・ファーガソンあたりに近い)、このアルバムでもチエルノのソロを全面展開している訳ではない。しかし、冒頭のチエルノ作曲(イドリッサ・ディオップ Idrissa Diop との共作)"Myster Tier" は、彼らしいンバラとアフロ・キューバンのミックスがビッグ・バンドのスタイルで再演されている。3曲目 "Moussa Caravelle (Tribute to Emilien Antile)" もチエルノの筆によるポップなナンバー。4曲目 "Padee" は African Jazz Pinoneers の南ア・ジャズを連想させる。New Cool Collective とチエルノとの共作曲も4つあって、中でも "Yassa" の高揚感溢れるホーン・アンサンブルは痛快だ。

 New Cool Collective とチエルノはライブ共演も果たしており、そのシングルがオランダで500枚限定でプレスされている(現在オーダー中で、到着待ち)。

 チエルノ・コイテはバオバブのキーパーソンとして活動するかたわら、ソロ・アルバムも2枚発表している。

・Thierno Koite "Teranga" (JFC Music, 2004)
Thierno Koite "Ubbite" (JFC Music, 2005)

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 いずれもアフロ・キューバン/サルサを中心としたアルバムなのだが、幾分凡庸な仕上がり。チエルノの経歴としてこれらより遥かに重要なのはル・サヘル Le Sahel の方だろう。

 ル・サヘルは、1972年にダカールで開業したナイトクラブであり、そこのハウス・バンドとして1974年に誕生したバンドの名前でもある。中心メンバーは、リーダーの Cheikh Tidiane Tall(ギター、オルガン)、Idy Diop(ヴォーカル)、そしてチエルノ(サックス、フルート)。他に Seydina Ihsa Wade(ギター)、Papa Djiby Ba(ヴォーカル、ギィロ)など、セネガル音楽に詳しい方ならご存知だろう名前も。

 彼らは短い活動期間の間に1枚だけレコードを作っている。

・Le Sahel "Bamba" (Musiclub, 1975)

 このアルバム、サルサ/アフロ・キューバンをベースとしながらも、そこにウォロフのリズム、さらにはロックやソウルなどのエッセンスを混ぜ込み、ウォロフ語でも歌うことで、従来のラテン・カバーから抜け出したものになっている。セネガルの独自色強いほとんど最初の作品であり、セネガリーズ・ポップ史上の大名盤、最重要作のひとつだと、個人的には長年考えている(この後触れるル・サヘルのリユニオン作の解説を読み直したら「("Bamba" の)タイトル・トラックは初めて録音されたンバラの曲」と書かれていることに納得)。なので、もし自分が自由にアフリカ音楽をリイシューできるなら、このアルバムを最初に出すだろう(ダカールで買ったボロボロのジャケットのレコードしか持っていないことでもあるし、、、。ちなみに現時点のマーケット・プライスは100ドル前後。全曲解説書こうかと思ったが、まずは聴いてみてください。ネットで検索すれば簡単に聴けます)。

 ル・サヘルはそれだけ重要なバンドながら、恐らく多くの人々に知られないままだった。そんな彼らが再結成し、2015年にアルバムまでリリースした時にはさすがに驚いた。

・Le Sahel "La Légende de Dakar" (Celluloid, 2015) 

このアルバム、1975年のファーストで取り上げた Larry Harlow の "Caridad" を再録音し、New Cool Collective と共演した "Master Tier" の元ヴァージョンも楽しめる。

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 こうした録音を聴いているうちに、久しぶりにチェルノたちに会いたくなって、オーケストラ・バオバブのライブ日程を調べてみたら、1本だけ、来年5月5日にパリの Philharmonie de Paris での公演が予定されていた。しかし予定メンバーのリストの中にはなぜかチエルノの名前はなし。

 Africando に行ったメドゥーン・ジャロ Medoune Diallo は仕方ないとしても、バオバブのマジカルなリズムの核だったギタリスト2人、バルテレミ・アティッソ Bartélemy Attisso とベンジェルーン Latfi Benjeloun が前作 "Tribute to Ndiouga Dieng"(2017) には不参加。このアルバムは、コラの導入もあって、バオバブらしさがかなり削がれた不本意な作品になってしまった印象が強い。タイトル通り、シンガーのンディウガ・ディエンが世を去り、残念なことだけれど、再結成バオバブの最盛期も過ぎてしまったのだろう。しかし、"Tribute to Ndiouga Dieng" のプロデューサーとして名を連ねたチエルノまで不参加のバオバブのライブって、どうなのだろう? そんな思いにかられながらも、やっぱり彼らのライブをまた観に行きたくなっている。会場も素晴らしく(一昨年にユッスーを観た、クラシック用のコンサート・ホール)、半年以上先のコンサートなのに良席はすでに完売。オーケストラ・バオバブの人気はまだまだ根強いようだ。






# by desertjazz | 2018-11-05 17:00 | 音 - Africa

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 今年10月11〜13日の3日間、フランス南部の中心都市マルセイユで開催された第27回フィエスタ・デ・スッヅ 27th Fiesta des Suds について簡単にまとめてみた。



 今年は時間的余裕の問題もあって、インタビュー等、取材らしい取材はなし。体調悪くて、細かな観察はできず、見逃したステージが多くなったことは無念。よって、写真も言い訳的に(取材に来た証拠作りに)撮った程度。しかし、そのような写真からでも、このフェスの魅力や楽しさは幾分かでも伝わって来るのではないだろうか。

 そう、私が海外の音楽フェスに度々出かけるのは、とにかく楽しいから。もちろん日本にも素晴らしい音楽フェスは幾つもある。しかし、私が本当に観たいアーティストやバンドは滅多に来日しない。とりわけワールド・ミュージック系に関しては。

 その点、Fiesta des Suds は毎回出演アーティストがとても充実している。ワールド系のトップ・アーティストが集い、彼らのライブを広い空間の中で、優れた音響で聴く至福のひととき。2週開催が1週のみに短縮され、観られるアーティストの数も半減したとは言え、日本でライブ体験を望めないものがまだまだ多い。それだけにここに来る価値がある。

 そして、毎度感じていることだが、いずれの出演アーティストとも、単に音楽的に優れているばかりではなく、強烈な個性とオリジナリティーを持っている。今年は、ステージ上での見せ方に大変工夫を凝らしているバンドが多いことも印象強かった。

 さらに今年の特徴としては、マルセイユ勢の出演が多かったことが挙げられるだろう。そのことに、会場を移して新たなスタートを切るフェスを地元アーティストたちが盛り上げようといった気概を感じた(恐らく準備期間や予算の問題もあっただろうと想像されるのだが)。

 また、具体的には書かないが、フェス初日には様々な問題点が散見された。しかし、それらの幾つかは翌日には解決されたように見えた。そうしたところに、このフェスの課題処理能力や適応力を感じた。加えてスタッフ皆がフレンドリーなのもいい。


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Baloji (2018/10/12)


 このリポートの最初(Part 1)に書いたことだが、FIesta des Suds はとにかく雰囲気が良いことに惹かれている。フランス語を解さない私を人々が歓迎してくださり、声をかけられ、いつの間にか知らない同士で音楽を一緒に楽しんでいる。

 日本出発前とフェスの合間にマルセイユについて探求し、マルセイユ滞在8回目にして新たな発見もあって、この街がますます好きになってしまった。できることなら移り住みたいくらいだ。

 今年の来場者は延35000人だったと、昨日公式発表があった。そして「来年の10月にまた会いましょう」とも。私もまた来年行けるといいな!


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(続く?)






# by desertjazz | 2018-10-25 20:00 | 音 - Festivals

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Siska (Sista Ka)


2018年10月13日(土)の続き

 3年前の Fiesta des Suds でのこと。屋内ステージのフロアで立ち話をしている一人の女性が目に止まった。「Watcha Clan のヴォーカルの方ですよね。昔からファンです」 そう、Sista Ka がいたので、思わず声をかけてしまったのだ。

 マルセイユのエレクトロ&ダブ・バンドの Watch Clan は結構気に入っていて、以前からアルバム、リミックス盤、ソロ作を集めている。リード・ヴォーカルの Sista Ka ことシスカ Siska は最近はソロ活動が中心のようで、2015年の "Unconditional Rebel" は超ハイスピード撮影して制作されたPVがちょっと話題になったりもした。そのシスカがストリングス・カルテットを擁した最近の編成でのライブをやると、ギリギリ最後に発表になり、フェスでの楽しみがまた一つ増えたのだった。

 新曲 "Need U Badly" などはストリングスをバックにある程度しっとり聴かせるのかとも思ったが、やっぱりステージ仕様の爆音モード。’with Strings’ と謳いながらも、ストリングの入った曲は多くなったかも。前半は真紅の美しい衣装。中盤にそれを脱ぎ去りタンクトップ姿でファニーなダンスを繰り返す。彼女のライブは初めて観たが、やっぱりステージ慣れしたパフォーマーだなと実感した。

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 シスカは最後まで観たかったが、思い直して前半で切り上げ、ホテルに戻ることにする(なので写真も最初の方に撮ったものだけ)。メイン・ステージ大ラスの Fakear もパス。フェスはその後 Dock で2時(26時)からアフターDJパーティーの予定。祭りはまだまだ終わらない。

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(Part 12 へ続く)





# by desertjazz | 2018-10-21 00:11 | 音 - Festivals

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General Elektriks


 2018年10月13日(土)の続き

 今夜あと観たいのは 23時45分からの Siska with Strings Quartet。しかしそれまでまだ4時間近くある。発熱しそうな気配は消えないし、明日帰国ためのパッキングもあるので、今年のフェスは Moussu T までと諦めてホテルに帰るつもりでいた。

 しかし、友人から「ビール飲むかい?」との一声。そんな誘いは断れない。ということで、Village Pro(関係者エリア)に移動。そうだ、Press Pass があればここに入れるのだった。会場移転したからなのか、すっかり思い違いしていた。Village Pro なら座る場所もあるし、高い位置からステージも良く見えるし、アルコールも買いやすい。昨日までの2日間もここを利用して身体を休めるんだったとちょっと後悔。

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 このエリアの一角にはブロードキャスト・ブースがあり(写真は General Elektric のリーダーが演奏直後にインタビューを受けているところ)、奥には超VIPエリアも設営されている(多分スポンサー用なので、さすがにここには入れない。昔間違って彷徨い混んだことがあったが、テーブルにはシャンパンなどが用意されていた)。

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 ビール片手に語らいながら、ここで General Elektriks を聴いていたのだが、大音量で聴く彼らのファンク・サウンド、最高だね。特にベーシストの放つ太い音と彼のパフォーマンスがいい。キーボードとベースがダンスし続けるって、常識的には考えられない面白さだし。

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 その後は、Girls In Hawaii と Hyphen Hyphen も少しだけ観る。若手ポップ・トリオの Hyphen Hyphen は大人気。日本からやって来た輩には理解できないほど。ドスの効いた女性ヴォーカルはかなり聴かせる声質だとは思った。

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 関係者エリアにいると次々に業界人を紹介される。3年前にパリでライブを観たマルセイユのアラビック・ロックバンド Temenik Electric のリーダー/ギタリストにも紹介されて少し立ち話。ここにいると色々情報を得られるので、もっと早くに来るべきだった。

 とダラダラ飲んでいるうちに、Siska の時間が近づいた。体調も回復してきたと感じるのは気のせいか?


(Part 11 に続く)






# by desertjazz | 2018-10-21 00:10 | 音 - Festivals

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Moussu T & Banane


 フェス最終日、本日のお目当は勿論 Moussu T e Lei Jovents。

 今年フェスが開催された J4 / MuCEM のエリアが、第3回と第4回の会場でもあったことは、先に Part 1 で書いた。さらに遡って、その前の第1回と第2回の会場は Joliette だった。

 Joliette はかつて船乗りたちが世界中から出稼ぎに集まってきた地区。カリブ海出身の黒人船乗りバンジョーを主人公に描かれるクロード・マッケイ Claude McKay の小説『バンジョー』の舞台もここ Joliette だ。そしてマッシリア・サウンド・システムの Tatou がこの小説を読んでインスピレーションを得て、1930年代のマルセイユへの関心を深めたことをきっかけに、同じくマッシリアのブルーと結成したのが Moussu T e Lei Jovents だった。そのことを思い出すと、彼らこそ Joliette - J4 周辺に戻ってきた今年の Fiesta des Suds に相応しいと言えるかも知れない。

 個人的に彼らを初めて観たのも、2006年のこのフェスだった。結成当初は3人編成で、哀愁ある曲調が印象的だった。その後メンバー変更を繰り返し、現在は6人編成にまで膨らんできた。このメンバーで作られた新作のテーマは1930年代のジャズだという。アルバムは今月19日にリリースされるので、これが新作お披露目ライブにもなる。

 一昨日11日、インタビュー取材やマッシリアのサウンドチェックの合間に Moussu T e Lei Jovents の新作について、ムッスーT(タトゥー)に楽屋で少し話を聞いた。“Operette Volume 1” と “Operette Volume 2” の違いは何かと尋ねると、「今回は対象の幅を広め、音楽的にも深く掘り下げている」とのこと。「Operette の曲は1930年代のレパートリーばかりで、オリジナルは1曲のみ。」

 メンバー構成に関して今回一番の変更点はギタリストの新規加入だろう。ギターとバンジョーのコンビネーションが彼らのサウンドの魅力のひとつ。なので、これまでのライブでは、ブルー Blu Attard がバンジョーを弾く曲ではギターを、ギターを弾く曲ではバンジョーの音を、タトゥーがCD再生していた。そこにわずかばかり物足りなさを感じてしまっていたのだが、今のライブでは「ブルーはバンジョーに集中できる」。新メンバーのギタリストのバナナ Banane はまだ25歳という若さで「女性たちにとても人気がある」とも話していた。

 さて、ステージ。メンバーたちはいつもと同様上機嫌で、テンポ良く進む。ひたすらハッピーで陽気な曲ばかり。初期の頃の切々とした歌声が懐かしくさえあるほど。メンバー同士のやりとりも楽しそうで、観客たちの笑いが耐えない。フランス語が少しでも分かれば、もっと楽しめるのだろうな。

 あっという間の50分間。今回もとても楽しかった。本当に人を幸せにさせる音楽だなぁ。タトゥーとブルーは本フェス中、2ステージを担うことに。お疲れ様でした!


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(Part 10 へ続く)





# by desertjazz | 2018-10-21 00:09 | 音 - Festivals
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